【投資テーマ解説】中古車関連銘柄|買取・オークション・小売の稼ぎ方と市場規模

中古車関連銘柄は、流通のどこで稼ぐかで業績の動き方が違います。買取・小売のIDOMやネクステージは台数×1台あたり粗利で稼ぎ、相場の変動を在庫で受けます。業者間オークション最大手のUSS(2025年の出品シェア43.2%)は台数×手数料で稼ぎ、相場の影響を受けにくい構造です。
この記事では、市場規模と流通の仕組み、相場と規制の動き、関連13社の立ち位置と事業規模を順に整理します。
この記事の内容(目次)
中古車の市場規模——名義変更などは新車を上回り、小売は約250万台
中古車の市場を表す数字は、何を数えるかで大きく変わります。投資家が目にする統計は主に次の3つです。
名義変更などの件数(登録車):自販連の「中古車登録台数」は新規登録・移転登録・変更登録の3つの手続きの合計で、自販連自身が「小売台数ではありません」と注記している。2025年は363万2,179台(前年比0.8%減)(自販連「中古車統計データ」・中古車登録台数統計(2021年〜2025年))
名義変更などの件数(軽自動車):全軽自協の「軽四輪車中古車販売台数」は中古車新規検査と名義変更の台数で、2025年は285万5,689台(同0.7%増)(全軽自協「軽四輪車中古車販売台数の年別推移」)
小売の台数(推計):消費者に売られた台数の公的統計はなく、矢野経済研究所は2024年の中古車小売台数を約250.8万台(4兆4,492億円)と推計している。2025年の中古車小売市場規模は4兆8,308億円と推計した(矢野経済研究所「自動車アフターマーケット市場に関する調査を実施(2026年)」。2024年の値は矢野経済研究所「2026年版 中古車流通総覧」、2026年1月発刊)
登録台数には、所有者が変わる移転登録に加え、売買を伴わない使用者名の変更登録も含まれるため、小売の台数とは一致しません。統計名に「販売台数」とあっても、軽の統計は名義変更などの件数です。市場の大きさを台数で語るときは、どの統計かを確かめる必要があります。
中古車の手続きは新車の1.25〜1.7倍、10年でほぼ横ばい
新車と中古車の台数(暦年、登録車と軽自動車)
2025年は、登録車で中古車が新車の約1.25倍、軽自動車で約1.7倍でした。2015年と比べると、新車は登録車が8.0%減・軽が12.1%減ったのに対し、中古車は登録車2.7%減・軽6.5%減にとどまっています(いずれもUSS DATA BOOK 2026 p.2よりKabuGraph算出)。
小売は約250万台、上位企業のシェアはまだ小さい
小売の最大手IDOMは、矢野経済研究所の2024年の小売市場(250万台)をもとに、2026年2月期の自社の国内小売シェアを約6.5%と試算し、大手3社を合わせても20%未満の「非寡占化市場」と説明しています(IDOM 2027年2月期 第2四半期 決算説明会資料 p.47)。矢野経済研究所も、中古車販売業者の数は中小規模を中心に減っていく見込みとしており(2026年版 中古車流通総覧)、大手が店を増やしてシェアを取る余地がある市場です。
中古車の流通——下取り・買取からオークションを経て小売・輸出へ
中古車の多くは、新車に乗り換えるときの下取りか、買取店による買取で業者の手に渡ります。業者は自社の店で売る(小売)か、業者間のオートオークション(AA)に出品して別の業者に売ります(卸)。AAで落札した販売店が国内で小売し、輸出業者が海外へ送ります(USS 決算説明資料 p.35)。
オートオークション:年800万台が出品され、USSが4割超
ユーストカーの集計を引くUSSの資料では、2025年度(2025年4月〜2026年3月)のAAの出品は801.3万台、成約は553.2万台で、成約率は69.0%でした(ユー・エス・エス 2026年3月期 決算説明資料 p.9、成約率はKabuGraph算出)。2025年(暦年)の出品801.7万台を会場の運営主体で分けると次のとおりです(USS DATA BOOK 2026 p.4)。
企業系:522.3万台(65.1%)。USSなど、会場の運営を本業とする企業の会場
JU系:137.0万台(17.1%)。中古車販売店の業界団体(中販連)系の会場
メーカー・ディーラー系:142.3万台(17.8%)。自動車メーカーや新車ディーラーの系列の会場
運営グループ別では、USSが出品の43.2%(2025年)を占め、2位のTAA(トヨタ自動車の100%子会社トヨタユーゼックが運営)が12.4%、CAAが5.7%、アライAAが5.6%と続きます(USS DATA BOOK 2026 p.5・トヨタユーゼック「会社概要」)。USSのシェアは2015年の33.0%から10年で10ポイント上がり、2026年4〜8月も43.6%でした(USS「中古車オークション業界データ(速報)」よりKabuGraph算出)。
オートオークションの出品台数(業態別)とUSSのシェア(暦年)

輸出:2025年は171万台、アラブ首長国連邦とロシアが上位
財務省貿易統計をUSSがまとめた中古車の輸出は、2025年に171.3万台で、2015年(125.4万台)から37%増えました。台数は乗用車・バス・トラックの中古車(HS 8702〜8704)の合計です。2025年の仕向地はアラブ首長国連邦(25.3万台)、ロシア(18.6万台)、タンザニア(11.8万台)の順です(USS DATA BOOK 2026 p.3、増加率はKabuGraph算出)。ただし2026年1〜8月はアラブ首長国連邦向けが前年同期比72%減と急減し、ロシア・タンザニアが上位になっています(財務省貿易統計の確報よりKabuGraph集計)。
中古車の輸出台数(暦年、仕向地別)
ロシア向けの輸出規制:経済産業省は2023年8月9日から、排気量1,900cc超のガソリン車・ディーゼル車と、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車・電気自動車のロシア向け輸出を禁止した(経済産業省 2023年7月28日 報道発表)。ロシア向けはその後も2023年21.8万台、2025年18.6万台と続いており(USS DATA BOOK 2026 p.3)、規制の対象外の車の輸出が残っている
AAの需要を支える:USSは、2008年後半の金融危機以降のAA市場は新車登録台数(供給)と中古車輸出台数(需要)におおむね連動してきたと説明している(USS 決算説明資料 p.37)。オークネットも2026年1〜6月の中古車オークションの好調の理由に「輸出事業者の落札が旺盛」だったことを挙げている(オークネット 2026年度第2四半期 決算説明資料 p.15)
中古車相場の動き——USSの成約単価は10年で約1.9倍、2026年8月に下落
中古車の相場を追うのに使いやすいのは、USSが毎月公表する「成約車両単価」(オークションで成約した車1台あたりの平均金額)です。2026年3月期は125.5万円で、10年前の2016年3月期(66.3万円)の約1.9倍になりました(USS 月次データ・過去の月次データ、倍率はKabuGraph算出)。
1台あたり成約車両金額(オートオークション)
上昇の理由について、財務省の広報誌『ファイナンス』2026年4月号のコラム(大臣官房総合政策課の調査員)は、次の要因を挙げています(財務省『ファイナンス』2026年4月号「自動車市場の構造変化と中古車シフトの進展」)。
供給側:部品不足や規制に伴う新車の生産調整で新車販売が落ち込み、中古車として出回る下取り車が減った
国内の需要:節約志向や、新車の納期の長期化
海外の需要:日本車の品質の良さ、円安、一部の国の政治・社会的な要因
USSの単価は同社の会場の平均です。USSは、価値の高い車ほど高く売れる大規模な会場に集まると説明しています(USS 2026年3月期 決算説明会スクリプト p.11)。USSを除く業界平均は2026年3月期に68.7万円で、USSの5割強でした(USS 決算説明資料 p.12)。
2026年8月は例年より大きく下落
足元では上昇が一服しています。USSの成約車両単価は2026年2月に過去最高の138.0万円をつけた後、2026年9月は127.5万円で前年同月を2.2%下回りました(USS 月次データ・決算説明資料 p.11)。
IDOMは2026年10月14日、第2四半期(2026年6〜8月)に「例年を上回る急激な中古車オークション相場の下落」が生じ、卸売の1台あたり粗利が想定を下回ったことを、通期の利益予想を引き下げた理由の1つに挙げました(IDOM 2026年10月14日「通期業績予想の修正に関するお知らせ」)。在庫を持つ会社は、相場の下げを利益で受けることになります。
中古車ビジネスの稼ぎ方——在庫を持つか、手数料を取るか
中古車関連の上場企業は、稼ぎ方で大きく4つの型に分かれます。相場が動いたときの業績への効き方が違うので、銘柄を見るときは最初に型を確かめます。
買取・小売:台数×1台あたり粗利、在庫が利益とリスクの源
1台あたり粗利:IDOMの小売1台あたり粗利は、2026年2月期に約45万円(2022年2月期は約37万円)だった(IDOM 決算説明会資料 p.36)
仕入れ:ネクステージは2025年12月〜2026年8月に、小売14.6万台に対して買取で27.1万台(前年同期比30.5%増)を集め、店で売らない車はAAや業者に卸している(同期間のAA販売は20.1万台、業者販売は3.5万台)(ネクステージ 2026年11月期第3四半期 決算説明資料 p.7)
在庫:2026年8月末の在庫(商品)は、IDOMが1,119億円、ネクステージが1,002.8億円で、どちらも純資産(937億円・898.6億円)を上回る(IDOM 決算説明会資料 p.13・ネクステージ 第3四半期決算短信)。売るまでの間に相場が下がれば、在庫の値打ちも下がる
付帯収益:整備・車検、保険の代理店、ローンの取次ぎなど。IDOMの整備工場は2026年8月末で50か所(うち車検を自社で完結できる指定工場33か所)(IDOM 決算説明会資料 p.26)
集客の費用:IDOMは2027年2月期上期の広告宣伝費が7億円増えた理由に「相見積もりによる買取の再開など」を挙げている(同 p.12)。買取の仕入れ競争は、一括査定サイトなどへの支払いとして表れる
買い取って在庫を持ち、手を加えて売る構造は、不動産の買取再販と似ています。在庫と借入で利益が振れやすい点の読み方は、次の記事で整理しています。

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オートオークション:台数×定額の手数料、在庫は持たない
手数料:USSでは1台の成約につき、出品手数料約8,000円・成約手数料約10,000円・落札手数料約10,000円、合計約28,000円(会社が示す目安)(USS 決算説明資料 p.35)
相場との関係:手数料は成約車両金額にかかわらず車種などのコーナーごとに一律で、単価が上下しても手数料は変わらない(同 p.11の注記)。効くのは出品・成約台数と、手数料の改定
利益率:USSのAA事業は2026年3月期に売上高897.0億円、セグメント利益585.8億円で、利益率は65.1%(会社算出。同 p.10)
USSの手数料の値上げの経緯やシェア拡大の戦略は、銘柄の分析記事で詳しく扱っています。

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情報サイト・一括査定:車を持たずに売り手と買い手をつなぐ
中古車情報サイトのカーセンサー(リクルート)や、車の一括査定のナビクル(エイチーム)は、車を持たずに、販売店・買取店と利用者をつなぎます。リクルートはカーセンサーを含む事業を「インターネット広告事業にとどまらず」企業クライアントの業績向上を支える方向へ広げるとし(リクルートHD 2026年3月期 決算短信)、エイチームは比較サイトなどからクライアント企業へ「送客」する事業と説明しています(エイチーム FY2026通期決算説明資料 p.62)。どちらも中古車関連だけの売上は開示しておらず、規模は含まれる事業区分で見るしかありません(関連銘柄の節)。
ローン・保証:取扱高で稼ぎ、金利と貸倒れが効く
プレミアグループは自動車販売店・整備工場を取引先に、オートクレジットと故障保証を手がけます。2026年3月期のクレジット取扱高は3,554億円(前期比0.3%増)、故障保証取扱高は87.9億円(同16.8%増)でした(プレミアグループ 2026年3月期 決算説明資料 p.11・p.14)。車の値段が上がれば1件あたりの借入は大きくなり、金利の上昇は調達コストに効きます。
不正と規制の変化——ビッグモーター事案から改正保険業法まで
金融庁は、2023年に問題となったビッグモーターを「自動車の販売・整備・修理といった一連の自動車関連事業を兼業する損害保険代理店」とし、修理で車体に損傷を新たに作るなどして保険金を水増し請求する行為が、広い範囲の修理工場で組織的に繰り返されていたと認定しました(金融庁「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」資料2-1(2024年3月26日))。前後して価格表示のルールも変わり、販売・整備・保険を兼ねる中古車販売店への目は厳しくなっています。
2023年9月11日:ネクステージの代表取締役社長が辞任。会社は過去に不適切と評価される事象が存在したとし、すべてのインセンティブの廃止を決めた(ネクステージ 2023年9月11日「代表取締役の異動に関するお知らせ」)
2023年10月1日:自動車公正取引協議会の改正規約が施行され、中古車の価格は「支払総額」(車両価格+保険料・税金・登録などの諸費用)で表示するルールに変わった。定期点検整備や保証を付けて売る場合、その費用は車両価格に含める(自動車公正取引協議会「中古車の価格は、10月1日から『支払総額』に変わります」・同協議会 2025年7月25日の公表)
2023年11月30日:金融庁がビッグモーターの損害保険代理店の登録を取り消した(処分は11月24日)。2024年1月25日には損害保険ジャパンとSOMPOホールディングスに業務改善命令を出した(金融庁 資料2-1)
2024年3月29日:国土交通省が、ビッグモーターの全国130事業場への監査と行政処分の結果を公表した。2023年10月〜2024年2月の処分で、37事業場の指定(民間車検場)を取り消した(国土交通省 2024年3月29日 報道発表・別添1よりKabuGraph集計)
2024年5月1日:伊藤忠商事・伊藤忠エネクス・ジェイ・ウィル・パートナーズが出資する新会社WECARSが、ビッグモーターと子会社の全事業を会社分割で承継した。旧会社はBALMに商号を変え、損害賠償への対応などを担う(伊藤忠商事 2024年5月1日)。BALMは2024年12月に民事再生手続の開始を申し立てた(地主 2025年5月30日の開示)
2024年7月24日:消費者庁が、旧ビッグモーターの事業を継いだWECARSに景品表示法の措置命令。修復歴のある車を「修復歴なし」と表示していた(消費者庁 2024年7月24日)
2025年1月24日:東海財務局がグッドスピードに保険業法に基づく業務改善命令(東海財務局 2025年1月24日)
2025年5月30日:改正保険業法が成立した(2025年6月6日公布、2026年6月1日施行)。大規模な乗合の損害保険代理店に、自動車修理業などの兼業業務が保険金の支払に不当な影響を及ぼさないよう監視する体制などを義務づけ、保険会社にも兼業の代理店に関する管理体制を求める(金融庁「保険業法の一部を改正する法律案 説明資料」・金融庁 2025年12月19日)
2025年7月1日:自動車公正取引協議会が、修復歴の不当表示で中古車販売店に厳重警告と違約金の措置を取り、事業者名を公表(同協議会 2025年7月2日)
2025年7月25日:自動車公正取引協議会が、改善要請に従わなかった大手中古車専業店に「警告」の措置を取った。今後の違反には初回から「厳重警告」、悪質なものは違約金と事業者名の公表で臨むとした(同協議会 2025年7月25日)
2025年8月6日:ネクステージが、保険募集業務等について東海財務局から業務改善命令を受けた(保険業法第306条)。立入検査で、保険金不正請求の疑いがある事案を含む不適切な事案が確認された(ネクステージ 2025年8月6日)
2026年8月31日:同協議会が、「支払総額で買えない」などの問題で、大手中古車専業店などを含む14社に改善要請(同協議会 2026年8月31日)
関連銘柄の立ち位置と中古車事業の規模
中古車を主力にする会社と、事業の一部として持つ会社があります。型ごとに、立ち位置と中古車に関わる事業の規模(時点つき)、全社に占める比率を示します。
買取・小売の専業大手
IDOM(7599)— 「ガリバー」の買取から大型店の小売へ

IDOM
中古車買取・販売の大手企業。「ガリバー」ブランドで全国に中古車買取・販売店をチェーン展開し、中古車流通市場において国内トップクラスの取扱台数を誇る。個人間売買プラットフォーム、自動車サブスクリプション「NOREL」等の新サービスも展開。
立ち位置:買取店「ガリバー」を軸に、大型店での小売を伸ばしている。2026年8月末の店舗は、買取店170、割賦販売専門店「じしゃロン」56、中型店133、大型店89(IDOM 2027年2月期 第2四半期 決算説明会資料 p.46)
当該事業の規模:中古車販売が主力。2026年2月期は売上高5,627.7億円、営業利益202.1億円で、小売163,931台・卸売151,985台・買取186,628台(2026年2月期 決算短信・決算説明会資料 p.56)
直近:2027年2月期上期(2026年3〜8月)は売上高3,181億円(前年同期比17.7%増)、営業利益88億円(同8.6%増)、小売88,043台(同4.6%増)。2026年10月14日に通期の営業利益予想を240億円から185億円に引き下げた(業績予想の修正)。2027年2月期から中古車販売の売上を計上する時点を、納車時から名義変更の完了時に変えている(前年同期の値も組み替え済み)
ネクステージ(3186)— 総合店・買取店・新車ディーラーを全国に

ネクステージ
VOLVO・JAGUAR・AUDI・BMW・MINIなど11ブランドの新車正規ディーラー52拠点と、中古車販売125拠点を統合運営する自動車流通大手。中古車は総合店「UNIVERSE」やSUV専門店「SUV LAND」など専門特化型店舗で展…
立ち位置:中古車の総合店や「SUV LAND」などの販売店、買取店、新車ディーラーを展開し、2026年8月末で251拠点(367店舗)(ネクステージ 2026年11月期 第3四半期決算短信)
当該事業の規模:2025年11月期は売上高6,520.7億円、営業利益196.0億円。小売184,823台、買取283,017台、AA販売231,150台(2025年11月期 決算説明資料 p.7)
直近:2025年12月〜2026年8月は売上高6,004.2億円(前年同期比26.0%増)、営業利益216.2億円(同66.7%増)、小売145,693台(同4.0%増)、買取271,336台(同30.5%増)。通期の小売計画は19.2万台(第3四半期決算短信・決算説明資料 p.6・p.7)
見るべき点:2023年の社長辞任とインセンティブ廃止、2025年8月の業務改善命令(保険募集)の後の体制の立て直しが続く(前の節)

新車ディーラー・カー用品店の兼業
VTホールディングス(7593)— ホンダ・日産などのディーラーと中古車輸出
VTホールディングス
VTホールディングスは、自動車ディーラー事業を中核とする自動車販売関連グループ。ホンダ系・日産系・輸入車(BMW等)のディーラー運営を主力に、レンタカー事業、自動車の輸出事業も展開。子会社59社で構成され、新車・中古車の販売・整備からレンタ…
立ち位置:ホンダ・日産などの新車ディーラーを中心に、輸入車、海外のディーラー、レンタカー、中古車輸出を手がける(VTホールディングス 2026年3月期 決算説明資料)
当該事業の規模:2026年3月期の中古車部門の売上収益は893.7億円(前期比15.3%増)で、全社3,887.3億円の23%。中古車の販売台数は49,109台で、うち国内29,157台・海外14,082台・輸出5,870台(同 p.3・p.9)
ケーユーホールディングス(9856)— 国産中古車と輸入車ディーラー
ケーユーホールディングス
ケーユーホールディングスは、自動車の販売・修理を主業務とするホールディング企業である。国産車販売事業とシュテルン・世田谷などの輸入車ディーラー事業を展開し、日本国内における新車・中古車販売、修理・保守サービスを提供する自動車流通企業である。
立ち位置:国産車販売事業と輸入車ディーラー事業の2本立て(ケーユーHD 2026年3月期 決算短信)
当該事業の規模:2026年3月期の国産車販売事業は売上高521.8億円(全社1,690.9億円の31%)、営業利益21.6億円(前期比18.2%減)。輸入車ディーラー事業は売上高1,169.2億円(同)
オートバックスセブン(9832)— カー用品店の車買取・販売
オートバックスセブン
オートバックスセブンは、オートバックス・コンシューマ・ホールセール・拡張の4事業を通じて、タイヤ・ホイール・カーエレクトロニクスなどカー用品の卸売・小売・ネット販売、車販売、車検・整備・板金・塗装、フランチャイズ加盟法人への経営指導、クレジ…
立ち位置:カー用品店チェーンが車の買取・販売も手がける。車販売の「カーズ」の加盟店舗数は2026年3月期末で415店(オートバックスセブン 2026年3月期 決算説明会資料 p.7)
当該事業の規模:国内チェーン全業態の車販売は2026年3月期に451億円・37,196台(前期比1.2%減)。うち業者向けの業販が27,223台、小売が9,973台(中古車7,309台・新車2,664台)(同 p.7・p.34)。加盟店を含むチェーンの数字で、連結売上高(2,800.6億円)とは範囲が違う
見るべき点:2032年度に車販売15万台(グループと加盟法人、2025年度実績4.9万台)を目標に掲げる(同 p.23)
オートオークション
ユー・エス・エス(4732)— 会場型オークションの最大手

ユー・エス・エス
中古自動車オートオークション最大手。中古車販売業者を会員とし、全国の会場で中古車のセリを運営する。専用端末「USS JAPAN」やインターネット経由の接続サービス「CIS」を通じた中古車情報サービスも提供する。子会社ジャパンバイクオークショ…
立ち位置:2025年の出品シェア43.2%(DATA BOOK 2026 p.5)。USSの会場の会員(現車会員)は2026年3月末で49,176社(2026年3月期 決算説明資料 p.41)
当該事業の規模:2026年3月期のAA事業は売上高897.0億円(全社1,138.5億円の79%)、セグメント利益585.8億円、出品350.4万台・成約234.7万台。買取専門店「ラビット」などの中古自動車等買取販売事業は売上高124.7億円(同 p.10・p.14)
直近:2026年4〜9月の出品は188.8万台(前年同期比9.5%増)、成約は122.7万台(同8.4%増)(月次データ)
オークネット(3964)— ネットオークションと車両検査

オークネット
オークネットは、循環型マーケットデザインカンパニーとして、中古車・デジタル機器・ブランド品・バイク・医療機器等多業界でオンラインオークションを展開。中古車オークションが中核事業で、会員向けのライブ中継・共有在庫市場・落札代行等サービスを提供…
立ち位置:会場を持たないネットのAAで中古車を流通させ、第三者の立場の車両検査(AIS)も手がける。全社では中古スマートフォンやブランド品などのライフスタイルプロダクツ事業が売上の大半を占める(2026年度第2四半期 決算説明資料)
当該事業の規模:2026年1〜6月のモビリティ&エネルギー事業は売上高85.1億円(全社379.8億円の22%)、セグメント利益24.2億円。中古車オークションの取扱高は3,376.8億円(前年同期比24.3%増)、総成約・落札台数31.3万台(同13.2%増)、検査台数82.4万台(2026年度第2四半期 決算説明資料 p.15・p.17)

オークネット(3964)の企業分析|BtoBネットオークションで売上641億円、中計目標を2年前倒しで達成
オークネット(3964)の事業構造(ライフスタイルプロダクツ・モビリティ&エネルギー)、業績推移、中期経営計画Blue Print 2027、投資リスクを個人投資家向けに包括的に解説します。
オートサーバー(5589)— AAの落札代行「ASNET」

オートサーバー
オートサーバーは、中古車取扱事業者向け会員制プラットフォーム「ASNET」を運営する企業。ASNETを通じて、国内141会場のオートオークション(うち国内95%のオークション会場出品車両を検索可能)へのオークション代行サービスと、業者間中古…
立ち位置:業者向けの中古車流通サイト「ASNET」で、146のAA会場とデータを連携して出品・落札を代行する「オークション代行」(2024年12月末)と、会員間の固定価格取引「ASワンプラ」を運営(2025年12月期 決算説明資料 p.11・p.12)
当該事業の規模:2025年12月期の取引台数は240,108台(前期比2.3%増)、うちASワンプラ100,036台、会員83,749。売上高64.6億円、営業利益23.8億円(同 p.4)。2026年9月の取引台数は20,653台(前年同月比2.3%増)(月次の速報)
トヨタ自動車(7203)— 子会社がTAAを運営

トヨタ自動車
トヨタ自動車は、世界最大級の自動車メーカーです。カローラ、ランドクルーザー、アルファードなど幅広い車種を展開し、セダンからSUV、トラックまで手がけています。子会社にダイハツ工業、持分法適用関連会社にデンソーを持ち、グループ全体で600社超…
立ち位置:100%出資の子会社トヨタユーゼックが、出品シェア2位(12.4%、2025年)のAAグループ「TAA」を運営する(トヨタユーゼック「会社概要」・USS DATA BOOK 2026 p.5)
当該事業の規模:トヨタユーゼックの売上高は460億円(2025年3月期)、AAの出品は98.1万台、小売は9,518台(いずれも2025年度)。トヨタの全社売上高(2026年3月期 50兆6,849.5億円)から見ればごく小さい

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情報サイト・一括査定
リクルートホールディングス(6098)— カーセンサー

リクルートホールディングス
人材と販促の領域でグローバルに事業を展開する持株会社。3つの戦略ビジネスユニットで構成される。中核は求人検索エンジン「Indeed」と企業口コミサイト「Glassdoor」を60以上の国と地域で運営するHRテクノロジーで、「リクルートエージ…
立ち位置:中古車情報サイト「カーセンサー」を運営する(リクルート「カーセンサー」)
当該事業の規模:カーセンサー単独の売上は開示なし。マーケティング・マッチング・テクノロジー事業(2026年3月期 5,646億円)のうち、美容・旅行・飲食などのライフスタイル領域(2,938億円)と住宅領域(1,569億円)以外の「その他の領域」が1,138億円で、自動車の分野はここに入るとみられる(領域の定義からのKabuGraphの整理)。全社の売上収益は3兆6,973.5億円(2026年3月期 決算短信・通期決算サマリー)

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エイチームホールディングス(3662)— 車買取の一括査定「ナビクル」

エイチームホールディングス
エイチームホールディングスは、日常生活に密着した比較サイト・情報メディア・ツール等を提供するデジタルマーケティング事業と、ゲーム・ツールアプリを提供するエンターテインメント事業を展開する持株会社です。エンジニアコミュニティ『Qiita』、ヘ…
立ち位置:車査定・車買取サイト「ナビクル」を運営し、会社は「ナビクル」と引越し比較の「引越し侍」を「主要な収益源」としている(FY2026通期決算説明資料 p.69・p.70)
当該事業の規模:ナビクル単独の売上は開示なし。ナビクルを含むデジタルマーケティング事業の売上高は2026年7月期に191.4億円(全社230.0億円の83%)(Data Book 2026年7月期)
輸出・ローン
オプティマスグループ(9268)— ニュージーランド向け輸出で約4割
オプティマスグループ
日本の中古自動車をニュージーランド・オーストラリア等の海外市場に輸出・販売する自動車流通企業。日本での仕入・整備・検査から海上輸送、現地での輸入車検・整備・販売まで一貫したサプライチェーンを構築する。現地では中古車ディーラーへの卸売に加え、…
立ち位置:日本のAAで仕入れた中古車をニュージーランドや欧州などへ輸出し、輸送・検査、現地のオートローンまで手がける。ニュージーランド向け中古車輸出のシェアは39.4%(2026年3月期。同国の自動車産業協会の資料から会社が算出、分母は日本からの輸入台数)(2027年3月期第1四半期 決算説明資料 p.4・p.9)
当該事業の規模:2026年3月期の輸出はニュージーランド向け32,143台、欧州その他向け17,468台(同 p.14の四半期の値の合計、KabuGraph算出)。全社の売上高は3,155.1億円(IFRS)で、豪州の自動車ディーラーや物流の事業も含む
直近:2026年4〜6月はニュージーランド向け11,513台(前年同期比35.5%増)、欧州その他向け8,784台(同2.8倍)。2026年10月8日、30%出資する豪州の中古車販売会社OzCarを任意管理手続(Voluntary Administration)に移すと決め、業績への影響は精査中としている(2026年10月8日の開示)
プレミアグループ(7199)— 販売店向けのオートクレジットと故障保証
プレミアグループ
中古車販売店向けの自動車ファイナンスを主力とする金融サービス企業。オートクレジット(自動車割賦販売あっせん)を中核に、自動車の故障保証(ワランティ)、自動車保険、整備事業を展開し、中古車流通の各段階をファイナンス面から支援する。東南アジアに…
立ち位置:自動車販売店・整備工場を取引先とするオートクレジット、故障保証、販売店向けの会員組織などを手がける(2026年3月期 決算説明資料 p.26)
当該事業の規模:2026年3月期の営業収益440.4億円のうち、ファイナンス事業が248.0億円(56.5%)、故障保証事業が80.1億円(18.3%)。クレジット取扱高3,554億円、故障保証取扱高87.9億円(同 p.11・p.14・p.27)
見るべき点:前期のシステム障害で悪化した延滞債権残高率は回復しており、会社は2027年3月期中の正常化を見込む(同 p.11)
事業規模と株価指標を比べる
中古車への依存度で並べると、中古車が業績の中心にあるのはIDOM・ネクステージ・USS・オートサーバーで、ケーユーHDとVT HDが2〜3割、トヨタやリクルートは全社から見ればごく一部です。
会社 | 中古車に関わる事業の規模 | 全社売上高 | 比率 |
|---|---|---|---|
IDOM | 小売16.4万台・卸15.2万台 | 5,627.7 | 主力 |
ネクステージ | 小売18.5万台・AA販売23.1万台 | 6,520.7 | 主力 |
ケーユーHD | 国産車販売事業 521.8億円 | 1,690.9 | 31% |
VT HD | 中古車部門 893.7億円・4.9万台 | 3,887.3 | 23% |
オートバックス | 車販売(チェーン)451億円・3.7万台 | 2,800.6 | — |
USS | AA事業 897.0億円・出品350.4万台 | 1,138.5 | 79% |
オークネット | モビリティ&エネルギー 85.1億円 | 379.8 | 22% |
オートサーバー | ASNET 24.0万台 | 64.6 | 主力 |
トヨタ | トヨタユーゼック 460億円 | 506,849.5 | 0.1%未満 |
リクルート | その他の領域 1,138億円 | 36,973.5 | — |
エイチーム | デジタルマーケティング 191.4億円 | 230.0 | — |
オプティマス | 輸出 NZ向け3.2万台・欧州他1.7万台 | 3,155.1 | — |
プレミア | クレジット取扱高 3,554億円 | 440.4 | — |
銘柄 | 時価総額 | 実績PER | 実績PBR |
|---|---|---|---|
IDOM | 1,025 | 8.1 | 1.10 |
ネクステージ | 2,137 | 16.3 | 2.61 |
ケーユーHD | 521 | 6.7 | 0.53 |
VT HD | 619 | 12.2 | 0.83 |
オートバックス | 1,267 | 14.5 | 0.89 |
USS | 8,615 | 20.5 | 4.08 |
オークネット | 1,363 | 21.9 | 4.89 |
オートサーバー | 213 | 14.1 | 1.62 |
トヨタ | 451,569 | 10.5 | 1.01 |
リクルート | 271,235 | 52.7 | 16.24 |
エイチーム | 181 | 49.6 | 2.06 |
オプティマス | 269 | 9.7 | 0.57 |
プレミア | 898 | 14.0 | 3.39 |
在庫を持たないUSS・オークネットの実績PBRは4倍台で、在庫を抱える販売店はネクステージ(2.61倍)を除き1倍前後以下です(2026年10月16日終値時点)。PERとPBRの読み方は次の記事で整理しています。

PERとPBRはどちらが重要?|赤字・景気敏感株・銀行はPBR、日本株51年の成績でも比較
PERとPBRはどちらが重要か。答えは会社のタイプ次第で、利益が安定した会社はPER、赤字・景気敏感株・銀行はPBRが軸です。PER134.5倍・PBR0.90倍の三菱ケミカルなど4社と、日本株51年で低PBR株が年12.6%だったデータで使い分けを解説。
リスク
相場の急落と在庫:在庫を持つ買取・小売は、相場の下げを卸の粗利や在庫の値下がりで受ける。IDOMは2026年6〜8月の急な相場下落で卸売の1台あたり粗利が想定を下回り、通期予想を下方修正した(IDOM 2026年10月14日)
新車の供給:下取り車の量は新車販売で決まる。USSは新車販売の回復でAAの出品が増えると見込む(USS 決算説明資料 p.17)。財務省のコラムは新車の供給不足を中古車価格の上昇要因に挙げており、供給が戻る局面では価格の押し上げ要因が弱まる
輸出の規制と為替:ロシア向けは2023年8月9日から、排気量1,900cc超の車と、ハイブリッド車・電気自動車などの輸出が禁止された(経済産業省)。財務省のコラムは円安を海外需要の背景に挙げており、円高に振れれば輸出の買い手が減りうる
不正と規制:改正保険業法が2026年6月1日に施行され、大規模な代理店の体制整備と保険会社の管理が強化された。自動車公正取引協議会も、今後の価格表示の違反には初回から厳重警告、悪質なものには違約金と事業者名の公表で臨むとしている(同協議会 2025年7月25日)
金利と貸倒れ:オートローンは取扱高が伸びても、金利の上昇で調達コストが増え、景気が悪化すれば延滞が増える。プレミアグループは2026年3月期にシステム障害で延滞債権残高率が悪化した(決算説明資料 p.11)
電気自動車の中古市場:矢野経済研究所は、電池性能の診断の標準化が遅れ、中古の電気自動車が海外に流出していることで、国内の中古電気自動車の市場の形成が遅れているとしている(矢野経済研究所 2026年2月25日)
統計の読み違い:登録車の名義変更などの件数だけで363万件(2025年)と、小売の推計(約250万台、2024年)を上回る。件数を小売の台数と取り違えると、市場を大きく見積もることになる
投資判断のチェックポイント
USSの月次データ:出品台数・成約台数・成約率・成約車両単価(USS 月次データ)。相場とAAの量を最も早く確かめられる
業界全体のAAの数字:USSが公表する業界データの速報で、USSのシェアの変化が分かる(2026年4〜8月の速報)
販売店の小売台数と1台あたり粗利:IDOM・ネクステージの四半期の決算説明資料。在庫の金額と回転も合わせて見る
自販連・全軽自協の月次:中古車と新車の台数。新車の回復は下取り車の増加を通じてAAの出品に効く
オートサーバーの月次の速報:ASNETの取引台数(2026年9月度)
改正保険業法の運用:2026年6月施行後の代理店・保険会社の体制整備と、販売店の保険関連の収益への影響
輸出先の動き:アラブ首長国連邦・ロシア・アフリカ向けの台数と、各国の輸入規制
まとめ
中古車の名義変更などの件数は2025年に登録車363万台・軽286万台で、新車の1.25〜1.7倍。小売は約250万台(2024年、矢野経済研究所の推計)で、統計によって数え方が違う
流通は下取り・買取→業者間オークション→小売・輸出。AAの出品は年800万台規模で、USSが43.2%(2025年)を握る。輸出は2025年に171.3万台で、アラブ首長国連邦とロシアが上位(2026年1〜8月はアラブ首長国連邦向けが急減)
相場はUSSの成約車両単価で10年に約1.9倍になったが、2026年夏は例年を上回る下落があり、9月は前年同月を下回った
買取・小売は台数×1台あたり粗利で稼ぎ、在庫で相場リスクを負う。AAは台数×定額の手数料で稼ぎ、相場の影響を受けにくい
ビッグモーター事案の後、支払総額表示、保険代理店・損保への処分、改正保険業法(2026年6月1日施行)と、販売・整備・保険を兼ねる販売店への規制が強まった
関連銘柄のうち中古車が業績の中心にあるのはIDOM・ネクステージ・USS・オートサーバー。ディーラーやトヨタ・リクルートでは事業の一部にとどまる









