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株式投資指標の一覧|5分類20指標の式と目安(プライム中央値PER16倍・ROE8.6%)

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株式投資の指標は数が多いものの、「割安性・収益性・成長性・安全性・株主還元」の5つの問いに分けると整理できます。まず押さえるなら、割安さ・稼ぐ力・財務・還元をひと通り確かめられるPER・PBR・ROE・自己資本比率・配当利回りの5つです。

「何倍・何%なら普通か」の目安は、今の上場企業の真ん中の値です。東証プライム上場企業の中央値はPER16.0倍・PBR1.36倍・ROE8.6%・自己資本比率58.6%・配当利回り2.6%(2026年9月28日終値時点、自己資本比率は金融業を除く。KabuGraph算出)。

この記事では20の指標を5分類で一覧にし、計算式と意味、今の水準、見る順番、どこで確認できるかをまとめます。個々の指標の詳しい使い方は、それぞれの解説記事へのリンクからたどれます。

投資指標は「5つの問い」に分けると迷わない

証券会社のアプリや銘柄ページには多くの指標が並びますが、どの指標も「この会社について何を知りたいか」という問いへの答えです。問いで分けると、次の5つに収まります。

  • 割安性:株価は利益や資産に比べて高いか、安いか(PER・PBRなど)

  • 収益性:元手に対して効率よく稼いでいるか(ROE・ROAなど)

  • 成長性:売上や利益は伸びているか(増収率・増益率など)

  • 安全性:不況でも持ちこたえられるか(自己資本比率など)

  • 株主還元:稼いだ利益をどれだけ株主に返すか(配当利回り・配当性向など)

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株価を使う指標と、決算書だけで決まる指標

図で青く塗った指標は株価を使うので毎日変わります。同じ会社でも株価が上がれば、PERは高く、配当利回りは低くなります。それ以外は決算書の数字だけで決まり、決算発表のたびに更新されます。

割安かどうかは「株価」と「会社の実力」を比べて初めて分かります。だから割安性の指標だけで判断せず、収益性・成長性・安全性で会社の実力を確かめるのが、指標を使うときの基本です。

主要指標の一覧と今の水準(東証プライムの中央値)

「何倍なら普通か」を知るには、今の上場企業の真ん中(中央値)と比べるのが早道です。東証プライム上場企業の主な指標の中央値は次のとおりです。

指標

分かること

プライム中央値

PER

利益の何年分の株価か

16.0倍

PBR

純資産の何倍の株価か

1.36倍

ROE

株主の元手に対する利益

8.6%

ROA

総資産に対する利益

4.8%

営業利益率

本業のもうけの厚さ

7.7%

増収率

売上の前期比の伸び

4.8%

自己資本比率

返済不要の資金の割合

58.6%

配当利回り

株価に対する年間配当

2.6%

配当性向

利益のうち配当に回す割合

39.7%

出典:東証株価・決算短信よりKabuGraph算出(2026年9月28日終値時点、東証プライム上場の普通株、直近の通期実績)。PERは黒字の1,480社、配当利回り・配当性向は配当を出す会社。ROA・営業利益率・増収率・自己資本比率は金融業(銀行・証券・保険・その他金融)を除く。ROE・ROAは当期純利益÷期末の純資産・総資産、自己資本比率は純資産÷総資産で簡易計算

気になる銘柄の数字が中央値より高いか低いかで、平均的な会社と比べた位置がすぐに分かります。読むときは次の4点に注意します。

  • 実績か予想かをそろえる:この中央値は直近の通期実績から計算しています。証券会社のアプリなどでは、今期の会社予想で計算した「予想PER」「予想配当利回り」がよく表示されます。比べるときは、どちらの基準の数字かを確かめます

  • 市場全体の平均とは計算が違う:日本取引所グループ(JPX)が公表する東証プライムの平均は、PER19.3倍・PBR1.6倍(単純平均、2026年8月末)です(JPX「規模別・業種別PER・PBR」)。市場全体の合計どうしで割って出すため、1社ずつ並べた中央値とは一致しません。比べる相手の定義をそろえます

  • PBR1倍・ROE8%は「最低ライン」:東証はPBR1倍割れを、資本コストを上回る収益を上げられていないか、成長性が評価されていないことを示す目安としています(東証「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」2023年3月)。ROE8%は経済産業省の伊藤レポート(2014年)が「最低限」とした水準です。中央値はどちらもこのラインを上回っていますが、プライムでもPBR1倍未満が27.6%、ROE8%未満が44.6%あります(同じ基準日、ROEは簡易計算)

  • 業種で水準が大きく違う:プライムの業種別PERは空運業9.2倍〜電気機器29.8倍(単純平均、2026年8月末)。自己資本比率(純資産÷総資産)は、預金を負債として抱える銀行業の中央値が5.0%で、事業会社とはまったく水準が違います。同じ業種の中で比べるのが原則です

33業種のPER・PBRの最新値と推移は業種別PER・PBRのページにまとめています(JPXデータ、毎月更新)。

割安性の指標:株価は利益や資産に比べて高いか

株価を、会社の利益・純資産・売上と比べる指標です。数値が低いほど割安に見えますが、低いのには理由があることも多いので、後の収益性・成長性と合わせて読みます。

  • PER(株価収益率):株価÷EPS(1株当たり利益)
    株価が1株利益の何年分かを示します。プライム中央値は16.0倍。逆数(EPS÷株価)は益回りと呼び、債券の利回りと比べるときに使います → PERとは

  • PBR(株価純資産倍率):株価÷BPS(1株当たり純資産)
    株価が帳簿上の純資産の何倍かを示します。1倍割れは、株価が帳簿上の純資産(いわゆる解散価値)を下回る水準です。プライム中央値は1.36倍 → PBRとは/PBRの目安

  • PSR(株価売上高倍率):時価総額÷売上高
    赤字でも計算できるので、利益が出る前の成長企業の評価に使います。プライム中央値は0.97倍(金融業を除く)ですが、業種で利益率が違うため、同業どうしで比べるのが前提です → PSRとは

  • EV/EBITDA倍率:EV÷EBITDA
    EVは時価総額に有利子負債を足し、現預金を引いた「会社を丸ごと買う値段」、EBITDAは営業利益に減価償却費を足した利益です。借金の多さや減価償却の違いをならして比べられ、買収価格の目安にも使われます → EBITDAとは

  • PEGレシオ:PER÷EPS成長率(%)
    PERが成長の速さに見合っているかを測ります。1倍を下回ると、成長の割に株価が安いとみます → PEGレシオとは

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収益性の指標:元手に対してどれだけ稼いでいるか

同じ100億円の利益でも、元手が500億円の会社と5,000億円の会社では経営の上手さが違います。収益性の指標は、利益を「元手」や「売上」で割って、稼ぐ効率を測ります。

  • ROE(自己資本利益率):当期純利益÷自己資本×100
    株主が出したお金でどれだけ稼いだかを示します。伊藤レポートは最低8%を求め、プライム中央値は8.6%です → ROEとは/ROEの目安/ROEの計算方法

  • ROA(総資産利益率):利益÷総資産×100
    借入も含めたすべての資産でどれだけ稼いだかを示します。分子は純利益・経常利益など流儀が分かれ、プライム中央値は純利益で4.8%(金融業を除く) → ROAとは/ROAの目安/ROAの計算方法

  • ROIC(投下資本利益率):税引後営業利益÷投下資本(自己資本+有利子負債)
    事業に投じたお金の利回りです。資本コスト(WACC)を上回っていれば、事業が企業価値を生んでいると判断できます → ROICとは

  • 売上高営業利益率:営業利益÷売上高×100
    本業のもうけの厚さです。値上げが通る商品や、他社がまねしにくい仕組みを持つ会社ほど高くなりやすい指標です。プライム中央値は7.7%(金融業を除く)

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成長性の指標:売上や利益は伸びているか

PERが同じ20倍でも、利益が毎年伸びる会社と横ばいの会社では、数年後の株価の意味がまったく違います。成長性の指標は、決算短信に載る前期比から確かめられます。

  • 増収率(売上高成長率):(今期売上高÷前期売上高−1)×100
    事業が広がっているペースです。プライム中央値は4.8%(金融業を除く、直近の通期)。売上が伸びずに利益だけ伸びているなら、コスト削減頼みでないかを確かめます

  • 増益率(利益成長率):(今期の利益÷前期の利益−1)×100
    営業利益や純利益の前期比で、決算短信の「%」欄に載っています。プライム中央値は営業利益で9.3%(金融業を除く、直近の通期)。1株当たりで見た伸びはEPS成長率(今期EPS÷前期EPS−1)で、PEGレシオの分母にもなります。自社株買いで株数が減ると、EPSは純利益以上に伸びます

  • CAGR(年平均成長率):(最終年の値÷初年の値)^(1÷経過年数)−1
    複数年の伸びを1年当たりにならした値です。経過年数は年の差で、2021年と2026年を比べるなら5年(1/5乗)です。1年だけの前期比より、景気や一時的な要因に振られにくくなります → CAGRとは

安全性の指標:不況でも持ちこたえられるか

どれだけ割安でも、資金繰りに詰まれば増資で1株の価値が薄まり、最悪の場合は倒産で株式の価値がなくなります。安全性の指標は、借金の重さと手元資金の余裕を測ります。

  • 自己資本比率:自己資本÷総資産×100
    返済のいらないお金で資産をどれだけまかなっているかです。プライムの事業会社の中央値は58.6%(純資産÷総資産で簡易計算)。銀行は同じ計算で中央値5.0%のように業種で水準が違うので、同業どうしで比べます。銀行の決算で目にする「自己資本比率」(国際統一基準・国内基準)は、リスクに応じて資産を評価し直した規制上の比率で、この会計上の比率とは別物です

  • D/Eレシオ(負債資本倍率):有利子負債÷自己資本
    借金が自己資本の何倍あるかです。1倍なら借入と自己資本が同じ額で、数値が大きいほど金利の上昇や業績悪化に弱くなります

  • 流動比率:流動資産÷流動負債×100
    1年以内に払う負債を、1年以内に現金化できる資産でまかなえるかを示します。100%を下回ると、短期の支払い余力が薄い状態です

  • 営業キャッシュフロー:本業で実際に入ってきた現金の額
    キャッシュ・フロー計算書の数字です。利益が出ているのに営業キャッシュフローのマイナスが続くなら、売掛金や在庫が膨らんで現金が回収できていない可能性があります

株主還元の指標:利益をどれだけ株主に返すか

株主への還元には、配当と自社株買いの2つがあります。配当利回りは株価を使い、配当性向・総還元性向・DOEは決算の数字だけで決まります。

  • 配当利回り:1株当たり年間配当÷株価×100
    株価に対して毎年受け取れる配当の割合です。プライム中央値は2.6%(配当を出す会社)。株価が下がると上がるので、利回りが高い理由が株価の急落でないかを確かめます

  • 配当性向:1株当たり配当÷EPS×100
    利益のうち配当に回す割合です。プライム中央値は39.7%。100%を超えると利益以上を配っていて、長くは続けにくい水準です → 配当性向とは

  • 総還元性向:(配当総額+自社株買いの額)÷当期純利益×100
    自社株買いまで含めた還元の割合です。自社株買いの多い会社は、配当性向だけでは還元の大きさを低く見積もってしまいます

  • DOE(株主資本配当率):年間配当総額÷株主資本×100
    株主の持ち分(株主資本)に対してどれだけ配当を出すかです。プライム中央値は3.4%(配当を出す会社、1株配当÷1株当たり純資産で簡易計算)。利益が振れても値がぶれにくく、配当方針の下限としてDOEを掲げる会社もあります。決算短信の「純資産配当率」は、1株配当を1株当たり純資産(期首・期末の平均)で割ったDOEとほぼ同じ指標です → DOEとは

指標はどの順番で、どう組み合わせるか

20の指標を全部見る必要はありません。割安性で候補を見つけ、収益性・成長性で「安い理由」を確かめ、安全性・還元で「持ち続けられるか」を見るという3ステップなら、少ない指標で判断できます。

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PER・PBR・ROEは1本の式でつながっている

3つの代表的な指標には、PBR=PER×ROEという関係があります。EPS÷BPSがROEに当たるため、分子と分母のEPSが消えて成り立ちます。

つまりPBRが低い会社は、PERが低い(利益の割に株価が安い)か、ROEが低い(純資産の割に稼げていない)かのどちらかです。低PBRの原因がROEの低さなら、株価が安いのには理由があると読めます。3指標の関係はPER・PBR・ROEをわかりやすく解説、どちらを重視するかはPERとPBRはどちらが重要かで解説しています。

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PER・PBR・ROEをわかりやすく解説。PERは利益の何年分、PBRは純資産の何倍、ROEは元手で年何%稼ぐか。お店のたとえでつかみ、トヨタ(PBR0.98倍)と任天堂(3.12倍)の実数でPBR=PER×ROEを確かめます。

組み合わせで見抜く、よくある落とし穴

  • 低PER×低ROE:利益の割に安いが、元手に対して稼げていない。成長しないまま「割安」が長く続くことがある

  • 高ROE×低い自己資本比率:稼ぐ力ではなく、借金でROEがかさ上げされている可能性がある

  • 高配当利回り×配当性向100%近く:業績が落ちると減配しやすい

  • 景気のピークの低PER:市況で利益が膨らんだ年は、PERが低く見える。PERが当てにならない場面の典型

一番大事な指標は?

どの指標も単独では判断できないので、投資の目的に合わせて軸にする指標を決めるのが実践的です。

  • 値上がり益を狙う:PER(割安性)と増益率(成長性)

  • 配当を受け取り続けたい:配当利回りと配当性向、自己資本比率

  • 長く持って資産を増やしたい:ROEが高い水準で続いているか、とPBR

値上がり益と配当の違いはキャピタルゲインとインカムゲインで整理しています。

指標はどこで確認できるか

株価を使わない指標の多くは、通期(本決算)の決算短信の1ページ目(サマリー情報)にすでに計算して載っています。東京証券取引所が参考様式と計算方法を示し、各社がそれに沿って作るため、どの会社でもほぼ同じ欄に同じ定義で載っています(東証「決算短信・四半期決算短信作成要領等」2026年7月版)。

四半期(中間期を含む)の短信に載る指標は、売上高・利益の増減率、EPS、自己資本比率までです。ROE・ROA・営業利益率・BPS・配当性向の欄は四半期の短信には無いので、確かめるときは直近の通期の短信を開きます。

出典:東京証券取引所「決算短信・四半期決算短信作成要領等」(2026年7月版)よりKabuGraph作成

短信の数字は、自分で計算した値やサイトの表示と少しずれることがあります。定義の違いを知っておくと戸惑いません。

  • ROEは期首と期末の平均で割る:短信の「自己資本当期純利益率」は、親会社株主に帰属する当期純利益を、期首と期末の自己資本の平均で割ります。期末の値だけで割る簡易計算とは少しずれます

  • 短信のROAは経常利益ベース(日本基準):「総資産経常利益率」は経常利益÷総資産(期首・期末の平均)です。プライムの事業会社の中央値で比べると、経常利益ベースは6.9%、純利益ベースは4.8%と差があります(期末の総資産で簡易計算)

  • 自己資本は純資産と同じではない:自己資本は、純資産から株式引受権・新株予約権・非支配株主持分を除いた額です

  • IFRSの会社は欄の名前が違う:ROEは「親会社所有者帰属持分当期利益率」、自己資本比率は「親会社所有者帰属持分比率」の欄に載ります。IFRSには経常利益が無いので、ROAは税引前利益を資産合計(期首・期末の平均)で割る「資産合計税引前利益率」、DOEに当たる欄は「親会社所有者帰属持分配当率」です

株価を使うPER・PBR・配当利回りは短信には載りません。KabuGraphの各銘柄ページでは、毎営業日の終値で更新するPER・PBR・配当利回り・時価総額に加え、ROEと過去の決算の推移を確認できます。短信の読み方は決算短信とはで詳しく解説しています。

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決算短信の定義・有価証券報告書との違い・サマリー情報の読み方を初心者向けに解説。投資家がまず見るべき売上高・営業利益・EPS・配当・業績予想の5項目と、TDnetでの閲覧方法まで。

市場全体の水準は、東証33業種のPER・PBRを業種別PER・PBR、米国株のPERとシラーPERをS&P500のPER・CAPEのページで確認できます。

まとめ:5つの問いで指標を読む

  • 投資指標は割安性・収益性・成長性・安全性・株主還元の5つの問いに分けると整理できる

  • まず見るのはPER・PBR・ROE・自己資本比率・配当利回りの5つ

  • 東証プライムの中央値はPER16.0倍・PBR1.36倍・ROE8.6%・自己資本比率58.6%・配当利回り2.6%(2026年9月28日終値時点、直近の通期実績ベース。自己資本比率は金融業を除く)。業種で水準が違うので同業と比べる

  • 割安性の指標が低いときは、収益性・成長性で「安い理由」を確かめる。PBR=PER×ROEの関係が手がかりになる

  • 株価を使わない指標の多くは通期の決算短信の1ページ目に同じ定義で載っている(四半期の短信にはROE・ROAなどの欄が無い)

コラム著者・編集者

K

KabuGraph編集部

KabuGraph編集部は、投資情報の発信と株式分析ツールの開発に携わるチームです。日本株・米国株の事業分析から、投資に役立つ情報をわかりやすくお届けします。

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