逆日歩の満額・零銭とは|どちらも逆日歩0円、日証金の「*****」「0.00」の見方と最高料率4倍・8倍の実例

逆日歩の「満額」とは、空売りで株不足(貸株超過)になった銘柄が、翌朝の追加申込み(翌朝訂正)だけで不足を解消し、入札をせずに済んだ状態です。「零銭(れいせん)」とは、入札(品貸入札)は行われたものの、「0銭で貸す」という応札だけで必要な株数が集まった状態です。どちらも逆日歩は0円で、制度信用の売り方は払わず、買い方も受け取りません。日本証券金融(日証金)の公表データでは、満額は「*****」、零銭は「0.00」と表示されます(日本証券金融「品貸入札、逆日歩、最高料率、応札ランク」)。
「満額」は「上限いっぱいの逆日歩」という意味ではありません。上限いっぱいで決まった状態は「最高料率」で決定した、といいます。最高料率は配当などの権利付最終日に通常の4倍(日証金の規制中の銘柄は8倍)に引き上げられ、株不足が極端なときは臨時措置で10倍になることもあります。
満額・零銭は珍しくありません。2026年10月5日申込分(10月6日公表)では、日証金の品貸料率一覧に載った962銘柄のうち478銘柄が満額、97銘柄が零銭で、逆日歩がついたのは387銘柄でした(ETFなどを含む。株式に限ると885銘柄中434銘柄が満額、87銘柄が零銭。KabuGraph算出)。この記事では、満額・零銭になる仕組み、逆日歩を決める品貸入札の流れ、最高料率と倍率、2026年9月の権利付最終日の実例とコストの計算、公表データの見方を順に解説します。
この記事の内容(目次)
満額と零銭の違い——どちらも逆日歩0円、入札まで進んだかで分かれる
満額と零銭は、どちらも「申込日の夜に日証金で株が足りなくなったが、逆日歩はつかなかった」という結果です。違いは、翌朝の入札まで進んだかどうかです。
入札(品貸入札)
満額:行われない。追加申込み(融資の追加・貸株の返済)で不足が埋まり、入札で株を集める必要がなくなった
零銭:行われた。0銭の応札だけで不足株数が集まった
日証金の表示
満額:品貸料率と品貸日数が「*****」、備考欄に「満額」
零銭:品貸料率が「0.00」
売り方・買い方
満額・零銭とも、制度信用の売り方は逆日歩を払わず、買い方も受け取らない
貸株料
満額・零銭とも、逆日歩とは別の貸株料(全銘柄にかかる売り方のコスト)はかかる
定義は日証金の用語集によります(日本証券金融 用語集「満額」、同「0銭品貸し」、同「貸株料」)。「*****」の表示の意味は日本証券金融「よくあるご質問」にも書かれています。日証金の用語では、零銭にあたる応札を「0銭品貸し」と呼びます。
逆日歩そのもの(なぜ空売りにかかるのか、連休に膨らむ理由、避け方)は次の記事で解説しています。

逆日歩とは|空売り投資家が負担する「株のレンタル料」の仕組み
逆日歩(品貸料)は制度信用の空売りで株不足になると日証金の入札で決まる追加コスト。公表される品貸料率は品貸日数分込みで、負担は公表値×株数。水曜・連休前に日数が増える仕組み、最高料率と2〜10倍の倍率、一般信用での回避策を解説。
逆日歩が決まる流れ——申込日の夜から翌朝10時40分まで
逆日歩(正式には品貸料)は、日証金が毎営業日行う品貸入札で決まります。制度信用で売買した日(申込日)から公表までの流れは次のとおりです(2026年10月時点の日証金の取扱い。最終改正は2024年11月5日)。
約定日の16時〜18時30分:証券会社が日証金に、制度信用の買いに使うお金(融資)と売りに使う株(貸株)を申し込む(日本証券金融 用語集「申込日」)
18時30分過ぎ:日証金が銘柄ごとの残高を速報する。貸株が融資を上回った銘柄(貸株超過)は、足りない株数を翌朝に集める対象になる(同「速報」)
翌営業日の8時30分〜10時:証券会社の追加申込み(翌朝訂正)と、証券会社・機関投資家の品貸し申込み(何銭なら貸すかの応札)を同時に受け付ける
10時:100株単位の銘柄なら、1株50銭以下の応札で不足が埋まればここで決まる。埋まらなければ10時30分まで受付を延長する
10時40分頃:品貸料率(逆日歩)を公表する。受付を延長した日は遅れることがある
11時頃:追加申込みを反映した残高(確報)を公表する
受付時間と延長の条件は日本証券金融「貸借取引貸株超過銘柄等に対する取扱い」の第2・7・8項、公表時刻は同「貸借取引情報のご活用方法について」と銘柄検索の注記によります。
充てる順番は「追加申込み→安い応札」
集まった申込みは、決まった順番で不足株数に充てられます(日本証券金融「貸借取引貸株超過銘柄等に対する取扱い」第6項)。
追加申込み(融資の追加・貸株の返済)を、申し込んだ時間の早い順に充てる。これだけで不足が埋まれば満額
残りを品貸し申込みで埋める。料率の低い応札から採用し、同じ料率なら早い順。9時30分までの応札はすべて9時30分に受け付けたとみなし、抽選で順番を決める
不足株数に届いた時点で、採用した応札のうち最も高い料率がその銘柄の品貸料になる。0銭の応札だけで届けば零銭
例えば不足が5万株で、0銭で2万株、5銭で2万株、10銭で3万株の応札があったとします。0銭と5銭で4万株、10銭の応札から残りの1万株を採用し、品貸料は1株10銭に決まります。この10銭が、その銘柄の制度信用の売り方全員に一律にかかり、買い方全員と株を貸した落札先に支払われます(日本証券金融 用語集「品貸料(逆日歩)」)。
最高料率で決まるのは2つの場合
上限(最高料率)いっぱいで決まるのは、①上限の料率の応札まで採用しないと不足が埋まらなかったとき、②10時30分まで延長しても不足が埋まらなかったときです。②の場合、日証金は最高料率を品貸料とし、足りない株は個別の交渉などで調達します(同 第9項)。
満額・零銭が多い理由——自己融資の証券会社が逆日歩を避ける
日証金の品貸料率一覧(2026年10月5日申込分)を数えると、申込日の夜に貸株超過になった962銘柄(ETFなどを含む)の6割が満額か零銭でした(株式に限ると885銘柄中434銘柄が満額、87銘柄が零銭で、割合はほぼ同じ)。逆日歩がついた387銘柄も、205銘柄は0.05円(100株単位の銘柄の最小単位)で、最高料率で決まったのは名南M&A(名証)の1銘柄だけです。
2026年10月5日申込分の結果(品貸料率一覧に載った962銘柄)
日証金の説明:自己融資の証券会社の対応
日証金は、満額と零銭を主として自己融資をしている証券会社に見られる対応と説明しています(日本証券金融「品貸入札、逆日歩、最高料率、応札ランク」)。
自己融資とは:証券会社が社内で売りと付け合わせた(社内対当)後に残る買い方への貸付けを、日証金から借りずに自己資金や外部からの借入金などで賄うこと。その分の買いは日証金の融資残高に表れないため、日証金の残高だけを見ると貸株(売り)が融資(買い)を上回る(貸株超過)ことがある
逆日歩がつくと困る理由:品貸料は制度信用の買い方全員が受け取る。自己融資の分は日証金から受け取る品貸料がないので、証券会社が自社の負担で顧客に払うことになる
避け方が2つある:翌朝に融資を追加申込みして貸借取引に切り替える(→満額)か、担保として預かっている顧客の買付株を0銭で貸し出す(→零銭)
用語の定義は日本証券金融 用語集「自己融資」「社内対当」「0銭品貸し」によります。
規制中の銘柄と9時30分より後は零銭にならない
零銭になるのは、0銭の応札が不足株数に届いたときだけです。注意喚起・申込制限・申込停止の銘柄と、9時30分より後の応札は最低料率が5銭(100株単位)なので、規制中の銘柄は零銭にならず、入札になれば逆日歩は最低でも0.05円です(取扱い 別表7)。2026年10月5日申込分でも、零銭だった97銘柄に規制中の銘柄はありませんでした。
最高料率——逆日歩の上限と、2倍・4倍・8倍・10倍になる条件
品貸入札は、0銭から最高料率までの範囲で、100株単位の銘柄なら5銭刻みで行われます(日本証券金融「貸借取引情報のご活用方法について」)。最高料率は銘柄の投資単位(貸借値段×売買単位)で決まり、日証金が早見表で公表しています(日本証券金融「最高料率早見表(株式)」)。貸借値段は原則として普通取引の最終値段(終値)です。
投資単位が5万円以下:1売買単位あたり100円。100株単位なら1株1.00円
5万円超:100円に、5万円を超える分の1万円(端数も1万円と数える)ごとに20円を足した額
1株あたりに直す:上の額を売買単位で割る。1円以下なら1円、1円を超えれば10銭単位に切り上げる
目安:100株単位なら1株あたり株価のおおむね0.2%(投資単位5万円以下の銘柄はそれより高い)
株価 | 投資単位 | 最高料率 | 100株の上限 |
|---|---|---|---|
500円 | 5万円 | 1.00円 | 100円 |
1,000円 | 10万円 | 2.00円 | 200円 |
3,000円 | 30万円 | 6.00円 | 600円 |
5,000円 | 50万円 | 10.00円 | 1,000円 |
10,000円 | 100万円 | 20.00円 | 2,000円 |
倍率適用:上限が引き上げられる条件
日証金によると、決算期などの基準日が近づくと、品貸入札で株を貸すと名義が移って株主としての権利(議決権など)を得られなくなるため、入札を見合わせる参加者が多く、品貸料率が上がる傾向があります。こうした基準日が近い銘柄や、日証金が規制をかけた銘柄では、最高料率に倍率がかかります(日本証券金融「品貸入札、逆日歩、最高料率、応札ランク」)。
条件 | 倍率 | 対象の申込日 |
|---|---|---|
配当などの権利付銘柄 | 2倍 | 権利落日の6〜2営業日前 |
配当などの権利付銘柄 | 4倍 | 権利落日の前営業日 |
注意喚起の銘柄 | 2倍 | 通知日の翌営業日〜取消日の前営業日 |
申込制限・申込停止の銘柄 | 2倍 | 実施日〜解除日の前営業日 |
権利付銘柄の2倍の期間で規制中 | 4倍 | 権利落日の6〜2営業日前 |
権利落日の前営業日で規制中 | 8倍 | 権利落日の前営業日 |
異常な貸株超過(臨時措置) | 4倍 | 日証金が指定する日〜解除日の前営業日 |
極めて異常な貸株超過など(臨時措置) | 10倍 | 同上 |
権利落日は権利確定日(基準日)の1営業日前で、権利付最終日の翌営業日にあたります(日本取引所グループ 用語集「権利落」)。つまり「権利落日の前営業日」は権利付最終日のことです。2026年9月末が基準日の銘柄(権利付最終日9月28日、権利落日9月29日)に当てはめると、次のようになります。
9月16日(水)に売った分は、決済日の9月18日(金)の翌営業日が連休明けの9月24日(木)になるため(9月21〜23日は休業日。日本取引所グループ「休業日一覧」)、品貸日数が6日でした。2倍の期間に6日分が重なり、上限は権利付最終日(24.00円)の3倍の72.00円です。権利付最終日だけでなく、その前の連休にも注意が要ります。
倍率が上げるのは上限だけ
倍率適用は入札の上限を引き上げるだけで、決まる料率が倍になるわけではありません(日本証券金融 用語集「倍率適用」)。2026年9月28日(権利付最終日)、オリエンタルランドの上限は24.00円(通常6.00円の4倍)でしたが、逆日歩は0.35円で決まりました。
さらに株が集まらないときの臨時措置(4倍・10倍)、最低料率を引き上げる特別措置、残高の返済を求める返済請求措置へと段階が進みます(日本証券金融 用語集「臨時措置」、同「返済請求措置」)。注意喚起・申込制限・申込停止(売り禁)の基準と流れは次の記事で解説しています。

売り禁とは|新規の空売りが止まる条件と段階的規制、株価への影響
売り禁(貸借取引の申込停止措置)の発動条件・規制内容・株価への影響を解説。東証の日々公表銘柄・増担保規制、日証金の貸株注意喚起・申込制限・売り禁という段階的規制と、投資家が取るべき対応がわかります。
2026年9月28日(権利付最終日)の実例と、逆日歩のコストの計算
9月末が基準日の銘柄の権利付最終日だった2026年9月28日の申込分を、日証金の銘柄別データで見ると、同じ日でも満額から上限いっぱいまで結果が分かれました。
銘柄 | 品貸料率 | 最高料率 | 結果 |
|---|---|---|---|
日本郵政(6178) | ***** | 20.80 | 満額 |
サンリオ(8136) | 0.00 | 9.60 | 零銭 |
オリエンタルランド(4661) | 0.35 | 24.00 | 上限の1.5% |
ANAホールディングス(9202) | 4.80 | 24.80 | 上限の19% |
王将フードサービス(9936) | 8.00 | 24.00 | 上限の33% |
アトム(7412) | 5.00 | 8.00 | 上限の63% |
名南M&A(7076、名証) | 16.00 | 16.00 | 上限いっぱい |
100株を売り建てていた場合、9月28日の1日分の逆日歩は王将フードサービスで800円、アトムで500円、名南M&Aで1,600円です。アトムの終値345円で見ると、100株(3万4,500円)に対して1日で約1.4%のコストにあたります。
計算式:公表値には品貸日数分が入っている
日証金が公表する品貸料率は、1日・1株の品貸料に品貸日数を掛けた後の値です(日本証券金融「よくあるご質問」)。公表値にさらに日数を掛けると二重に計算してしまいます。1日あたりに直すときは品貸日数で割ります。
例:王将フードサービスの2026年9月16日(水)申込分は、品貸料率0.90円・品貸日数6日。1日あたりは0.15円で、100株の負担は0.90円×100株=90円
品貸日数:決済日(約定日の2営業日後)から翌営業日までの日数。通常は1日で、決済日の翌日が休日なら休みの分だけ伸びる(日本証券金融 用語集「品貸日数」)
上限いっぱいなら、いくらになるか
最悪の場合の負担は、上限から逆算できます。
式の最高料率は、早見表に載っている倍率を掛ける前の値です。品貸料率一覧や銘柄検索に出る最高料率は倍率を掛けた後の値なので、そこから計算するときは倍率を掛けません。株価3,000円・100株(通常の最高料率6.00円)で試算すると、次のとおりです(カッコ内は売建代金30万円に対する割合)。
通常の日(1日):6.00円×100株=600円(0.2%)
権利付最終日(4倍・1日):24.00円×100株=2,400円(0.8%)
権利付最終日に申込停止中(8倍・1日):48.00円×100株=4,800円(1.6%)
2倍の期間に6日の連休(2026年9月16日申込分と同じ条件):72.00円×100株=7,200円(2.4%)
臨時措置10倍で週末をまたぐ(3日):180.00円×100株=18,000円(6.0%)
上限に張り付き続けた例:名南M&A
上限で決まる日が続くこともあります。名南M&A(名証)は、2026年8月20日から10月5日までに逆日歩がついた21営業日すべてで、品貸料率が最高料率と同じ値でした(銘柄検索の値で、どちらも品貸日数分)。8月24日申込分から注意喚起で上限が2倍(4.40円)になり、9月8日申込分からは申込停止(倍率は2倍のまま)、権利付最終日の9月28日は8倍の16.00円でした。
名南M&A(名証)の逆日歩と最高料率(1日・1株、2026年8月20日〜10月5日申込分)
8月28日から10月2日までの各申込日の品貸料率(品貸日数分)を合計すると1株134.40円です。この間を通して100株を売り建てていれば、逆日歩だけで約1万3,400円、貸借値段(870〜1,100円前後)で見て建玉の1割を超える負担になる計算です。日証金の銘柄別データは、9月28日の品貸料率を年率に換算して608%と表示していました。
日証金の品貸料率一覧と、証券会社の画面の見方
逆日歩の結果は、日証金のサイトで毎営業日10時40分頃に公表されます。全銘柄の一覧はCSVの「品貸料率一覧」(日本証券金融「DATA」)、銘柄ごとの推移は「銘柄検索」で見られます。列の意味は日本証券金融「貸借取引情報のご活用方法について」にまとまっています。
上限で決まったかの見分け方:品貸料率一覧では、当日品貸料率÷品貸日数が最高料率と同じなら、上限いっぱいで決まった(一覧の最高料率は1日分、当日品貸料率は品貸日数分)
前日品貸料率:前の申込日の1日・1株の料率。「*****」なら前日は逆日歩なし(満額だったか、貸株超過でなく入札の対象外だった日)
応札ランク:2024年11月から公表。日証金は、Aに近いほど株の調達が逼迫し品貸料率が高騰するおそれがあるとしている(ただし相関しない場合もある)(日本証券金融「品貸入札、逆日歩、最高料率、応札ランク」)
銘柄検索:直近7営業日の推移が出る。期間を指定すれば過去分も見られ、8営業日以上はCSVで取得、3年より前は非公開(日本証券金融「よくあるご質問」)。銘柄検索では最高料率も品貸料率も品貸日数分を掛けた値で出るので、そのまま比べて同じなら上限で決まった日。品貸料率を年率に換算した値も表示される(同「銘柄検索」)
速報(18時30分過ぎ):その日の貸株超過が分かる。翌朝の追加申込みで変わるので、満額かどうかは翌日10時40分頃の結果を待つ
証券会社の画面でも確認できます。例えばSBI証券は、銘柄の「詳細」画面や取引ツールの信用データの欄で逆日歩を表示し、保有建玉の「逆日歩及び貸株料」欄に計上されるのは前日申込み分の確定分までと案内しています(SBI証券「信用取引における逆日歩はどこで確認できますか?」、2026年10月6日閲覧)。
売り方・買い方が気をつけること
制度信用で空売りしている人
速報で貸株超過なら、翌朝10時40分頃の結果を見る:満額・零銭で終わる日も多いが、その日だけの結果
応札ランクがAに近い銘柄は上限に近づきやすい:名南M&Aは応札ランクAの日がすべて上限で決まった
規制中の銘柄は零銭にならず、上限は2倍:注意喚起・申込制限・申込停止の銘柄は入札になれば最低0.05円、権利付最終日は上限8倍
権利付最終日と連休前の売りは、上限から最悪の負担を逆算する:通常の最高料率(早見表の値)×倍率×品貸日数×株数。一覧や銘柄検索の最高料率は倍率適用後なので、倍率を重ねて掛けない
優待クロスで制度信用を使う人
株主優待のクロス取引(現物買いと信用売りの組み合わせ)を権利付最終日に制度信用の売りで行うと、上限が4倍(規制中は8倍)の日の逆日歩を払うことになります。2026年9月28日のアトムは、100株で1日500円でした。逆日歩がかからない一般信用とどちらが安いかは、各社の料率と逆日歩の出やすさで変わります。

制度信用と一般信用どっちが得?|SBI証券・楽天証券を比較
SBI証券・楽天証券は制度信用と一般信用(無期限)の料率が同じ(買方金利年2.80%・貸株料年1.10%、2026年10月6日確認)。買いは同額、空売りは逆日歩のない一般信用が有利。優待クロスは短期3.90%と逆日歩の損益分岐(1株30銭)で判断します。
制度信用で買っている人
満額・零銭の日は、制度信用の買い方も逆日歩を受け取れません。誰がいくら受け取れるのか、逆日歩を狙った買いが成り立つのかは次の記事で解説しています。

逆日歩は誰がもらえる?|受け取れる人と、逆日歩で儲けられるか
逆日歩を受け取れるのは制度信用の買い方と、日証金の入札で株を貸した側で、一般信用の買い方や現物株主は対象外です。逆日歩で儲けられるかは、受け取る逆日歩と金利(年2.80%、2026年10月)・値動きの差で決まります。
逆日歩が高い銘柄で売り方の買い戻しが株価を押し上げる「踏み上げ」については、次の記事で扱っています。

逆日歩で株価はどうなる?踏み上げの条件と実例|上限10倍の急騰株も5営業日で3割安、権利付最終日の21銘柄は13銘柄が下落
逆日歩が付いても株価が上がるとは限りません。踏み上げが起きやすい条件(売り残・株価の上昇・逆日歩の上限の倍率・申込停止)と、日証金のデータで確かめた2026年の実例を解説。権利付最終日に上限まで付いた21銘柄は、配当落ちを含む翌日の前日比で上昇5・下落13でした。
まとめ
満額=翌朝の追加申込みで株不足が解消し、入札が要らなかった状態。日証金の表示は「*****」で、逆日歩は0円
零銭=品貸入札が0銭の応札だけで埋まった状態。表示は「0.00」で、逆日歩は0円。規制中の銘柄はならない
「満額」は上限いっぱいの意味ではない。上限で決まった日は、品貸料率を品貸日数で割った1日分が最高料率と同じ値になる
満額・零銭は多い:2026年10月5日申込分は962銘柄の6割。主に自己融資の証券会社が自社負担を避けるため
品貸料は安い応札から採用し、最後に採用した最も高い料率に全員がそろう。10時30分まで延長しても集まらなければ最高料率
最高料率は100株単位なら株価のおおむね0.2%。権利落日の6〜2営業日前は2倍、権利付最終日は4倍、規制中はさらに2倍
公表される品貸料率は品貸日数分を掛けた後の値。日数をもう一度掛けない
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。制度や料率は2026年10月6日時点の日証金の公表資料によります。








