逆日歩で株価はどうなる?踏み上げの条件と実例|上限10倍の急騰株も5営業日で3割安、権利付最終日の21銘柄は13銘柄が下落

逆日歩が付いても、株価が上がるとは限りません。 逆日歩は「信用取引の売りが買いを上回り、日本証券金融(日証金)で貸す株が足りない」という状態の結果です。株価を押し上げるのは、その先で起きる売り方の買い戻し(踏み上げ)と、規制で新規の売りが止まることです。
踏み上げが起きやすいのは、売り残が積み上がった銘柄で株価が上がり始め、逆日歩が上限(最高料率)に張り付いてその倍率が上がり、日証金の申込停止で新規の売りが止まる——という条件が重なった時です。ただし急騰は長続きしにくく、2026年7月に逆日歩が上限10倍まで付いたmonoAI technologyは、2営業日で130円から230円まで上げた後、5営業日後には163円まで下げました(急騰の理由と、売り方の買い戻しがどれだけあったかは公表データからは分かりません)。
一方で、株価を押し上げない逆日歩もあります。権利付最終日の逆日歩は、現物買いと信用売りを組み合わせた権利取りの売りで膨らみ、権利落ちとともに消えます。2026年9月28日に上限まで逆日歩が付いた東証の21銘柄のうち、配当落ちを含む翌日の前日比で株価が上がったのは5銘柄でした。
この記事では、日証金の公表データと東証の終値で2026年6〜10月の実例を確かめながら、踏み上げの仕組みと条件、上がらないケース、売り方・買い方それぞれの注意点を説明します(数値は2026年10月6日時点)。
この記事の内容(目次)
逆日歩が付くと株価は上がる?——上がる時と上がらない時がある
逆日歩(品貸料)は、制度信用取引の売りに上乗せされる「株のレンタル料」です。 証券会社が日証金から借りる株が足りなくなる(貸株超過)と、日証金は入札(品貸入札)で機関投資家などから株を借り、そこで決まった料率が逆日歩になります。制度信用の売り方全員が払い、買い方全員と、品貸入札で株を貸した落札先が受け取ります(日本証券金融「証券金融 用語集(か行)」)。

逆日歩とは|空売り投資家が負担する「株のレンタル料」の仕組み
逆日歩(品貸料)は制度信用の空売りで株不足になると日証金の入札で決まる追加コスト。公表される品貸料率は品貸日数分込みで、負担は公表値×株数。水曜・連休前に日数が増える仕組み、最高料率と2〜10倍の倍率、一般信用での回避策を解説。
大事なのは因果の向きです。逆日歩は「売りが多すぎて株が足りない」ことの結果で、それ自体が株価を動かすわけではありません。 株価に効くのは、逆日歩が付いた後に起きる次の動きです。
売り方の買い戻し:含み損や逆日歩のコストに耐えきれない売り方が買い戻すと、その買いが株価を押し上げる(踏み上げ)
新規の売りが止まる:日証金が申込停止(いわゆる売り禁)にすると、制度信用の新しい売りが出にくくなる
株不足の解消:権利取りの売りが現物で返済(現渡し)されたり、新しい貸し手が現れたりすると、逆日歩は消える。このとき市場での買い戻しは出ない
どれが起きるかは、売り方が何のために売っているかと、株価が上がり始めたかで分かれます。
上限まで付く逆日歩はまれで、多くは権利確定の直前
日証金の公表データを2026年6月1日〜10月5日申込分の86営業日で集計すると、東証の個別株(ETF・REITを除く貸借銘柄)に逆日歩が付いたのは1日平均約470銘柄(延べ40,536銘柄・日)でした。そのうち逆日歩が上限(最高料率)に達したのは77件(0.2%)で、68件は決算期末などの基準日(配当や株主優待の権利が確定する日)まで10日(暦日)以内でした。
直近の2026年10月5日申込分では363銘柄に逆日歩が付き、56%(205銘柄)は最低単位の1株5銭(売買単位100株の銘柄の場合)で、上限に達した銘柄はありませんでした。「逆日歩が付いた」というだけでは、売り方を追い詰めるほどのコストではないことが多いのです。
出典:日本証券金融「銘柄検索」(東証・貸借銘柄で品貸料率が付いた銘柄)よりKabuGraph算出。個別株の判定はKabuGraphの銘柄データによる
踏み上げの仕組み——買い戻しを迫るのは逆日歩より株価の上昇
踏みは、株価の下落を見込んで空売りしたのに株価が上がり、損失を承知で買い戻すこと。踏み上げは、その踏みによる値上がりのことです(大和証券「金融・証券用語解説[踏み]」・「[踏み上げ]」)。
空売りの損失は、株価が上がるほど際限なく膨らみます。そこへ次の3つが重なると、買い戻しが買い戻しを呼びます。
含み損と追証:株価が上がると委託保証金が目減りし、証券会社の定める維持率を割ると追加の保証金(追証)を求められる
逆日歩:株不足が続く限り毎日かかる。上限は注意喚起・申込制限・申込停止で2倍、権利落日の6〜2営業日前も2倍(制限措置と重なると4倍)、権利付最終日は4倍(同8倍)、臨時措置で4倍・10倍まで上がる
新規の売りが止まる:申込停止で、高値に新しく売り向かう人がいなくなる
逆日歩の上限は、株価500円以上なら1日あたり株価の約0.2%
では逆日歩は、株価の値動きと比べてどれくらいの大きさなのでしょうか。2026年10月時点で、日証金は逆日歩の上限(最高料率)を、投資単位(株価×売買単位)が5万円以下なら100円、5万円を超えると1万円増すごとに20円を加えた額を売買単位で割って決めています(日本証券金融「最高料率早見表(株式)」)。株価3,000円・100株なら投資単位30万円で、上限は1株6.00円=株価の0.2%です。
上限が10倍になっても、株価3,000円の銘柄で1日2.0%です。一方、東証の制限値幅(2026年10月時点)は基準値段3,000円以上5,000円未満で700円(約23%)あり(日本取引所グループ「制限値幅」)、株価が1日に動きうる幅は、逆日歩の上限よりひと桁大きいのです。
ただし株価が低い銘柄ほど、上限の割合は大きくなります。上限は1株1円を下回らないため、売買単位100株で株価500円未満の銘柄では0.2%を超え、株価250円なら通常でも0.4%、10倍なら4.0%です。低位株で上限が10倍になると、逆日歩だけで数日のうちに株価の1割前後に達しえます。
株価3,000円・100株を売り建てている場合で比べると、次のとおりです。
通常の上限の逆日歩が1日分:6.00円×100株=600円
臨時措置10倍の上限が1日分:60.00円×100株=6,000円
株価が10%(300円)上がった時の含み損:300円×100株=30,000円
売り方を買い戻しに追い込むのは、多くの場合逆日歩よりも株価の上昇そのものです。逆日歩が重くなるのは、上限の倍率が上がった状態が何日も続く時や、連休・権利付最終日で品貸日数や倍率がかさむ時です。上限の決まり方や倍率の条件、連休中の計算は次の記事で詳しく扱っています。

逆日歩の満額・零銭とは|どちらも逆日歩0円、日証金の「*****」「0.00」の見方と最高料率4倍・8倍の実例
逆日歩の「満額」は翌朝の追加申込みで株不足が解消した状態(日証金の表示は「*****」)、「零銭」は品貸入札が0銭で決まった状態(「0.00」)で、どちらも逆日歩は0円。入札の仕組みと最高料率、権利付最終日に上限が4倍・8倍になる例を2026年9月のデータで解説。
踏み上げが起きやすい5つの条件と、確かめるデータ
踏み上げは「逆日歩が付いた」だけでは起きません。次の5つが重なるほど起きやすくなり、どれも公表データで確かめられます。
① 売り残が買い残・上場株式数に比べて大きい
日証金の融資残高(制度信用の買いの分)を貸株残高(売りの分)で割った貸借倍率が1倍を大きく下回り、貸株超過の株数が膨らんでいる状態です(日本証券金融「証券金融 用語集(た行)」)。どの程度なら「多い」かは、日証金が注意喚起を出す残高基準が目安になります。
基準 | 条件 |
|---|---|
イ | 制度信用の売残高が上場株式数の10%以上、または売残高が1万単位以上 |
ロ | 制度信用の売残高が買残高の60%以上 |
ハ | 貸株残高が上場株式数の3%以上(または3千単位以上)で、かつ貸株残高が融資残高の120%以上 |
日証金の残高は、証券会社が日証金から借りた分(貸借取引)だけです。一般信用を含む信用取引全体の売り残・買い残は、東証が公表する信用取引残高で確かめます。

信用残高とは|買い残・売り残から相場の需給バランスを読む方法
信用残高(信用買い残・売り残)の見方と株価予測への活用法を解説。信用倍率・貸借倍率の意味と、需給から相場の方向性を読み取る方法がわかります。
② 売り残が出来高に比べて大きい
売り残を1日の平均出来高で割ると、売り方が全員買い戻すのに何日分の売買が要るかの目安になります。この日数が長いほど、買い戻しが一度に集まった時に売り物が足りず、株価が飛びやすくなります。売り残が多くても毎日の出来高が大きい銘柄では、買い戻しは吸収されやすくなります。
売り残は、東証の信用取引残高か日証金の貸株残高で見ます。東証は日々公表銘柄や日証金の注意喚起・申込制限の銘柄について、毎日の信用取引残高を翌営業日の16時を目安に公表しています(日本取引所グループ「日々公表銘柄等信用取引残高」、2026年10月時点)。出来高は直近数週間の1日平均で割ると、日ごとのぶれをならせます。
③ 株価が上がり始める
踏み上げの引き金は株価の上昇です。好材料の開示や地合いの好転で株価が上がり、売り方の含み損が膨らむと、損切りの買い戻しが始まります。株価が下がっている間は、逆日歩が付いていても売り方には含み益があり、買い戻しを急ぐ理由がありません。
④ 逆日歩が上限に張り付き、上限の倍率が上がる
品貸入札で株が集まりにくいほど逆日歩は上がります。日証金は2024年11月から、品貸入札の応札株数を貸株超過株数で割った応札倍率をA〜Fの「応札ランク」で公表しており、Aに近いほど株の調達が逼迫しています(日本証券金融「品貸入札、逆日歩、最高料率、応札ランク」)。応札ランクAが続き、逆日歩が上限に張り付き、制限措置で上限が2倍になる——この並びは、売り方のコストが上がっていく合図です。
逆日歩は申込日(約定日)の翌営業日に品貸入札で決まり、10時40分頃に公表されます(日本証券金融「証券金融 用語集(さ行)」)。売った日の夜の時点では、その日の分の逆日歩はまだ分かりません。
⑤ 規制で新規の売りが止まる
株不足が悪化すると、日証金は注意喚起→申込制限→申込停止と措置を強めます。措置が出ると、証券会社は投資家の制度信用の新規売り・現引きなどを制限・停止することがあります(日本証券金融「貸借取引の利用制限措置等について」)。取引所も、信用取引の利用が過度になった銘柄では委託保証金率の引上げなどで新規の信用取引を抑えます(日本取引所グループ「信用取引・貸借取引に関する規制」)。
ただし日証金は、状況によっては注意喚起を出さずに制限措置を行うことがあると明記しています(同ページ)。2026年の実例でも、monoAI technologyとKaizen Platformは注意喚起から申込制限を経ずに申込停止へ進み、リンカーズは注意喚起が出ていない状態から申込停止になりました(8月下旬に出た注意喚起は9月初めに取り消されていた)。「注意喚起が出てから考える」では間に合わないことがあります。
措置 | 主な中身 | 逆日歩の上限 |
|---|---|---|
注意喚起(日証金) | 将来の制限措置の可能性を通知 | 2倍 |
申込制限・申込停止(日証金) | 新規売り・現引きに伴う申込みを制限・停止 | 2倍 |
臨時措置(日証金) | 異常な株不足の銘柄 | 4倍・10倍 |
日々公表銘柄(東証) | 信用取引残高を毎日公表して注意を促す。規制措置ではない | 倍率なし |
増担保=委託保証金率の引上げ(東証) | 新規の信用取引に追加の担保 | 倍率なし |
それでも株が集まらない場合、日証金は、逆日歩の最低料率を通常時の上限まで引き上げる特別措置(2024年11月5日新設、日本証券金融「貸借取引貸株超過銘柄等に対する取扱い」)や、証券会社に貸株の返済を求める返済請求措置をとることがあります(日本証券金融「貸借取引の利用制限措置等について」)。返済請求まで進むと、証券会社を通じて売り方が返済(買い戻しか現渡し)を求められることも考えられます。
日証金の制限措置は通常16時30分頃に公表されます(同ページ)。申込停止(売り禁)で何ができなくなるか、解除後の値動きなどは次の記事で詳しく説明しています。

売り禁とは|新規の空売りが止まる条件と段階的規制、株価への影響
売り禁(貸借取引の申込停止措置)の発動条件・規制内容・株価への影響を解説。東証の日々公表銘柄・増担保規制、日証金の貸株注意喚起・申込制限・売り禁という段階的規制と、投資家が取るべき対応がわかります。
実例:2026年の逆日歩と株価——上限10倍の翌日から反落したmonoAI
2026年に逆日歩が上限まで付いたり、上限が10倍に引き上げられたりして、株価が大きく動いた例を3つ見ます。急騰・急落の理由はここでは扱わず、日証金の公表データ(逆日歩・残高・制限措置)と終値の動きだけを並べます。株価は東証の終値で、日証金が公表する貸借値段(申込日の最終値段)と一致することを確かめています。
日証金の貸株残高の増減は、投資家の新しい空売りや買い戻しと同じではありません。 証券会社は社内で信用の買いと売りを付け合わせ、足りない分を日証金に申し込みます。日証金も「貸株残高株数や貸株超過株数の増減は、必ずしも信用取引の新規の買付けや売付けと一致するわけではなく、証券会社内での調達の結果によるもの」と説明し、新規売りの申込停止中でも信用買いの転売に伴って貸株残高が増えることがあるとしています(日本証券金融「貸借取引の利用制限措置等について」)。以下では残高の数字をそのまま並べ、売り方の動きには読み替えません。
monoAI technology(5240):2営業日で77%高、上限10倍の翌日から反落
7月9日に130円だった株価は、10日に180円、13日に230円と、2日続けて制限値幅いっぱい(50円)上げました。日証金は10日の午後立会から申込停止(社発第T-293号)、13日申込分から逆日歩の上限を10倍にする臨時措置(社発第T-296号)を実施し、10倍は23日申込分から解除されています(社発第T-327号)。
monoAI technology(5240)の終値と日証金の貸株残高(2026年7月)
申込日 | 終値 | 逆日歩 | 貸株残高 |
|---|---|---|---|
7月9日 | 130円 | なし | 21.2万株 |
7月10日 | 180円 | 2.00円 | 83.1万株 |
7月13日 | 230円 | 10.00円 | 56.8万株 |
7月14日 | 206円 | 0.05円 | 32.1万株 |
7月15日 | 225円 | 0.20円 | 33.6万株 |
7月16日 | 199円 | 0.05円 | 33.4万株 |
7月17日 | 171円 | 0.05円 | 26.8万株 |
7月21日 | 163円 | 0.05円 | 24.6万株 |
7月10日:株価が急騰した日に、日証金の貸株残高は21.2万株から83.1万株へ約4倍に増え、融資残高は21.2万株から6.2万株に減った(貸株の新規61.9万株、融資の返済19.7万株)。逆日歩は上限の2.00円
7月13日:230円。貸株残高は56.8万株に減った。逆日歩は上限10倍の10.00円で、1日分で株価の4.3%(日証金の年率換算で約1,587%)
7月14日:貸株残高は32.1万株に減り、融資残高は28.8万株に戻って、貸株超過は3.3万株まで縮んだ。逆日歩は最低単位の0.05円に下がり、株価は206円
7月21日:163円。13日の230円から5営業日で29%下げた
7月24日以降:再び213円、250円と上げたが、このときの貸株残高は24万〜26万株でほぼ横ばい、逆日歩も0.05円だった。10月6日の終値は171円で、申込停止は10月6日申込分の時点でも続いている
Kaizen Platform(4170):上限10倍でも逆日歩は5銭、急騰から4営業日目に急落
8月21日に122円だった株価は、24日に172円、25日に222円と2日続けて制限値幅いっぱい(50円)上げ、26日は231円でした。24日には日証金の貸株残高が19.6万株から195.1万株へ約10倍に膨らみ、日証金は25日から申込停止と上限10倍の臨時措置を実施しています(社発第T-391号・社発第T-393号)。
ところが逆日歩は、応札ランクAの日でも1株0.05円(26日申込分は3日分で0.15円)で、上限の10.00円には遠く届きませんでした。27日に株価は231円から151円へ制限値幅いっぱい(80円)下げ、貸株残高は131.5万株から22.5万株に減っています。10倍の措置は28日申込分から解除され(社発第T-405号)、10月6日の終値は114円と、急騰前の122円を下回りました。
リンカーズ(5131):急騰2日目に貸株残高が約3倍、逆日歩は上限
9月11日の113円から14日163円、15日213円と2日続けて制限値幅いっぱい上げた2日目に、貸株残高が前日の33.6万株から96.0万株へ増え、逆日歩は上限の1.00円(応札ランクA)が付きました。日証金は16日から申込停止としました(社発第T-462号)が、貸株残高は16日に37.8万株へ戻り、株価は10月6日に151円まで下げています。
逆日歩が付いても株価が上がらないケース
権利付最終日の逆日歩:2026年9月28日の21銘柄
配当や株主優待の権利付最終日には、現物を買うと同時に同じ株数を信用で売り、値動きを打ち消して権利だけを取る「つなぎ売り」が集まります。権利付最終日に現物買いと信用新規売りを出し、翌営業日以降に信用売りを現物で返す(現渡し)手順です(楽天証券「リスクを抑えて株主優待をゲットできる方法、知っていますか?」、2026年10月6日閲覧)。
決算期末などの基準日の前は、株の名義を確保したい貸し手が品貸入札を見合わせやすく、逆日歩が上がりやすいと日証金は説明しています(日本証券金融「品貸入札、逆日歩、最高料率、応札ランク」)。上限も権利落日の6〜2営業日前は2倍、権利付最終日(権利落日の前営業日)は4倍で、注意喚起・申込制限・申込停止と重なるとそれぞれ4倍・8倍になります。
9月末が基準日の銘柄の権利付最終日だった2026年9月28日申込分では、東証の21銘柄の逆日歩が上限に達し、1日分で株価の0.81〜1.97%になりました。それでも、翌日に株価が上がった銘柄は少数でした。
銘柄 | 9月28日申込分の逆日歩(1株) | 株価に対する割合 | 29日の終値の前日比 |
|---|---|---|---|
湖池屋(2226) | 75.20円 | 1.60% | +0.7% |
紀文食品(2933) | 19.20円 | 1.72% | −1.5% |
早稲田アカデミー(4718) | 20.00円 | 0.81% | +1.0% |
バルテス・ホールディングス(4442) | 8.00円 | 1.97% | 0.0% |
タナベコンサルティンググループ(9644) | 12.80円 | 1.68% | −6.6% |
21銘柄の中央値 | −1.4% |
21銘柄のうち、翌29日(権利落日)に終値が上がったのは5銘柄、変わらずが3銘柄、下がったのが13銘柄で、前日比の中央値は−1.4%でした。10月6日の終値で比べても、9月28日より上がっていたのは6銘柄です(中央値−2.3%)。
権利落日は配当などの権利の分だけ株価が下がるのが普通なので、下がったこと自体を逆日歩の影響とは言えません。ポイントは、上限の逆日歩が付いても、翌日に大きく上がった銘柄がほとんどなかったことです。前日比は−6.6%(タナベコンサルティンググループ)から+19.4%(レントラックス)まで幅があり、5%を超えて上げたのはレントラックス1銘柄でした。
9月末基準日の21銘柄:日証金の貸株残高と融資残高の合計
理由は残高に表れています。21銘柄の貸株残高の合計は、9月25日の192.4万株から28日に410.8万株へ倍増し、翌29日には102.3万株と4分の1に減りました。増えた売りの多くは現物とセットで、権利が確定すると現渡しで返されたと読めます(KabuGraphの見方。残高の増減は新規の売買とそのまま一致しないため、確定はできない)。市場で買い戻す必要のない売りは、踏み上げの燃料になりません。権利付最終日をまたぐ信用取引では、配当相当額のやりとり(配当落調整金)にも注意が要ります。
逆日歩が2か月近く続いても下げた:ぐるなび
ぐるなび(2440)は、2026年8月3日〜10月5日申込分の42営業日のうち38日に逆日歩が付き、9月3日に注意喚起、9月28日に申込停止となりました(日本証券金融「銘柄検索」(ぐるなび))。ただし逆日歩は1株1日0.05円の最低単位がほぼ続き、42営業日の合計は1株2.95円でした。応札ランクもE〜Fがほとんどで、株の調達には余裕がありました。株価は7月31日の121円から10月5日の113円へ下げ、7月31日に売っていた人には逆日歩を払っても利益が残る計算です(手数料・貸株料は含めていない)。
ぐるなびのような株価100円台前半の銘柄では、5銭の逆日歩でも年率に直すと14〜16%と大きく見えます。それでも1日あたりでは株価の0.04%程度です。株価が上がり始めない限り、逆日歩が続くだけでは売り方を買い戻しに追い込む力は弱いのです。
規制は買い方にも効く
申込停止は売りだけを止めるわけではありません。日証金の申込停止は通常、制度信用の新規売りと、買い方の現引きに伴う申込みが対象で(日本証券金融「貸借取引の利用制限措置等について」)、制度信用で買った人が現物に替えられなくなることがあります。取引所の委託保証金率の引上げも新規の信用取引全体にかかります。新しい買いも細るので、規制が強まったから上がる、とは言い切れません。
株不足が解消すれば逆日歩は消える
逆日歩は毎日の残高で決まり、株不足がなくなれば付きません。日証金は申込日の翌朝8時30分〜10時に、融資の追加申込み(翌朝訂正)と品貸し申込みを同時に受け付けています(日本証券金融「貸借取引貸株超過銘柄等に対する取扱い」)。不足分には追加申込みが先に充てられ、それで貸株超過が埋まれば逆日歩は付かず、公表値は「*****」になります。売り方の返済(買い戻し・現渡し)や信用買いの増加でも、株不足は縮みます。
売り方・買い方それぞれの注意点
売り方(制度信用で空売りしている人)
逆日歩は「公表値×売建株数」で毎日たまる:公表値はすでに品貸日数分。水曜日の売建てや連休前は品貸日数が3日以上になり、権利付最終日は上限が4倍(制限措置と重なれば8倍)になる
損切りの基準は株価で決めておく:逆日歩より株価の上昇の方が損失ははるかに大きい。monoAIでは2営業日で1株100円の含み損に対し、逆日歩は2.00円だった
規制の段階を毎日確かめる:注意喚起・申込制限・申込停止は通常16時30分頃、逆日歩は翌営業日の10時40分頃に公表される
追証に備える:株価が上がると委託保証金が目減りし、維持率を割ると追証になる

ロスカット(損切り)とは|プロスペクト理論が邪魔をする「損失確定」の技術
ロスカット(損切り)の意味・目安・ルールの作り方をわかりやすく解説。損切りできない心理的原因(プロスペクト理論)から、逆指値を使った自動化、信用取引の強制決済・FXの強制ロスカットまで網羅。

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追い証(追加保証金)の仕組みを初心者向けに解説。委託保証金維持率の計算方法、具体的な発生シミュレーション、期限内の対処法、追い証を出さないための実践的なリスク管理まで。
一般信用の売りには逆日歩がかかりません。 楽天証券は「一般信用取引の場合、証券金融会社を利用せず株式を調達するので、逆日歩がかかりません」と説明しています(楽天証券「制度信用取引」、2026年10月6日閲覧)。ただし貸株料の水準や、売れる銘柄・株数は証券会社ごとに違います。

制度信用と一般信用どっちが得?|SBI証券・楽天証券を比較
SBI証券・楽天証券は制度信用と一般信用(無期限)の料率が同じ(買方金利年2.80%・貸株料年1.10%、2026年10月6日確認)。買いは同額、空売りは逆日歩のない一般信用が有利。優待クロスは短期3.90%と逆日歩の損益分岐(1株30銭)で判断します。
買い方(現物・信用で買っている人、買いを考えている人)
「逆日歩が付いた=上がる」ではない:2026年6〜10月に上限まで付いた77件のうち68件は権利確定の直前で、そのうち51件は翌営業日に逆日歩が付かなくなるか、前日の1割以下に下がった
急騰に後から乗らない:monoAI・Kaizen Platform・リンカーズは、貸株残高が急に膨らみ、申込停止や上限10倍の措置が出た前後から株価が下げた
申込停止中は現引きできないことがある:制度信用の買いを現物に替えて持ち続ける道が狭まる
制度信用の買い方は逆日歩を受け取れる:ただ1日5銭のような少額が多く、株価の変動の方がずっと大きい

逆日歩は誰がもらえる?|受け取れる人と、逆日歩で儲けられるか
逆日歩を受け取れるのは制度信用の買い方と、日証金の入札で株を貸した側で、一般信用の買い方や現物株主は対象外です。逆日歩で儲けられるかは、受け取る逆日歩と金利(年2.80%、2026年10月)・値動きの差で決まります。
確かめるデータと公表時刻
データ | 公表先 | 公表時刻 |
|---|---|---|
逆日歩(品貸料率)・上限・応札ランク | 日証金「銘柄検索」 | 申込日の翌営業日10:40頃 |
融資・貸株残高(速報) | 日証金「銘柄検索」 | 申込日の18時半過ぎ |
注意喚起・申込制限・申込停止 | 日証金「銘柄別制限措置に関するお知らせ」 | 通常16:30頃 |
残高の速報・確報の公表時刻は日本証券金融「銘柄別融資・貸株残高(速報、確報)について」に載っています。日証金のデータは銘柄検索で銘柄ごとに過去分までCSVで取り出せ、制限措置は銘柄別制限措置に関するお知らせに通知の原文が載ります。東証の委託保証金率の引上げは日本取引所グループ「信用取引・貸借取引に関する規制」から確かめられます。
まとめ
逆日歩は株不足の結果で、株価を押し上げるのは売り方の買い戻しと新規の売りの停止。逆日歩が付いただけでは上がるとは限らない
逆日歩の上限は、株価500円以上なら通常で1日あたり株価の約0.2%(売買単位100株の場合)。株価3,000円なら10倍でも2%で、株価の値動きの方がはるかに大きい。株価500円未満の低位株は割合が大きくなる
踏み上げが起きやすいのは、売り残の積み上がり・株価の上昇・上限の倍率と応札ランクA・申込停止が重なった時
急騰は長続きしにくい:2026年のmonoAI・Kaizen Platform・リンカーズは、逆日歩の上限到達や申込停止・上限10倍の措置が出た前後から下げた。日証金の残高からは、売り方の買い戻しがどれだけあったかは分からない
権利付最終日の逆日歩は権利落ちで消える:2026年9月28日に上限まで付いた21銘柄のうち、配当落ちを含む翌日の前日比で上がったのは5銘柄
確かめるのは日証金の逆日歩(翌営業日10時40分頃)・残高(18時半過ぎ)・制限措置(16時30分頃)
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。








