自己資本比率の目安と危険水域|上場企業(金融除く)の中央値56.8%、30%未満は下位1割

上場企業(金融業を除く3,500社)の自己資本比率は、中央値が56.8%です。下位25%のラインは40.7%、下位10%のラインは29.3%でした(直近通期の決算短信、2026年9月29日時点)。非上場を含む日本企業全体では、財務省「法人企業統計調査」の2025年度が41.8%(金融業・保険業を除く)です。
「30%以上で安定・50%以上で優良・70%以上で超優良」という目安を当てはめると、30%は上場企業の下位1割の線、50%は中央値のやや下、70%でようやく上位4分の1です。危険水域の目安は20%未満で、当てはまるのは3.9%(135社)です。前期末に20%未満だった会社は、翌期に4割近く(37.6%)が最終赤字で、30〜80%の会社(9.5%)の約4倍でした。
ただし業種による差が大きく、業種の中央値は鉱業72.8%・医薬品69.9%から不動産業33.2%まで開き、銀行業は4.9%です。この記事では、33業種の中央値と下位10%ライン、危険のサイン、高すぎる場合の注意点まで、データで目安を示します。自己資本比率の意味と計算式は自己資本比率とはで解説しています。
この記事の内容(目次)
自己資本比率の目安は?上場企業の中央値は56.8%
自己資本比率は、会社の総資産のうち返済のいらない自己資本でまかなっている割合です(自己資本÷総資産×100)。IFRS(国際会計基準)の会社の決算短信には「親会社所有者帰属持分比率」の名前で載っています。自己資本の範囲や計算の手順は次の記事で解説しています。

自己資本比率とは|上場企業の中央値56.8%(金融除く)、キーエンス94.6%・トヨタ37.8%・三菱UFJ5.2%の違い
自己資本比率は自己資本÷総資産×100で、返済不要のお金で資産の何割をまかなっているかを示します。金融業を除く上場3,500社の中央値は56.8%。計算式、キーエンス・トヨタの読み方、業種差、ROEとの関係、銀行の規制上の比率との違いを解説。
KabuGraphが上場企業の直近通期の決算短信から集計すると、金融業を除く3,500社の自己資本比率の中央値は56.8%でした。対象はプライム・スタンダード・グロースの上場企業で、期末が2025年8月〜2026年7月の通期決算です。
山は50%台(624社)にあり、40〜80%の範囲に約3分の2(2,295社)が入ります。20%未満は135社(3.9%)にとどまります。
中央値:56.8%
平均:55.4%
上位25%ライン:71.0%
下位25%ライン:40.7%
下位10%ライン:29.3%
「平均的な上場企業」の水準は50%台半ば、40%を切ると下位4分の1、30%を切ると下位1割と覚えておくと、個別銘柄の数字を位置づけやすくなります。
金融業を除いて見る理由
銀行業79社の中央値は4.9%です。預金は銀行にとって負債なので、総資産に対する自己資本はもともと数%にとどまります。金融業(銀行・証券・保険・その他金融)を含めた3,668社でも中央値は55.7%とほとんど変わりませんが、「低い会社」を数えると銀行がまとめて入ってしまうため、この記事では金融業を除いた3,500社で目安を示します。
銀行の「自己資本比率8%」は、分母を総資産ではなくリスクアセットにした規制上の別の指標です(金融庁「バーゼル規制の概要」)。決算短信の値との違いは自己資本比率とはで解説しています。
市場区分別:中央値はほぼ同じ、グロースは下位が厚い
プライム(1,413社):中央値57.0%・下位10%ライン33.3%
スタンダード(1,512社):中央値56.8%・下位10%ライン28.5%
グロース(575社):中央値55.7%・下位10%ライン23.1%
中央値は3市場とも55〜57%で並びますが、グロースは上下に広く散らばり、下位10%ラインはプライムより10ポイント低くなっています。直近の決算短信(四半期を含む)で債務超過の上場企業12社のうち7社もグロースです。新興企業では、中央値よりも「下位の会社がどれだけ多いか」に注意が必要です。
「30%で安定・50%で優良・70%で超優良」は本当?上場企業での位置
「30%以上で安定、50%以上で優良、70%以上で超優良」「20%を下回ると危険水域」という線は、法令や取引所が定めた基準ではなく、経験則として使われている目安です。上場企業の分布に当てはめて、それぞれがどの位置に当たるかを確かめました。
目安の線 | 当てはまる会社 | 上場企業での位置 |
|---|---|---|
70%以上 | 26.6% | 上位25%ライン71.0%とほぼ同じ |
50%以上 | 61.4% | 中央値56.8%の少し下 |
40%以上 | 76.3% | 下位25%ライン40.7%とほぼ同じ |
30%以上 | 89.4% | 下位10%ライン29.3%とほぼ同じ |
20%未満 | 3.9% | 下位4% |
10%未満 | 1.3% | 下位1%余り |
30%は「安定」というより、下回ると上場企業の下位1割に入る「最低限の線」です。50%は中央値の少し手前で上場企業としては平均的な水準、上位4分の1に入るのは70%からです。
20%未満(危険水域)に当たるのは135社(3.9%)、10%未満は46社(1.3%)と少数派です。ただしこの層には赤字の会社が多く集まっています(「危険水域はどこから?」の章で解説)。
日本企業全体では41.8%——法人企業統計(2025年度)
非上場の会社を含む日本企業全体の自己資本比率は、財務省「法人企業統計調査」で確かめられます。2025年度は全産業(金融業・保険業を除く)で41.8%でした。2026年9月1日に公表された年次別法人企業統計調査(令和7年度) p.14の第12表の値です。
全産業:41.8%(2024年度は42.1%)
製造業:50.4%
非製造業:38.7%
資本金10億円以上:42.3%
資本金1億〜10億円:44.3%
資本金1千万〜1億円:44.3%
資本金1千万円未満:22.9%
法人企業統計の自己資本比率は(純資産−新株予約権)÷総資本で、非上場を含む各社の単体決算から推計した合計額どうしで割った値です。会社ごとの中央値ではなく「合計どうしの比率」なので、上場企業の中央値56.8%とは直接比べられません。
自己資本比率の推移(全産業・製造業・非製造業)
日本企業の自己資本比率は1960年代半ばから1990年代まで10%台で推移し、上がり始めたのは2000年前後からです。1976年度の13.7%を底に1990年代も19%前後にとどまっていましたが、2000年度に25.7%、2012年度に37.4%と上がり、2016年度以降は40%台が続いています(e-Statの時系列データ)。
上場企業を合算すると35.7%——日本郵政1社で大きく動く
上場企業も合計どうしで割ると、金融業を除く3,500社で35.7%になり、中央値より20ポイント以上低くなります。この値を大きく引き下げているのが日本郵政1社です。
日本郵政は東証33業種ではサービス業ですが、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険を連結しているため総資産が289兆8,645億円と、金融業を除く3,500社の総資産の合計の16.9%を占めます。自己資本比率は3.4%です(日本郵政 2026年3月期 決算短信 p.1)。日本郵政1社を除くだけで、合算は42.3%まで上がります(KabuGraph算出)。
中小企業の目安
資本金1億円未満の会社全体では39.8%、1千万円未満の小さな会社では22.9%です。同じ30%でも、資本金1千万円未満の会社全体の比率(22.9%)は上回り、上場企業の中では下位1割に当たります。
業種別(2025年度、全規模)では、リース業16.2%・宿泊業19.5%・電気業21.1%が低く、鉱業・採石業・砂利採取業65.8%、はん用機械器具製造業59.8%が高い水準です。
業種別の目安——33業種の中央値と下位10%ライン
自己資本比率の目安は業種で大きく違います。業種の中央値は鉱業72.8%・医薬品69.9%から不動産業33.2%まで開き、銀行業は4.9%です。上場企業の同じ集計から、東証33業種ごとに中央値と下位25%・下位10%のラインを並べました。
業種 | 中央値 | 下位25%ライン | 下位10%ライン |
|---|---|---|---|
鉱業 | 72.8% | 61.4% | 55.0% |
医薬品 | 69.9% | 52.0% | 38.9% |
精密機器 | 67.5% | 50.8% | 35.0% |
機械 | 66.2% | 51.5% | 38.2% |
ガラス・土石製品 | 64.4% | 50.3% | 44.1% |
化学 | 63.6% | 50.4% | 39.0% |
情報・通信業 | 62.9% | 45.6% | 31.2% |
ゴム製品 | 62.2% | 51.5% | 49.5% |
電気機器 | 61.2% | 48.2% | 37.6% |
鉄鋼 | 60.7% | 52.5% | 43.7% |
金属製品 | 60.3% | 47.8% | 33.5% |
その他製品 | 59.3% | 47.7% | 42.2% |
繊維製品 | 58.0% | 39.3% | 26.7% |
倉庫・運輸関連業 | 56.5% | 45.9% | 41.9% |
食料品 | 56.2% | 46.2% | 35.4% |
パルプ・紙 | 55.6% | 44.5% | 31.6% |
建設業 | 55.3% | 42.4% | 34.1% |
サービス業 | 53.9% | 36.8% | 26.6% |
非鉄金属 | 53.7% | 41.3% | 35.5% |
輸送用機器 | 51.3% | 39.8% | 31.3% |
卸売業 | 50.3% | 38.8% | 31.3% |
海運業 | 47.5% | 37.6% | 25.4% |
小売業 | 46.8% | 34.2% | 21.4% |
水産・農林業 | 44.7% | 35.8% | 33.1% |
陸運業 | 40.3% | 32.4% | 29.3% |
電気・ガス業 | 39.1% | 24.6% | 19.4% |
空運業 | 37.7% | 28.0% | 23.0% |
石油・石炭製品 | 37.1% | 27.6% | 26.7% |
不動産業 | 33.2% | 26.3% | 22.1% |
証券・商品先物取引業 | 34.9% | 12.8% | 5.4% |
保険業 | 22.9% | 7.7% | 4.8% |
その他金融業 | 22.7% | 13.6% | 8.5% |
銀行業 | 4.9% | 3.9% | 3.3% |
調べたい会社の業種の行を見て、下位25%ラインを下回れば「業種の中で低い方の4分の1」、下位10%ラインを下回れば「業種の中で1割に入る低さ」です。同じ30%でも、医薬品(下位10%ライン38.9%)では業種の下位1割に入り、電気・ガス業(下位25%ライン24.6%)では業種の中ほどより少し下にすぎません。
業種で水準が違う理由
ビル・発電所・鉄道・航空機などの大きな資産を借入で持つ業種(不動産・電気ガス・陸運・空運)は低く、借入の少ない業種(医薬品・精密機器・機械・化学・情報通信)は高くなります。理由は自己資本比率とはで詳しく解説しています。
医薬品は78社の半数(39社)が最終赤字で、赤字の会社だけで見ても中央値は70.4%と高い水準です。上場や増資で集めた資金で研究開発を続ける創薬ベンチャーが多く、比率の高さが稼ぐ力を表すとは限りません。
3つのタイプにまとめると、次のようになります。
高めの業種では35%、標準的な業種では30%、低めの業種では22%を下回ると、そのタイプの下位1割に入ります。タイプの線は目安で、個々の業種の線は上の表で確かめてください(情報・通信業の下位10%ラインは31.2%で、タイプの35.3%より低い)。業種が分からないときの目安は、全体の下位10%ライン29.3%です。
危険水域はどこから?——20%未満では翌期に4割近くが赤字
自己資本比率が20%未満の会社には、赤字の会社が多く集まっています。ただし期末の比率はその期の赤字を差し引いた後の値なので、「赤字だったから比率が下がった」会社も含まれます。
そこで前期末の自己資本比率で会社を分け、翌期(直近通期)に最終赤字(親会社株主に帰属する当期純利益がマイナス)だった会社の割合を数えました。
前期末の自己資本比率と、翌期に最終赤字だった会社の割合
前期末20%未満(141社):翌期に37.6%が最終赤字。前期末に債務超過だった5社では4社が赤字
前期末20〜30%(242社):14.9%
前期末30〜80%(2,683社):9.5%
前期末80%以上(364社):17.9%。赤字のまま研究開発を続ける創薬ベンチャーなどを含む
前期末に20%未満だった会社は、翌期に4割近くが赤字で、30〜80%の会社の約4倍でした。20%未満を危険水域の目安にするのは、このデータとも合っています。ただし6割は黒字で、比率だけで危ないとは決められません。
10%未満を危険水域の線とする目安もありますが、前期末に0〜10%だった会社(35.3%)と10〜20%だった会社(36.3%)で、翌期に赤字だった割合は変わりません。20%を下回った時点から注意して見る方が、早めに気づけます。
なお同じ期末の比率で分けると、0〜10%の会社の約7割がその期に赤字です。ただし前期と比べられる39社のうち20社は前期末には10%以上あり、その期の赤字で比率が下がった会社でした。
業種の下位10%ラインと合わせて読む
「20%未満」はどの業種でも下位に入る線、「業種の下位10%ライン」はその業種の中で低すぎる線です。低めの業種(電気・ガス、陸運、小売、不動産など)では下位25%ラインが30.5%なので、20%台後半なら下位4分の1程度で珍しくありません。一方、高めの業種(医薬品、機械、化学、情報・通信など)では、20%を大きく上回っていても35%を下回るとそのタイプの下位1割に入ります。
低く見える理由を確かめる——金融事業を連結している会社
自己資本比率が極端に低くても、銀行やクレジットカードなどの金融事業を連結しているために低く見える会社があります。小売業のイオンは2026年2月期の自己資本比率が7.9%で、小売業の中央値46.8%を大きく下回ります。決算短信には総合金融事業を除いた値も載っていて、総資産15兆3,696億円が7兆6,058億円に縮み、自己資本比率は14.3%になります(イオン 2026年2月期 決算短信 p.1)。
金融事業を除いても小売業の下位10%ライン(21.4%)には届かないので、借入の多さそのものは別に確かめる必要があります。日本郵政(3.4%)もゆうちょ銀行とかんぽ生命保険を連結しています。
楽天グループ(3.4%)もカード・銀行・証券事業を連結していますが、親会社の所有者に帰属する当期利益は2024年・2025年12月期と2期続けて赤字です(楽天グループ 2025年12月期 決算短信 p.1)。低さは金融事業の連結だけでは説明できません。極端に低い数字を見たら、まずセグメント情報で金融事業を抱えていないかを確かめ、そのうえで利益と借入の動きを見てください。
危険のサイン——水準より「動き」を見る
自己資本比率が同じ30%でも、上がっている会社と下がり続けている会社では意味が違います。決算短信で確かめられる危険のサインは次の4つです。
自己資本比率の低下が続く:3期、4期と下がり続けていれば、赤字か借入の増加のどちらかが起きています。決算短信1ページ目の「連結財政状態」に当期と前期の2期分が並んでいます
赤字の連続:最終赤字はそのまま自己資本を減らします。2期続けて最終赤字の上場企業は232社(前期と比べられる3,430社の6.8%)で、自己資本比率の中央値は49.1%と、それ以外の会社(57.0%)より約8ポイント低い水準でした
有利子負債の増加:利益が出ていても、借入で資産を増やせば自己資本比率は下がります。借入金・社債の残高が、営業キャッシュ・フローで返せる規模に収まっているかを合わせて見ます
継続企業の前提に関する注記:事業を続けられるかに重要な疑義があるときに付く注記です。金融庁のガイドラインは、そのきっかけとなる事象として債務超過、売上高の著しい減少、継続的な営業損失、継続的な営業キャッシュ・フローのマイナス、重要な債務の返済の困難などを挙げています(金融庁「財務諸表等規則ガイドライン」8の27-2)。決算短信では注記事項の「継続企業の前提に関する注記」の欄に載ります
ただし、自社株買いや増配、借入による成長投資で、意図して比率を下げている会社もあります。その場合は利益と営業キャッシュ・フローが伴っているかで見分けます(自己資本比率とROEの関係で解説しています)。
赤字が続いて自己資本を使い切り、純資産がマイナスになった状態が債務超過です。直近の決算短信(四半期を含む)で債務超過の上場企業は12社(グロース7社・スタンダード4社・プライム1社)ありました。JPXの上場維持基準はどの市場でも「純資産の額が正であること」を求めていて、原則として1年以内に解消できなければ上場廃止基準に当たります(JPX「上場維持基準の詳細:純資産の額」)。

自己資本比率がマイナスとは?|債務超過の上場企業は12社、1年で解消できなければ上場廃止
自己資本比率がマイナスなのは純資産がマイナスの債務超過のとき。すぐ倒産はしませんが、上場企業は期末に債務超過だと原則1年で解消しないと上場廃止です。債務超過の12社、改善期間の5社、増資・DES・減資の違い、決算短信での見つけ方まで解説します。
自己資本比率が高すぎるのは問題?
自己資本比率は高いほど倒れにくい一方、高すぎると株主のお金を十分に使えていないと見られます。自己資本比率80%以上の会社(375社)は、ROE(自己資本利益率)の中央値が6.41%で、全体の中央値(8.0%)を下回っていました。ROE 8%以上の会社の割合も37.6%と、10〜80%の各帯(5割前後)より少なくなっています。
また前期末に80%以上だった364社のうち17.9%(65社)が翌期に最終赤字で、30〜80%の会社(9.5%)の約2倍でした。65社のうち42社はグロース市場の会社で、業種では情報・通信業と医薬品(各17社)が目立ちます。比率が高くても、赤字で手元の資金が減り続けていれば安全とはいえません。
ROEの水準の見方はROEの目安で、自己資本比率とROEの関係は次の記事でデータとともに解説しています。

自己資本比率とROEの関係|高いとROEは低い?上場3,492社ではROE中央値が8%前後で横ばい
自己資本比率とROEは「ROE=ROA÷自己資本比率」の関係。上場3,492社では自己資本比率10〜80%の帯でROE中央値が7.9〜9.4%とほぼ横ばい、80%以上は6.4%。ROA・PBRとの関係、実例5社、自社株買いと東証の要請まで。
自己資本比率の目安を銘柄選びに使う3ステップ
業種の線と比べる:上の表で、その会社の業種の中央値・下位25%ライン・下位10%ラインと比べます。業種が分からないときは、全体の下位10%ライン29.3%と危険水域の20%を目安にします
推移と中身を確かめる:3〜5期の推移、赤字の連続、有利子負債の増減を見ます。極端に低い場合は、金融事業を連結していないかをセグメント情報で確かめます
高すぎる場合は資本効率と並べる:80%を超える会社は、ROEや株主還元の方針とあわせて評価します
自己資本比率は決算短信の1ページ目「連結財政状態」に載っています。貸借対照表のどこが自己資本に当たるかは次の記事で解説しています。

自己資本とは?貸借対照表と決算書のどこに載っているか|セコムの短信で自己資本比率58.9%を検算
自己資本は貸借対照表の純資産の部のうち株主資本とその他の包括利益累計額の合計で、自己資本比率は決算短信1ページ目の連結財政状態に載っています。セコムの短信で比率58.9%を検算し、純資産で割ると67.2%になる理由、有報・IFRSでの見方も解説。
まとめ
自己資本比率の目安は「何%以上なら安全」という一本の線ではなく、上場企業の分布と業種の中での位置で判断します。
上場企業(金融業を除く3,500社)の中央値は56.8%、下位25%ライン40.7%、下位10%ライン29.3%(2026年9月29日時点)
通説の30%は上場企業の下位1割の線、50%は中央値のやや下、70%で上位4分の1
日本企業全体(財務省「法人企業統計調査」、2025年度)は41.8%、資本金1千万円未満の会社では22.9%
危険水域の目安は20%未満。前期末に20%未満だった会社は、翌期に4割近くが最終赤字(30〜80%の会社は約1割)
業種タイプ別の下位10%ラインは、高めの業種で35%、標準的な業種で30%、低めの業種で22%。個々の業種の線は33業種の表で確かめる
低下の連続・赤字の連続・有利子負債の増加・継続企業の前提に関する注記が危険のサイン。80%以上ならROEとあわせて見る
ほかの安全性・収益性の指標は株式投資指標の一覧にまとめています。

固定長期適合率の目安|100%以下が基準、日本企業全体は79.5%——業種で超えるのは電力と持株会社だけ
固定長期適合率の目安は100%以下。財務省「法人企業統計」2025年度では全産業79.5%で、100%を超える業種は電気業108.1%と純粋持株会社102.6%だけでした。流動比率との表裏の関係、九州電力106.8%など実例の読み方、決算短信での計算手順まで。








