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ザラ場(ザラバ)とは|前場9:00〜11:30・後場12:30〜15:25の約定ルールと板の見方、ザラ場高値と終値ベースの違い

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ザラ場(ザラバ)とは、寄付(その場の最初の売買)と引け(最後の売買)の間に、注文が入るたびに値段の合う相手と約定させていく時間帯と、その売買の方法のことです。東京証券取引所(東証)では、前場の9:00〜11:30と後場の12:30〜15:25がザラ場にあたります(2026年10月時点)。

寄付と引けは、注文を集めて1つの値段でまとめて約定させる「板寄せ」で決まります。その間のザラ場では、価格優先・時間優先の順に1件ずつ約定し、値段が刻々と動きます。ニュースの「ザラ場で年初来高値」は取引時間中に一瞬でもついた値段のことで、終値で高値を更新したとは限りません。

この記事では、ザラ場の時間と約定のルール、板の見方、ザラ場高値と終値ベースの違い(小松製作所の2026年10月5日の例)、ザラ場の外で売買できる場、ザラ場中の開示と売買停止を、東証の資料をもとに整理します。

ザラ場(ザラバ)とは——寄付と引けの間の連続した売買

東証の用語集は、ザラバ方式を「始値が決定された後に、売買立会時間中継続して個別に行われる売買契約の締結方法」とし、ザラバを「始値と終値との間に行われる継続売買」と説明しています(日本取引所グループ「用語集:ザラバ方式」)。「ザラ場」と「ザラバ」は同じ意味で、読みはどちらも「ざらば」です。

日常では、次の3つの意味で使われます。

  • 時間帯:「ザラ場中」「ザラバ中」は、寄付から引けまでの取引時間中のこと。前場と後場のそれぞれにある

  • 売買の方法:「ザラバ方式」は、注文が入るたびに価格優先・時間優先で約定させる方式。寄付・引けの「板寄せ方式」と対になる

  • ついた値段:「ザラ場高値」「ザラ場安値」は、取引時間中についた値段の最高値と最安値

語源ははっきりしませんが、「ざらにある(ありふれた)普通の場」という意味から来たとされます(三菱UFJ eスマート証券「金融/証券用語集:ザラ場」)。

東証のザラ場は前場9:00〜11:30、後場12:30〜15:25

東証の立会時間(取引時間)は、前場が9:00〜11:30、後場が12:30〜15:30です(日本取引所グループ「売買立会時(立会時間)」)。2024年11月5日に後場の終わりが15:00から15:30に延び、同時に大引け直前の15:25〜15:30が、注文を受け付けるだけで売買を成立させない「プレ・クロージング」になりました(日本取引所グループ「現物市場の機能強化に向けた取組み(取引時間の延伸等)」)。

そのため、後場のザラ場は15:30ではなく15:25で終わります。東証は「ザラバの終了時(午後3時25分)」から5分間の注文受付時間を設け、15:30に板寄せで大引けの値段を決めています(日本取引所グループ「売買成立の方法」)。

出典:日本取引所グループ「売買立会時(立会時間)」「売買成立の方法」「ToSTNeT取引」、東京証券取引所「現物市場の更なる機能強化に向けた売買制度の見直しに係る業務規程等の一部改正について(概要)」(2026年8月6日)、ジャパンネクスト証券「PTS」よりKabuGraph作成(2026年10月6日時点)。PTSはジャパンネクストPTSの取引時間
  • 寄付(9:00・12:30):それまでに集まった注文を板寄せで突き合わせ、その場の最初の値段(始値)を決める。注文が売りか買いに大きく偏って値がつかない銘柄は、特別気配を出したまま板寄せが続き、寄り付くまでその銘柄のザラ場は始まらない

  • ザラ場(9:00〜11:30・12:30〜15:25):注文が入るたびに約定する。値段が刻々と動く

  • 引け(11:30の前引け・15:30の大引け):再び板寄せで、その場の最後の値段を決める。大引けの値段がその日の終値になる

  • 注文の受付:東証は8:00〜11:30と12:05〜15:30に注文を受け付ける。11:30〜12:05は受付を止めている

ザラバ方式の約定ルール——価格優先・時間優先と成行の扱い

ザラ場では、売りと買いの注文が値段で折り合った瞬間に、1件ずつ約定します。どの注文から約定させるかは、東証の2つの原則で決まります(日本取引所グループ「売買成立の方法」)。

  • 価格優先の原則:売りは安い注文、買いは高い注文が先に約定する。値段を指定しない成行注文は、どの指値注文よりも優先する

  • 時間優先の原則:同じ値段の注文は、先に出た注文が先に約定する

板寄せとの違いは、約定させるタイミングと値段の数です。板寄せは寄付・引けなどで、それまでに集めた注文をまとめて1つの値段で約定させます。寄付の板寄せでは、寄付前に出た注文はすべて同時に出たものとして扱います(時間優先を使わない)。ザラ場では注文が入るたびに約定するので、同じ時間帯に約定値段がいくつも生まれます。

成行の買い600株は、どの値段で約定するか

下の図の板に、ザラ場の最中に成行の買い600株を出した場合を考えます(数字は説明用の例です)。

出典:日本取引所グループ「売買成立の方法」「特別気配の更新値幅」よりKabuGraph作成。板の数字は説明用の例
  1. 最も安い売り(1,001円のC 200株)と約定する

  2. 次に安い1,002円には500株あり、先に出ていたAの200株、続いてBの200株と約定する(Bの残り100株は板に残る)

  3. 約定は1,001円×200株と1,002円×400株で、平均は約1,001.67円になる

成行は早く確実に約定する代わりに、売り板の薄い銘柄では、平均の約定値段が想定より不利になります。値段を決めて売買したいときは指値を使います。指値・成行・寄付や引けで約定させる注文の使い分けは、次の記事で整理しています。

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ザラ場中の板と気配の見方——値が飛ばない仕組み

証券会社のアプリの「板」(気配値)は、値段ごとに並んだ売り注文と買い注文の数量の一覧です。ザラ場中は次の4点を見ると、注文を出す前に約定のしかたの見当がつきます。

  • 売り気配・買い気配:売りの最も安い値段と、買いの最も高い値段。東証は、最も優先する指値注文が出ている値段を表す気配を「一般気配」と呼んでいる(日本取引所グループ「用語集:一般気配」)。成行で買えばまず売り気配の値段で、売ればまず買い気配の値段で約定する

  • 気配の差(スプレッド):売り気配と買い気配が、値段の刻み(呼値)の何本分離れているか。東証もこの比率(STR)を銘柄の流動性の指標に使い、2027年3月からの呼値の決め方に採り入れる(東京証券取引所「売買制度ワーキング・グループ報告(サマリ)」)。差が何本分も開いている銘柄で成行を出すと、1回で値段が大きく動きやすい

  • 板の厚さ:各値段に並ぶ数量。売り板が厚ければ、まとまった買いが入っても値段は上がりにくく、薄ければすぐに上の値段まで約定が進む

  • OVER・UNDER:東証が配信する板の情報のうち「上下10本気配」は、売りと買いそれぞれ最も有利な値段から10本を示し、それより先の値段の注文はまとめた数量で示す。板の一番上の「OVER」は表示より高い売りの合計、一番下の「UNDER」は表示より安い買いの合計。東証はすべての値段の注文の情報も配信しており、見られる本数は証券会社や情報端末で違う(東京証券取引所『東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]』Q.33・Q.34)

呼値(値段の刻み)は銘柄と株価で違います。2026年10月時点では、TOPIX500の構成銘柄は1,000円以下なら0.1円刻み、それ以外の銘柄は3,000円以下なら1円刻みです(日本取引所グループ「呼値の単位」)。2027年3月1日からは、TOPIX500に入っているかどうかではなく、銘柄ごとの流動性の指標(STR)に応じて刻みが決まる制度に変わります(同ページ)。

値が一瞬で飛ばないための3つの仕組み

ザラ場で注文が一方に偏っても、値段が一瞬で大きく飛ばないように、東証は次の仕組みを設けています(日本取引所グループ「売買成立の方法」・「特別気配の更新値幅」・「制限値幅」、2026年10月時点)。

  • 特別気配:直前の約定値段から「気配の更新値幅」を超える値段でしか約定できないとき、すぐには約定させず、更新値幅の範囲で特別気配を出して反対の注文を待つ。約定しなければ3分ごとに更新値幅ずつ気配を動かす。直前の値段が1,000円以上1,500円未満なら、更新値幅は30円

  • 連続約定気配:1つの注文や1分以内に続いた約定で、起点の値段から更新値幅の2倍を超えて値段が動くとき、2倍の値段まで約定させたところで止め、1分間「連続約定気配」を出す

  • 制限値幅(ストップ高・ストップ安):1日に動ける値幅の上限。前日の終値などの基準値段で決まり、基準値段が1,000円以上1,500円未満なら上下300円

特別気配や連続約定気配が出ている間は、ザラ場の時間でもその銘柄は板寄せで約定します。気配が出たまま値がつかない銘柄では、成行を出してもすぐに約定するとは限りません。ストップ高・ストップ安に張り付くと、その日のうちに約定しないこともあります。寄付前の気配の読み方や、板寄せで値段が決まる手順は次の記事で扱っています。

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板寄せは、寄付や引けにそれまでの注文を突き合わせ、1つの値段でまとめて約定させる東証の方式です。成行は全部、有利な指値も全部、その値段で売りか買いの一方は全部約定、の3条件を板の計算例で追い、寄らない時の特別気配とストップ配分も図解します。

「ザラ場高値」と終値ベースの違い——年初来高値は2つある

「ザラ場高値」「ザラ場安値」は、取引時間中に一瞬でもついた最も高い値段・最も安い値段です。これに対して「終値ベース」は、毎日の最後の値段(終値)だけで比べます。同じ「高値」でも、どちらで数えるかで値段も日付も変わります。

東証の用語集は、年初来高値を「年初から現在までに取引された中で最も高い値段」としています(日本取引所グループ「用語集:年初来高値」)。取引時間中についた値段がすべて対象なので、「年初来高値を更新」と聞いたら、終値でも更新したのかは別に確かめる必要があります。

小松製作所は10月5日にザラ場で年初来高値、終値では届かず

2026年10月5日、小松製作所(コマツ、6301)は取引時間中に7,980円まで上がり、2月13日につけた7,840円を超えて年初来高値を更新しました。ただし終値は7,777円で、終値ベースの年初来高値(2月12日の7,799円)には届いていません。10月6日の終値も7,777円でした(東証の日足。年初来は2026年1月5日〜10月6日)。

出典:東証株価よりKabuGraph作成(2026年1月5日〜10月6日の日足)

ローソク足1本は、次の4つの値段でできています。

  • 始値:寄付の板寄せでついた最初の値段

  • 高値・安値:その日についた最高値と最安値。実体(太い部分)からはみ出した線(ヒゲ)の先になる。寄付や引けの値段がそのまま高値・安値になる日もあり、その日はその側のヒゲがない

  • 終値:その日の最後の値段。ふつうは大引けの板寄せでつく

上ヒゲが長いのは、ザラ場で一度は高く買われたのに、引けまでに売り戻された日です。ローソク足の形の読み方は、次の記事で図解しています。

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小
6301機械

小松製作所

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「ザラ場引け」「気配引け」——引けで値がつかないとき

「ザラ場引け」は、引けの板寄せで売買が成立せず、ザラ場で最後についた値段のまま取引が終わることです(三菱UFJ eスマート証券「金融/証券用語集:ザラ場引け」)。東証の用語集も、大引けで売買がされないときは、その日の最後の取引値段を終値と呼ぶとしています(日本取引所グループ「用語集:終値」)。

  • ザラ場引け:引けで売りと買いが値段で折り合わず、ザラ場の最後の値段がその場の引値になる。大引けで起きれば、それがその日の終値になる

  • 気配引け:特別気配を出したまま取引が終わること。最後に出ていた特別気配の値段を「最終気配値段」という(日本取引所グループ「用語集:最終気配値段」)

  • 翌日への影響:翌日の制限値幅(ストップ高・安)を決める基準値段は、前日の終値か最終気配値段などになる(日本取引所グループ「制限値幅」)

引けで約定させる条件をつけた注文(引成・引指)と、不成注文のうちザラ場で約定せず引けの成行に回った分は、引けで売買が成立しなければ約定しません。取引の少ない銘柄でその日のうちに約定させたいなら、引けだけを狙う注文より、ザラ場でも約定する通常の指値・成行の方が機会は多くなります(注文ごとの扱いは注文方法の記事)。

2024年11月5日に大引けが「クロージング・オークション」になり、値幅の上下限で約定させる「特別約定」も加わってからは、ザラ場引けは減っています(東京証券取引所「売買制度ワーキング・グループ報告(参考資料編)」pp.8〜9)。大引けの仕組みと、終値が何に使われるかは次の記事で解説しています。

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大引けは後場の最後の売買で、東証は15時30分。15時25分から5分間注文を集め、板寄せで終値を決める。大引けには売買代金の13〜17%が集まり、終値は指数・投信・翌日のストップ高の基準に。2027年10月12日(予定)からランダムクローズ。

ザラ場の外で売買できる時間——寄付前・昼休み・大引け後とPTS

東証の立会(オークション)で売買が成立するのは、ザラ場と寄付・引けの板寄せだけです。ただ、注文の受付や、立会の外で売買できる場は、立会時間の外にもあります。

PTSで取引できる時間や銘柄は、取り次ぐ証券会社によって違います。たとえば松井証券が扱うPTSの時間は、日中が8:20〜15:30、夜間が17:00〜翌2:00で、現物取引だけです(松井証券「PTS取引」(2026年10月6日閲覧))。

ザラ場中の適時開示と売買停止——決算の約3割は後場に出る

上場会社の重要な発表は、ザラ場の最中にも出ます。東証は上場会社に、適時開示を「立会時間中であるか否かにかかわらず」速やかに行うよう求めています。2026年3月期の決算発表(3月決算の2,147社)では、後場の取引時間にあたる12:30〜15:29に28.8%(618社)が発表しました。最も多いのは大引け後の15:30〜17:59で、63.6%(1,365社)でした(東京証券取引所「2026年3月期決算発表状況の集計結果について」(2026年6月4日))。

保有している銘柄の決算発表の日と時刻を確かめておくと、ザラ場中の急な値動きに慌てずにすみます。決算短信のどこを読めばよいかは、次の記事で解説しています。

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東証が売買を止めるとき

経営統合や公開買付(TOB)のように、投資判断に重大な影響を与えるおそれがある情報が出たとき、東証はその銘柄の売買を一時停止します(東京証券取引所「売買停止情報」(2026年10月6日閲覧))。ザラ場の最中に止まった例は次のとおりです。

  • 電通総研(4812):2026年8月28日 9:05〜9:10に停止し、9:11に再開(公開買付に関する発表)

  • スマサポ(9342):2026年8月7日 15:00〜15:15に停止し、15:16に再開(経営統合に関する発表)

売買の再開は原則として、会社の正式な発表から15分後です。報道が先に出て止まったときは、会社が真偽や詳細を正式に開示してから15分後になります(東京証券取引所『東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]』Q.30)。数えはじめは停止の開始ではなく発表なので、停止が発表より後に始まれば、止まっている時間は15分より短くなります。

再開後の最初の値段は板寄せで決まり、停止前にザラ場で出ていた注文も含めて、それまでの注文はすべて同時に出たものとして扱われます(日本取引所グループ「売買成立の方法」)。停止前に出した成行注文は再開時の板寄せに加わりますが、値段が更新値幅を超えて動く場面では特別気配が出て、約定しないまま気配が切り上がる(切り下がる)こともあります。停止中も注文の訂正・取消しはできますが、扱いは証券会社ごとに違うので(同Q.30)、発表を確かめてから出している注文を見直しましょう。

公開買付が発表された銘柄の株主にどんな選択肢があるかは、TOB(株式公開買付)の記事で扱っています。

まとめ——ザラ場で売買するときのチェックリスト

  • ザラ場は前場9:00〜11:30、後場12:30〜15:25。15:25〜15:30は受付のみで、15:30の大引けは板寄せ(2027年10月12日(予定)からは15:29:30〜15:30のランダムな時刻)

  • 注文は価格優先・時間優先で約定する。成行は板を順に食っていくので、板の薄い銘柄は気配の差と数量を見てから出す

  • 値が飛びそうなときは特別気配・連続約定気配で止まる。ストップ高・安に張り付くと、成行でも約定しないことがある

  • 「ザラ場で年初来高値」は取引時間中の値段。終値ベースでも抜けたかは日足で確かめる

  • ザラ場中の発表で値段は急に動き、売買が止まることもある。保有銘柄の決算発表の日時を確かめておく

  • 夜間のPTSや先物の値段は、翌朝の寄付と同じとは限らない

逆指値は、証券会社が株価を見張り、指定した値段に届いたら代わりに東証へ注文を出すサービスです。ザラ場で一瞬ついた値段(ヒゲの先)で発動することもあるので、発動の条件は使っている証券会社のルールで確かめておきましょう。損切りの決め方と逆指値の使い方は、次の記事で解説しています。

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コラム著者・編集者

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KabuGraph編集部

KabuGraph編集部は、投資情報の発信と株式分析ツールの開発に携わるチームです。日本株・米国株の事業分析から、投資に役立つ情報をわかりやすくお届けします。

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