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キャリートレードとは|金利差で稼ぐ仕組みと、円高・株安を招く巻き戻し

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キャリートレードとは、金利の低い通貨で資金を借り、金利の高い通貨の資産で運用して、その金利差(キャリー)を稼ぐ取引です。日本の円は長く主要国の中でも特に金利が低かったため借りる側の通貨に使われ、円で借りるものは「円キャリートレード」と呼ばれます。

利益の源は金利差ですが、リスクは為替です。2026年10月5日の円とドルの翌日物金利の差は年2.65%で、ドル円が1年のうちに約2.6%下がれば(円高になれば)金利差の利益は消えます。金利差はゆっくり積み上がる一方で円高は一気に来ることがあり、2024年8月には円を一斉に買い戻す「巻き戻し」が起きて、8月5日の日経平均は下げ幅が過去最大の4,451円安(−12.40%)になりました。

日銀は2024年3月から利上げを重ね、政策金利は2026年9月に1.25%程度になりましたが、米国の政策金利(3.75〜4.00%)との差は2.5ポイント以上残っています(2026年10月7日時点)。この記事では、仕組みと計算例、巻き戻しが株価に波及する経路、規模の測り方、個人がFXで行う場合の注意点を、日本銀行・BIS(国際決済銀行)・CFTC(米商品先物取引委員会)の公表データで解説します。

キャリートレードとは——低金利で借りて高金利で運用し、金利差を稼ぐ

キャリートレードは、金利の低い通貨で調達した資金を金利の高い通貨に換えて運用し、金利の利ざやを稼ぐ取引です(大和証券「金融・証券用語解説:キャリートレード」(2026年10月7日閲覧))。BISは、金利差と相場の落ち着き(低い変動率)を利用するために、レバレッジをかけて通貨をまたいで持つ持ち高だと説明しています(BIS Quarterly Review 2024年9月 Box「Sizing up carry trades in BIS statistics」)。

  • 借りる:金利の低い通貨(円など)で資金を調達する

  • 換える:その通貨を売り、金利の高い通貨(ドルなど)を買う

  • 運用する:高金利の通貨の預金・債券などで運用し、金利を受け取る

  • 戻して返す:最後に元の通貨に戻して借入を返す。このときの為替レートで最終的な損益が決まる

出典:日本銀行「主要時系列統計データ表」(無担保コールO/N物レート、東京市場ドル円スポット17時)、FRED「DFF」(実効FF金利)よりKabuGraph作成。2026年10月5日の金利が1年続くと仮定。手数料・税金は含めない

キャリートレードの「キャリー」は、持ち続けるだけで受け取れる金利差のことです。為替が動かなければ金利差がそのまま利益になり、金利の高い通貨が下がる(円キャリーなら円高になる)と、その分だけ利益が削られます。

円キャリートレード——なぜ円が借りられてきたのか

円を借りて外貨で運用するものを円キャリートレードと呼びます(大和証券 用語解説)。BISは、円の金利が他の通貨より低かったことで、近年は円が「選ばれる調達通貨」になったとしています(BIS Quarterly Review 2024年9月 Box)。

日本の短期金利は、日銀が2016年1月にマイナス金利の導入を決めてから(日本銀行「『マイナス金利付き量的・質的金融緩和』の導入」2016年1月29日)、2024年3月に解除するまで(日本銀行「金融政策の枠組みの見直しについて」2024年3月19日)、ゼロ近辺かマイナスでした。一方、米国は2022年3月から2023年7月までに、FF金利の誘導目標を0〜0.25%から5.25〜5.50%へ引き上げ(FRED「DFEDTARU」)、日米の金利差が大きく開きました。

実際は「借りる」より為替予約や先物で行うことが多い

教科書どおりに円を借りて売る方法のほかに、ヘッジファンドなどは為替予約(フォワード)・FXスワップ・オプション・先物といったデリバティブで「将来、円を払う」持ち高を作るのが一般的です(BIS Quarterly Review 2024年9月 Box)。借入が帳簿に載らないため、規模を統計でつかみにくい理由にもなっています。

  • ヘッジファンドなどの投機筋:デリバティブで円売り・高金利通貨買いの持ち高を持つ

  • 海外の金融機関・投資家:在日外銀が本店に回した円や、日本国外の銀行以外の借り手への円建て貸出が、キャリートレードの資金になりうる(BIS Bulletin No 90)

  • 日本の個人のFX:BISは、日本の個人のFX取引がコロナ後おおむね円売りだったと指摘している(BIS Bulletin No 90)

計算例——金利差は年2.65%、ドル円が約2.6%下がると利益が消える

2026年10月5日の金利と為替で、1,000万円の円キャリートレードを計算してみます。前提は次のとおりです。

1,000万円をドルに換えると約6万3,428ドル。1年後に3.88%増えて約6万5,889ドルになり、返済額は1,012万2,700円です。為替が変わらなければ、差し引き約26.5万円(年2.65%)が残ります。

利益がちょうどゼロになるドル円(損益分岐レート)は、次の式で求まります。

つまり、ドル円が1年で約2.6%(約4円)下がれば(円高になれば)、金利差の利益はすべて消えます。借入や証拠金取引でレバレッジをかけていれば、利益も損失もその倍率で膨らみます。

1年後のドル円

1,000万円で

10倍のレバレッジ

160円

+41.9万円

+419.5万円

157.66円

+26.5万円

+265.3万円

153.6円

ほぼ0

ほぼ0

150円

−23.9万円

−239.4万円

145円

−56.9万円

−568.8万円

140円

−89.8万円

−898.3万円

日本銀行(無担保コールO/N物レート、東京市場ドル円スポット17時)とFRED「DFF」(実効FF金利)の2026年10月5日の値からKabuGraph算出。円1.227%・ドル3.88%・ドル円157.66円を起点に、金利が1年間変わらないと仮定。10倍は1億円分の持ち高を1,000万円の資金で持つ場合

金利差はゆっくり、円高は一気に来る

問題は、金利差が少しずつしか積み上がらないのに、円高は短期間に大きく進むことがある点です。2024年7月3日の161.77円から8月5日の143.50円まで、約1か月でドル円は11.3%下がりました(東京市場17時。日本銀行「主要時系列統計データ表:為替相場(日次)」)。当時の金利差で1年かけて吸収できるドル円の下落は約5.0%なので、約1か月で2年分以上の金利差が消えた計算です。

出典:日本銀行「主要時系列統計データ表」(東京市場ドル円スポット17時、無担保コールO/N物レート)、FRED「DFF」(実効FF金利)よりKabuGraph作成・算出。率はいずれもドル円の下落率。1年分の金利差は、各日の翌日物金利が1年続くと仮定した値

巻き戻しとは——円高が円高を呼ぶ連鎖

巻き戻しとは、キャリートレードの持ち高を解消すること、つまり借りていた円を返すために円を買い戻すことです。円キャリーが増えると円安の要因に、解消が進むと円高の要因になります(大和証券 用語解説)。

巻き戻しが怖いのは、連鎖しやすいからです。BISは2024年8月の急変を次のように分析しています(BIS Bulletin No 90「The market turbulence and carry trade unwind of August 2024」)。

  • 変動率が上がると、持ち高を減らさざるを得ない:キャリートレードは相場が落ち着いているときに小さく稼ぐ取引で、変動率が急上昇すると、証拠金の追加請求や証拠金率の引き上げで解消を迫られる

  • 解消の売買が相場をさらに動かす:円の買い戻しと、資金を作るための株などの売りが重なり、円高と株安が進む

  • 関係の薄い資産にも広がる:証拠金を払うために他の資産も売られる。2024年8月は暗号資産も最大20%下落した

出典:BIS Bulletin No 90(2024年8月27日)、日本銀行「主要時系列統計データ表」(東京市場ドル円スポット17時)、日本経済新聞社「日経平均プロフィル」よりKabuGraph作成

過去の主な巻き戻し

  • 1998年10月:ドル円は10月5日の135.76円から9日の117.20円へ、4営業日で13.7%下落(円高。東京市場17時、日本銀行)。BISは、大量のキャリートレードの解消が、1971年に固定相場制を離れて以来最大の円の対ドル日次上昇の一因になった可能性があると分析した(BIS Quarterly Review 1999年3月)

  • 2007〜2008年:ドル円は2007年6月22日の124.07円から2008年12月18日の87.92円まで下落(同)。Hattori & Shin(2009)は、信用危機の初期に起きたドル安・円高と米国の信用収縮を、米国の金融部門のレバレッジ解消の表裏と分析した(IMF Staff Papers 56(2))

  • 2024年8月:日銀の利上げと米国の雇用統計の後に巻き戻しが起き、日経平均が1日で12.40%下落(次のセクション)

2024年8月の巻き戻し——日経平均が1日で4,451円下げた

2024年7月3日、ドル円は161.77円(東京市場17時)とこの年の最高値をつけました。CFTCの統計では、投機筋(非商業部門)の円先物の売り越しが7月2日に約18.4万枚(約2.3兆円)まで膨らみ、1986年以降で2007年6月に次ぐ規模でした(KabuGraph算出。CFTCの統計は次のセクション)。

BISは、引き金を「タカ派的と受け止められた日銀の利上げ」「FRBの利下げへの慎重な姿勢」「8月2日のやや弱い米雇用統計」の組み合わせとし、それをレバレッジ取引の解消が増幅したと分析しています。日本では銀行株と保険株が特に大きく下げ、日本証券クリアリング機構は株価指数の買い建ての当初証拠金を60〜80%引き上げました(BIS Bulletin No 90)。

一方で回復も速く、BISによると8月9日までにTOPIXは下げの大半を取り戻しました。巻き戻しの局面では、下げも戻りも1日10%を超えることがあると分かります。

円キャリートレードの規模は?——BISの推計は約40兆円、ただし測りにくい

円キャリートレードの規模を直接示す統計はありません。BISは2024年8月の急変前の規模を、いくつかの推計のおおよその中間の目安として約40兆円(2,500億ドル)とし、データの抜けがあるため、むしろ少なめに出ている可能性があるとしています(BIS Bulletin No 90)。

推計の材料になった統計は次のとおりで、互いに重なるので足し合わせることはできません。

何を数えたか

規模(2024年)

投機筋の円先物の売り越し(CFTC、ピーク)

約2兆円

ヘッジファンドの為替予約(上限の概算)

約1,600億ドル

在日外銀が本店に回した円(本支店勘定)

約14兆円

日本国外の非銀行向けの円建て貸出(2024年3月)

約40兆円

オフショアの非銀行向けの円建て与信

80兆円超

出典:BIS Bulletin No 90(2024年8月27日)よりKabuGraph作成。用途がキャリートレードとは限らない資金を含み、互いに重なるため合計しない

どの統計も「借りた円を何に使ったか」までは示さないので、数字はキャリートレードの目安にとどまります(BIS Quarterly Review 2024年9月 Box)。BISは、2024年8月の急変で解消されたのは一部にすぎず、持ち高を積み直す動きもすでに見られたとしています(BIS Bulletin No 90)。

毎週見られる目安——CFTCの投機筋ポジション

個人でも追えるのが、CFTCが毎週公表する建玉の統計(COTレポート)です。原則として火曜時点の持ち高を、その週の金曜(米国東部時間15時30分)に公表します(CFTC「Commitments of Traders」)。シカゴ・マーカンタイル取引所の円先物で、非商業部門(投機筋)の買い建てから売り建てを引いた値がマイナスなら円の売り越しです。

火曜の値が金曜に出るため、2024年8月5日の急変後の数字(8月6日時点)が出たのは8月9日(金)でした。巻き戻しの最中の動きを追うには遅れるので、売り越しがどこまで積み上がっているか(水準)を見る使い方が向いています。

投機筋の円先物の持ち高(非商業部門の買い−売り、週次)

出典:CFTC「Commitments of Traders」(Legacy、Futures Only、JAPANESE YEN – CHICAGO MERCANTILE EXCHANGE)よりKabuGraph算出。1枚=1,250万円で円換算。2022年1月4日〜2026年9月29日

2024年7月に約2.3兆円まで膨らんだ売り越しは8月に解消し、買い越しに転じました。2026年も7月28日時点で約2.0兆円の売り越しまで積み上がりましたが、7月31日(米国東部時間)の日米協調の円買い介入(片山財務大臣談話)の後、8月4日時点で約0.57兆円まで縮み、2026年9月29日時点は約0.69兆円の買い越しです(KabuGraph算出)。

7月30日〜8月26日の集計期間の介入額は計15兆3,993億円で、日ごとの内訳は11月に公表される予定です(財務省「外国為替平衡操作の実施状況(令和8年7月30日〜8月26日)」、同「公表予定」)。

日銀の利上げで円キャリートレードは終わる?——金利差は縮んでも残っている

キャリートレードの前提は金利差なので、日銀の利上げは円キャリーのうま味を小さくします。日銀は2024年3月にマイナス金利を解除してから利上げを重ね、2026年9月18日に政策金利(無担保コールO/N物レートの誘導目標)を1.25%程度に引き上げました。

一方、FRBは2026年9月16日のFOMCで、FF金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げて3.75〜4.00%にしました(FRB「Federal Reserve issues FOMC statement」2026年9月16日)。日米の政策金利の差は、2024年7月の利上げ前(日本0〜0.1%程度、米国5.25〜5.50%)の5ポイント超から縮んだものの、2026年10月7日時点で2.5〜2.75ポイント残っています。

ドル円と日米2年債利回り差(月末)

出典:日本銀行「主要時系列統計データ表」(東京市場ドル円スポット17時)、FRED「DGS2」(米国債2年)、財務省「国債金利情報」(2年)よりKabuGraph作成。各月の最後の公表日の値。利回り差=米国債2年−日本国債2年。2019年1月〜2026年9月

2022〜2023年は日米の2年債利回り差が4〜5ポイントに広がり、ドル円も150円前後まで上がりました。2024年8月以降は差が縮み、2026年2月末には2.13ポイントになりましたが、その後は再び広がり、2026年9月末には2.93ポイントと2025年7月末以来の大きさに戻っています(財務省「国債金利情報」、FRED「DGS2」)。

ドル円は2025年4月に140円台前半まで下がったものの、2026年は150円台〜160円台で推移し、7月28日には163.79円(東京市場17時)をつけています(日本銀行「主要時系列統計データ表:為替相場(日次)」)。2024年8月末から2026年2月末にかけて利回り差は3.55から2.13ポイントに縮みましたが、ドル円は144.94円から156.09円に上がりました。金利差が縮んでも、それだけで円高に戻るとは限りません(グラフから読めるKabuGraphの見方)。

2026年は円安が進むなかで、財務省が4〜5月に円買い介入を、7〜8月にも為替介入を行いました(財務省「外国為替平衡操作の実施状況」)。7月31日(米国東部時間)には米国財務省と協調して円買い介入を実施しています(片山財務大臣談話(2026年8月3日))。その後、8月27日〜9月28日の集計期間の介入額は0円でした(財務省「外国為替平衡操作の実施状況(令和8年8月27日〜9月28日)」)。日銀は9月の公表文で、為替相場の変動を経済・物価のリスク要因の1つに挙げています(日本銀行「金融市場調節方針の変更について」2026年9月18日)。

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個人がFXでキャリートレードをするなら——スワップポイントとレバレッジ25倍

個人が身近に行えるのは、FX(外国為替証拠金取引)で高金利通貨を買い、低金利通貨を売る持ち高を持ち続ける方法です。2通貨の金利差を調整するお金をスワップポイントと呼び、金利の低い通貨を売って高い通貨を買うと受け取り、逆なら支払います。スワップポイントは日々変動します(松井証券「FXの仕組み」(2026年10月7日閲覧))。

  • レバレッジの上限は25倍(2026年10月時点):個人のFXは、取引額の4%以上の証拠金がないと取引できない(金融商品取引業等に関する内閣府令 第117条(e-Gov法令検索))。2010年8月の施行から1年間は経過措置で2%(50倍)、2011年8月から4%(25倍)(金融庁 2009年7月31日公表)

  • 25倍なら、ドル円が約4%下がる(円高)だけで証拠金がほぼなくなる計算:2026年10月5日の金利差(年2.65%)で1年かけて稼ぐ額より大きな値動きが、1か月で起きることがある

  • スワップポイントは減ることもある:日銀の利上げや米国の利下げで金利差が縮めば、受け取る額も減る。FX会社ごとにも違う

  • スワップの大きい高金利通貨も巻き戻しで大きく下げる:2024年8月の急変では、高金利の投資先通貨のうちメキシコペソが最も大きく下げ、ブラジルレアル、南アフリカランドが続いた(BIS Bulletin No 90)

  • 強制決済(ロスカット)でも証拠金を超える損失が出ることがある:証拠金の維持率が会社の定める水準を下回ると持ち高は強制決済されるが、相場の急変時は判定時と違う価格で決済され、証拠金を上回る損失が生じることがある(例:松井証券「FX 取引ルール」(2026年10月7日閲覧))

  • 税金:国内の登録業者とのFXの差金決済の利益は「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15%・地方税5%(ほかに復興特別所得税)の申告分離課税(国税庁 タックスアンサーNo.1521(令和8年4月1日現在法令等))。スワップポイントをいつ・どう計上するかはFX会社の説明で確かめる

BISは、2024年8月の急変では日本の個人のFXの持ち高の解消も影響した可能性が高いとしています。BISはこの分析で、日本の個人のFX取引の推移を「ミセス・ワタナベ」という呼び名で示しています(BIS Bulletin No 90)。

株式投資家が見ておきたいこと——為替と連鎖の2つの経路

円キャリートレードは、日本株に2つの経路で効きます。

  • 為替を通じて:円キャリーが増える局面は円安になりやすく、輸出企業の円換算の売上・利益を押し上げる。巻き戻しで円高になると逆に働く(金利と為替・業種別の株価の関係は利上げの記事で解説)

  • リスク回避の連鎖を通じて:巻き戻しは株の売りを伴うことがあり、2024年8月5日は日経平均が1日で12.40%下げた。BISは日本の銀行・保険株が特に大きく下げたとしている

巻き戻しの前触れをつかむには、次のデータを見ておくと役立ちます。

  • 日米の金利差:日銀・FRBの会合の結果と、2年債利回りの差(財務省「国債金利情報」、FRED「DGS2」)

  • CFTCの投機筋ポジション:円の売り越しが大きいほど、巻き戻しのときに買い戻される円も多い

  • 為替介入の実績:財務省が毎月末ごろに直近約1か月の総額を、四半期ごとに日次の内訳を公表する(財務省「外国為替平衡操作の実施状況」)

  • 株の変動率:変動率が急に上がると、レバレッジ取引の解消が起きやすい(BIS)

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よくある質問

円キャリートレードが増えると、なぜ円安になる?

円を借りて売り、外貨を買う取引だからです。持ち高が増えるほど円売りが増え、解消(巻き戻し)が進むと円の買い戻しで円高の要因になります(大和証券 用語解説)。

有事に円が買われるのは、キャリートレードの巻き戻しのせい?

一因になりえます。円売りの持ち高が一斉に解消されると円の買い戻しが集中するためで、2024年8月5日は、キャリートレードでよく借りられる円とスイスフランが対ドルで大きく上がりました(BIS Bulletin No 90)。ただし有事の円買いには別の説明もあり、全体像は「有事の円買い」の記事で整理しています。

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外貨預金や外国株への投資もキャリートレード?

借入をしていなければ、狭い意味のキャリートレードではありません。ただ、手元の資産を外貨に換えて運用することも広い意味でキャリートレードと呼ぶことがあり(大和証券 用語解説)、円高で損をする点は同じです。

円キャリートレードは今も続いている?

規模を直接示す統計はありませんが、日米の政策金利の差は2.5ポイント以上残っています(2026年10月7日時点)。日米の2年債利回り差も、2026年2月末の2.13ポイントから9月末には2.93ポイントへ広がっています。一方、CFTCの投機筋の円先物は2026年9月29日時点で約0.69兆円の買い越しで、先物で見る限り、円売りの持ち高は2026年7月より小さくなっています(KabuGraph算出)。

巻き戻しはいつ起きる?

事前に当てるのは困難です。2024年8月は、日銀の利上げと米国の雇用統計の後、株の変動率(VIX)が急に上がったところで一気に進みました。BISは、為替の変動率の上がり方は株ほどではなかったとしています(BIS Bulletin No 90)。その前の7月11日・12日には、財務省の円買い介入もありました(財務省「外国為替平衡操作の実施状況」)。日銀・FRBの会合や米国の重要な経済指標の前後は、値動きが大きくなりやすい時期として備えておきます。

コラム著者・編集者

K

KabuGraph編集部

KabuGraph編集部は、投資情報の発信と株式分析ツールの開発に携わるチームです。日本株・米国株の事業分析から、投資に役立つ情報をわかりやすくお届けします。

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