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株の大引けとは|15時30分に終値が決まる仕組み

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大引け(おおびけ)とは、株式市場の後場(午後の取引)の最後の売買のことで、そこでついた値段がその日の終値になります。東証の大引けは2024年11月5日から15時30分です(それまでは15時)。

出典:日本取引所グループ「売買立会時(立会時間)」よりKabuGraph作成

東証は15時25分から5分間、売買を止めて注文だけを集め、15時30分に1つの値段でまとめて約定させます(クロージング・オークション)。大引けには1日の売買代金の13〜17%が集まり(2024年11月〜2025年9月の月平均)、決まった終値は株価指数・投資信託の基準価額・翌日のストップ高・安の基準・信用取引の値洗いに使われます。

2027年10月12日(予定)からは、大引けの時刻が15時29分30秒〜15時30分の間で毎日ランダムに決まる「ランダムクローズ」に変わります。この記事では、大引けの5分間に何が起きるか、なぜ売買が集まるのか、終値が何に使われるか、大引けの後に何があるかを、東京証券取引所の公表資料とデータで解説します。

大引けとは——後場の最後の売買、ついた値段がその日の終値

東証の取引は、午前の「前場(ぜんば)」と午後の「後場(ごば)」に分かれています。前場の最後の売買を「前引け」、後場の最後の売買を「大引け」といい、両方を合わせて「引け」と呼びます(日本取引所グループ「用語集:大引け」・「用語集:引け」)。大引けには多くの注文が集まって板寄せが行われ、そこで決まった値段がその日の終値になります。

1日の流れに沿って用語を並べると次のとおりです。時刻は日本取引所グループ「売買立会時(立会時間)」(2024年11月4日更新)によります。

  • 寄付(寄り付き):前場・後場それぞれの最初の売買。前場は9:00、後場は12:30

  • 前引け:前場の最後の売買。11:30。大引けのようなプレ・クロージング(注文だけを集める時間)は無く、11:30にそのまま板寄せする(東京証券取引所「次期売買システム稼働に伴う売買制度の見直しについて」2023年9月28日 p.18)

  • 大引け:後場の最後の売買。15:30

  • 引け値:引けでついた値段。大引けの引け値がその日の終値

  • 終値(おわりね):その日の最後の値段。ふつうは大引けの値段

  • 大納会・大発会:その年の最後の取引日(例年12月30日)と最初の取引日(例年1月4日)。大納会の終値がその年の最後の株価になる(用語集:大納会・大発会)

東証が注文を受け付けるのは、前場の分が8時から、後場の分が12時5分からです(同)。

大引けは15時?——15時は2024年11月4日までの時刻

東証は2024年11月5日、現物の売買システム(arrowhead)の更改にあわせて、後場の終わりを15時から15時30分へ30分延ばしました(東京証券取引所「現物市場の機能強化に向けた売買制度の見直しに伴う業務規程等の一部改正について(概要)」2023年9月20日、日本取引所グループ「現物市場の機能強化に向けた取組み(取引時間の延伸等)」2026年8月6日更新)。東証は目的として、システム障害が起きても当日中に取引の機会を残すこと(レジリエンスの向上)と、欧米・アジアより短かった取引時間を延ばして投資家の利便性を高めることを挙げています(東京証券取引所「次期売買システム稼働に伴う売買制度の見直しについて」p.6)。

大引けで売買が成立しなかったら終値はどうなる?

売り注文と買い注文の値段が折り合わず、大引けで売買が成立しないこともあります。その場合も、その日の最後についた値段が終値になります(日本取引所グループ「用語集:終値」)。大引けで値が付かず、ザラバ(取引時間中)の最後の値段のまま終わることを「ザラバ引け(ザラ場引け)」と呼び、2024年11月のクロージング・オークション導入後は減っています(次章)。

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ザラ場(ザラバ)は寄付と引けの間に、注文が入るたびに約定させる時間帯と売買方式。東証では前場9:00〜11:30・後場12:30〜15:25で、価格優先・時間優先で約定する。板の見方、ザラ場高値と終値ベースの違い、PTS、売買停止も解説。

15時30分の大引けはどう決まる?——15時25分からのクロージング・オークション

東証の大引けは、15時25分にザラバを終え、15時30分までの5分間は注文の受付だけを行い、15時30分に集まった注文を1つの値段でまとめて約定させます。この仕組みを「クロージング・オークション」、5分間の受付時間を「プレ・クロージング」と呼びます(日本取引所グループ「用語集:クロージング・オークション」)。東証は導入の目的を、大引けの売買の重要性が高まるなかで、終値の決まり方の透明性を高めるためとしています(東京証券取引所「次期売買システム稼働に伴う売買制度の見直しについて」p.12)。

出典:東京証券取引所「東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]」、同「業務規程等の一部改正について(概要)」(2023年9月20日・2026年8月6日)、同・日本取引所自主規制法人「クロージング・オークションにおける注文取消し等の重点監視に関するガイドライン」(2023年11月24日制定)よりKabuGraph作成

プレ・クロージングの5分間にできること

  • 売買は成立しない:15時25分〜15時30分は注文を受け付けるだけ

  • 新規の注文・訂正・取消ができる:ただし執行条件(引け・不成など)は変えられない

  • 引け注文は15時25分に板に入る:引成・引指と、ザラバで約定しなかった不成注文をこの時点で取り込む。ザラバで約定しなかった通常の注文もそのまま引き継がれる

  • 板の状況(気配)が配信される:寄付前と同じように、売り・買いの注文の状況を見ながら注文を出し直せる

  • 値段の範囲:大引けの値段は、直前の約定値段から更新値幅の2倍の範囲で決まる(直前が100円なら90〜110円)

出典:東京証券取引所「東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]」Q.18・Q.27

同じ値段の注文どうしでは、後場の寄付前とザラバ中に出ていた注文が先に約定し、引け注文とプレ・クロージング中に出した注文は後回しになります(同Q.27)。板寄せでどの値段に決まるかの計算は、板寄せの記事で扱います。

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板寄せは、寄付や引けにそれまでの注文を突き合わせ、1つの値段でまとめて約定させる東証の方式です。成行は全部、有利な指値も全部、その値段で売りか買いの一方は全部約定、の3条件を板の計算例で追い、寄らない時の特別気配とストップ配分も図解します。

導入後、大引けで値が付く銘柄は約88銘柄増えた

東証の検証では、大引けで売買が成立した銘柄は、導入前の平均3,633銘柄(2024年3月1日〜11月1日)から、導入後は平均3,721銘柄(2024年11月5日〜2025年6月30日)へ約88銘柄増えました(東京証券取引所「売買制度ワーキング・グループ報告(参考資料編)」2026年4月22日、8月6日更新 p.8)。大引けで値が付かないザラバ引けが減ったということです。

あわせて、板寄せの条件を満たさなくても値幅の上限・下限の値段で売買を成立させる「特別約定」も始まりました。ETFや中小型株を中心に、平時は1日2件程度起きています(2024年11月5日〜2025年6月30日、同p.9)。

東証は、15時30分の直前1分間に、板寄せで付きそうな値段(予想対当値段)を動かす注文の取消し・訂正を重点的に監視しています(東京証券取引所・日本取引所自主規制法人「クロージング・オークションにおける注文取消し等の重点監視に関するガイドライン」2023年11月24日制定)。終値を動かすための見せかけの注文は、終値操作(不公正取引)を疑われる行為です。

2027年10月12日(予定)からはランダムクローズ——大引けの時刻が毎日変わる

東証は2027年10月12日(予定)から、大引けの板寄せを15時29分30秒〜15時30分の間のランダムな時刻に行う「ランダムクローズ」を導入します。2026年8月6日に規則の改正が公表され、売買システムの稼働に支障が出た場合などは東証が定める後の日に施行するという但し書きが付いています(東京証券取引所「現物市場の更なる機能強化に向けた売買制度の見直しに係る業務規程等の一部改正について(概要)」)。

仕組みは次のとおりです(東京証券取引所「売買制度ワーキング・グループ報告(サマリ)」2026年4月22日)。

  • 板寄せの時刻:毎営業日、15時29分30秒〜15時30分の30秒間のどこかで行う。時刻は日によって変わる

  • 全銘柄が同時:クロージング・オークションをする銘柄は、すべて同じ時刻に板寄せする

  • 注文の制限はない:板寄せの瞬間まで、新規の注文・訂正・取消ができる

  • 予想値段の配信:ランダムクローズに合わせて、プレ・クロージング中と前場・後場の寄付前5分間に、板寄せで付きそうな値段(予想対当値段)と数量を東証が配信する予定(東京証券取引所「現物市場の更なる機能強化に向けた売買制度の見直しについて」2026年5月22日)

  • 対象は大引けだけ:前引けは今と同じ

東証は導入の理由に、大引け直前の注文の変更・取消しによる価格操作(ゲーミング)や過度な値動きを抑えることと、注文が早めに出そろうことで終値の形成が早まることを挙げています(日本取引所グループ「現物市場の機能強化に向けた取組み(取引時間の延伸等)」2026年8月6日更新)。売買制度ワーキング・グループの報告によると、導入後の検証で悪質なゲーミングは確認されていません。そのうえで、予防の観点からの対策を求める意見と、終値が決まるのを早め、プレ・クロージング中の気配の急変動を抑える改善の余地があるという指摘を受けた見直しです(同サマリ)。

なぜ大引けに売買が集まる?——売買代金の13〜17%、パッシブ運用と指数の入れ替え

クロージング・オークションの導入後、大引けの売買代金は1日の売買代金の13.4〜16.8%を占めています(2024年11月〜2025年9月の月平均。11か月の平均は約15%)。導入前の同じ月(2023年11月〜2024年9月。当時の大引けは15時)の11.3〜15.5%を、11か月すべてで上回りました(東京証券取引所「売買制度ワーキング・グループ報告(参考資料編)」2026年4月22日、8月6日更新 p.3)。

大引けの売買代金が1日の売買代金に占める割合(月平均)

出典:東京証券取引所「売買制度ワーキング・グループ報告(参考資料編)」p.3(2026年4月22日、8月6日更新)よりKabuGraph作成。各営業日の東証市場全体の大引けの売買代金を全日の売買代金で割り、月ごとに平均した値。導入前は2024年11月のクロージング・オークション導入前の同じ月で、当時の大引けは15時

1回の板寄せとしても大きく、15時30分の大引けの売買代金は1日平均7,887億円で、9時の寄付を含む最初の15分間(7,424億円)を上回ります。1日の売買代金(取引時間内)は平均5.10兆円です(同p.11、2024年11月5日〜2025年6月30日の平均)。

パッシブ運用が増え、大引けの比率は2010年ごろの約4倍に

東証は、大引けの売買代金が長期的に増えている理由を「パッシブ運用の進展」と説明しています(同p.3)。東証1部・プライム市場の大引けの比率は、2010年ごろの4%前後から、2020年代には10%台半ばまで上がりました(同。東証の図から読み取り)。

TOPIXや日経平均は大引けで決まった値段で計算され、投資信託も組み入れた株を取引所の最終相場で評価します(次章)。KabuGraphの見方では、指数に連動するファンドは大引けで売買すれば、買った値段と指数・基準価額の計算に使う値段がそろうため、指数とのずれ(トラッキングエラー)を小さくできます。これが大引けに注文が集まる大きな理由と考えられます。

指数の見直しの前営業日は大引けに注文が集まる

東証の検証では、指数のリバランス(構成銘柄やウエイトの見直し)の日は、プレ・クロージングの開始直後から注文が積み上がっています(同p.4)。主な指数の定期的な見直しは次のとおりです。

指数に連動するファンドの売買が大引けに集まるのは、見直しの実施日ではなくその前営業日です。TOPIXは構成銘柄の追加・除外を、実施日(修正日)の前営業日の引け後に、その日の株価で反映します(JPX総研「指数計算に係る算出要領」2025年12月10日版 p.7)。指数が前営業日の大引けの値段で入れ替わるので、連動ファンドもその大引けで売買します。2026年のTOPIXの初回定期入替(10月30日)なら、注文が集まるのは10月29日(木)の大引けです。東証の検証でも、特別約定が多発した2025年1月30日は、TOPIXの見直しで除外された銘柄がほとんどでした(同参考資料編p.9)。

こうした日は、プレ・クロージング中の気配が終値から大きく離れて動きます(TOPIX100の銘柄で、ふだんの0.6〜0.7%に対して1.5%前後。同p.6)。また、ふだんの日でも大引け直前の1分間に予想値段が1.4〜3%程度動く銘柄が1日2.5銘柄程度あり、プライム市場ではその8割が小型株(TOPIX Small)でした(2024年11月5日〜2025年6月30日、同p.7)。引成は値段を選べないので、取引の少ない銘柄では引指で上限・下限を決めておくと、想定外の値段での約定を避けられます。

終値は何に使われる?——指数・投資信託・ストップ高の基準・信用取引

終値は「その日の株価」として、投資家に関わる多くの計算の基準になります。主な使われ方は次のとおりです。

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終値と翌日の基準値段がずれる主な場合

翌日のストップ高・ストップ安は、終値そのものではなく「基準値段」から計算します。ふだんは基準値段=終値ですが、特別気配のまま大引けを迎えた日と、翌日が配当落ちの日は一致しません(東京証券取引所「東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]」Q.8)。連続約定気配のまま大引けを迎えた日や、権利落ちの日も同じです(同)。

出典:東京証券取引所「東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]」Q.8、日本取引所グループ「制限値幅」(2026年10月6日閲覧)よりKabuGraph作成

新聞やアプリに載る終値から計算したストップ高・安は、②③の日には実際とずれます。翌日に大きく動きそうな銘柄を売買するときは、証券会社の注文画面に出る値幅制限の値段で確かめましょう。

大引けのあと——決算発表の6割超は15時30分以降、PTSと翌朝の寄付

2026年3月期の決算発表は、63.6%(1,365社)が大引け後の15時30分〜17時59分に行われました。後場の取引時間中(12時30分〜15時29分)の発表は28.8%(618社)で、前年同期(64.5%・27.8%)より取引時間中の割合がわずかに増えています(東京証券取引所「2026年3月期決算発表状況の集計結果について」2026年6月4日)。東証は上場会社に、取引時間中かどうかにかかわらず、決めたら速やかに開示するよう求めています(同)。

大引け後に出た決算や業績修正への反応は、翌朝の寄付の板寄せでまとめて値段に表れます。夕方に決算短信を読み、翌朝8時からの気配を見て注文を考える流れになります。

東証が注文を受け付けるのは15時30分までなので(日本取引所グループ「売買立会時(立会時間)」)、それより後に証券会社へ出した注文は翌営業日の注文になります。受付の時間は証券会社ごとに違います(注文方法の記事)。

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大引け後に売買できる場所

大引けで売買するときの注意点

大引けで約定させたい注文には、東証の執行条件を付けた次の3つがあります。使い分けは注文方法の記事で詳しく扱うので、ここでは要点だけ挙げます(東京証券取引所「東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]」Q.5)。

  • 引成(引け成行):引けの板寄せだけに参加する成行注文。約定すれば値段は終値と同じ

  • 引指(引け指値):引けの板寄せだけに参加する指値注文。終値が指値より有利なら約定し、終値が指値ちょうどなら約定しないこともある(同じ値段ではザラバ中から出ていた注文が先に約定するため。同Q.27・Q.28)

  • 不成:ザラバ中は指値で、約定しなければ前引けか15時25分(プレ・クロージングの開始時)に引けの成行に変わる

この3つは、引けで売買が成立しなければ失効します(同Q.5)。また執行条件を付けなくても、15時25分〜15時30分のプレ・クロージング中に出した通常の成行・指値の注文は、15時30分の板寄せに参加します(同じ値段では引け注文と同じ扱い。同Q.27)。そのうえで、次の点に気をつけましょう。

  • 取引の少ない銘柄の引成は値段が読めない:大引けの値段は直前の値段から更新値幅の2倍まで動きうる。直前が1,000円なら940〜1,060円の範囲で決まりうる(同Q.18)

  • ストップ高・安のまま大引けを迎えると比例配分:注文が多すぎると、引成でも株が回ってこないことがある(ストップ配分。同Q.25、仕組みは板寄せの記事)

  • 指数の見直しの前営業日は気配が大きく動く:日経平均・TOPIXの見直しの実施日の前営業日は大引けに注文が集中し、プレ・クロージング中の気配が終値から大きく離れて動く(2026年はTOPIXの初回定期入替の前の10月29日)

  • 2027年10月12日(予定)からは15時29分30秒より前に:ランダムクローズの導入後は、板寄せの時刻が毎日変わる

  • 前引けの引け注文は後場に持ち越されない:前引けで成立しなければ失効する(同Q.5)

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まとめ

  • 大引けは後場の最後の売買。東証は2024年11月5日から15時30分で、ついた値段がその日の終値

  • 15時25分〜15時30分はプレ・クロージング。売買は成立せず注文だけを集め、15時30分に1つの値段で板寄せ。気配は最後まで動く

  • 2027年10月12日(予定)からはランダムクローズ。15時29分30秒〜15時30分のどこかで、全銘柄が同時に板寄せ

  • 大引けには1日の売買代金の13〜17%が集まる。東証はパッシブ運用の進展が理由と説明し、指数の見直しの実施日の前営業日は特に注文が集まる

  • 終値は指数・投資信託・翌日のストップ高・安・信用取引・相続税評価・自社株買いの基準。ただし翌日の基準値段とは一致しない日がある

  • 決算発表の6割超は大引け後。反応は翌朝の寄付やPTSに表れる

コラム著者・編集者

K

KabuGraph編集部

KabuGraph編集部は、投資情報の発信と株式分析ツールの開発に携わるチームです。日本株・米国株の事業分析から、投資に役立つ情報をわかりやすくお届けします。

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