価格優先・時間優先の原則とは|約定の順番と例外、訂正したときの扱い

価格優先の原則は「買いは値段の高い注文、売りは値段の安い注文から先に約定させる」、時間優先の原則は「同じ値段なら、東京証券取引所(東証)が先に受け付けた注文から約定させる」という、東証の売買の順番の決まりです。値段を指定しない成行注文は、どの指値注文よりも先に約定します。
この記事では、2つの原則が働く順番を板の例で追い、原則どおりに並ばない場面、注文を訂正・取消したときの順番、指値の出し方への生かし方、PTSやSORでの扱いを、東証の規則と資料で整理します。
この記事の内容(目次)
価格優先・時間優先の原則とは——成行、値段、受付時刻の順
東証の売買は、売りの注文どうし・買いの注文どうしを競わせる「競争売買」で行われます。その順番を決めるのが2つの原則で、東証は業務規程第10条で次の順に優先順位を定めています(東京証券取引所 業務規程 第10条(英訳参考版「Business Regulations」Rule 10、2025年5月7日現在)、同 日本語原文(規則集のInternet Archive保存版、2025年1月23日取得)、日本取引所グループ「売買成立の方法」(2026年10月28日閲覧))。
成行注文が最優先:値段を指定しない成行注文は、値段を指定した指値注文より先に約定する。成行どうしは値段の上では同じ順位
価格優先の原則:売りは値段の安い注文、買いは値段の高い注文が先。「安くても売りたい」「高くても買いたい」注文から約定させる
時間優先の原則:同じ値段の注文は、先に受け付けた注文が先。同時に出された注文や先後が分からない注文の順番は、東証が定める
JPXは、成行注文が指値注文に優先することを価格優先の原則の中で説明しています。成行は「いくらでもよい」注文なので、値段の面で最も有利な注文として扱われる、という整理です。
「時間」は、東証に注文が届いた時刻
時間優先の「時間」は、証券会社のアプリでボタンを押した時刻ではなく、東証が注文を受け付けた時刻です。東証は、受け付けた注文を証券会社名・銘柄・株数・値段・注文受付時刻(何時に東証に届いた注文か)などで整理して売買システムに登録し、同じ値段なら「東証で受け付けた時間が早い注文」を優先します(東京証券取引所『東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]』(2024年9月)Q.2・Q.14)。
個人の注文は、証券会社のシステムを通ってから東証のシステムに届きます(同Q.2)。東証は届いた時刻で並べるので、同じ瞬間にボタンを押しても、証券会社のシステムを通る時間しだいで東証での順番は前後しえます(KabuGraphの見方)。また、2つの原則は一般の投資家の注文にも証券会社自身の注文にも同じように適用されます(同Q.14)。
板の例で追う——誰の注文から約定するか
値段の刻み(呼値の単位)が1円の銘柄で、ザラバの最中に次のような買い注文が並んでいたとします。2026年10月時点では、TOPIX500構成銘柄以外の3,000円以下の銘柄が1円刻みです(日本取引所グループ「呼値の単位」(2026年10月28日閲覧))。株数と時刻は説明用の例です。
価格優先:成行の売りは、買いのうち最も高い2,500円の列から約定する。2,499円のDは9:58と誰よりも早く出しているが、値段で負けているので後回し
時間優先:2,500円の列の中は、東証に届いた順にA(200株)→B(300株)→あなた(100株)→C(400株)
結果:700株は、A・B・あなたの計600株と、Cの100株で約定する。値段はすべて2,500円で、Cの残り300株は2,500円の列の先頭に残る
成行の買いが売り板を安い順に食っていくときの、平均の約定値段の計算は次の記事の図で扱っています。

ザラ場(ザラバ)とは|前場9:00〜11:30・後場12:30〜15:25の約定ルールと板の見方、ザラ場高値と終値ベースの違い
ザラ場(ザラバ)は寄付と引けの間に、注文が入るたびに約定させる時間帯と売買方式。東証では前場9:00〜11:30・後場12:30〜15:25で、価格優先・時間優先で約定する。板の見方、ザラ場高値と終値ベースの違い、PTS、売買停止も解説。
自分の値段で約定が出たのに、約定しないのはなぜ?
同じ値段に、あなたより先に東証に届いた注文が残っていたからです。上の例で成行の売りが500株だけなら、2,500円で500株の約定が出ますが、約定するのはAとBで、あなたの100株は残ります。「2,500円で取引が成立した」のに自分の2,500円の買いは約定していない、という状態です(SBI証券「注文した値段が付いているのに自分の注文が約定しないのはなぜか教えてください」(2026年10月28日閲覧))。
寄付や大引けの板寄せでは、別の理由もあります。始値ちょうどの値段の指値は一部しか約定しないことがあり、そのときは注文の順番ではなく、証券会社ごとに株を配るからです(次のセクション)。
原則どおりに並ばない場面——同時注文・大引け・特別約定
時間優先の原則には例外があります。2026年10月時点の東証のルールでは、次の注文をすべて同時に出したもの(同時注文)とみなし、時間優先を使いません(業務規程第10条第3項・第4項。英訳参考版 Rule 10、東京証券取引所「現物市場の機能強化に向けた売買制度の見直しに伴う業務規程等の一部改正新旧対照表」(2023年9月20日公表、2024年11月5日施行)、『東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]』Q.15)。
前場・後場の始値が決まるまでに受け付けた注文:後場の始値のときは、前場に受け付けた注文も含む
売買停止から再開するとき、最初の値段が決まるまでに受け付けた注文
大引けにストップ配分を行うときの、ストップ値段の注文
大引けで執行する条件を付けた注文・不成注文と、15:25〜15:30のプレ・クロージング中に受け付けた注文
同時注文のうち、始値ちょうどの値段の注文が一部しか約定しないときは、値段ごとに証券会社単位で注文を合計し、数量の多い証券会社から1単位ずつ配ります(数量が同じなら、最初の注文が早かった証券会社から)。証券会社に配られた株を、どの顧客の注文に回すかは各社のルールです(同Q.15〜Q.17、東京証券取引所 業務規程施行規則(英訳参考版「Enforcement Rules for Business Regulations」Rule 6、2024年11月5日現在))。配分の計算例とストップ配分は、次の記事で図解しています。

板寄せとは|始値・終値が決まる仕組みと計算例
板寄せは、寄付や引けにそれまでの注文を突き合わせ、1つの値段でまとめて約定させる東証の方式です。成行は全部、有利な指値も全部、その値段で売りか買いの一方は全部約定、の3条件を板の計算例で追い、寄らない時の特別気配とストップ配分も図解します。
大引けは「同時注文→時間優先→同時注文」の3段階
2026年10月時点のルールでは、15:30の大引け(クロージング・オークション)で、同じ値段の注文が次の順で約定します(日本取引所グループ「売買成立の方法」)。
後場の始値が決まるまでに受け付けた注文(同時注文)
後場の始値が決まった後、ザラバ中に受け付けた注文(時間優先)
引け条件付注文・不成注文と、プレ・クロージング中に受け付けた注文(1とは別の同時注文)
引けで買うつもりで15:25以降に指値を出しても、同じ値段にザラバ中から並んでいる指値より後回しです。成行(引成を含む)は値段が付けば全部約定するので、この順番の影響を受けるのは終値ちょうどの指値です(ストップ配分・特別約定のときを除く)。なお11:30の前引けの板寄せは、前場に寄り付いていれば時間優先で並びます。業務規程第10条第3項が引けで同時とみなすのは、午後立会の終了時の注文だけです。大引けの5分間に何が起きるかは大引けの記事で説明しています。
特別約定は、値段に関わらず発注時刻の順
大引けで通常の板寄せもストップ配分も成立しないとき、東証は、大引けで売買を成立させてよい値幅の上限(下限)の値段で、その値段とそれより有利な値段の買い・売りの合計がそれぞれ1単位以上あれば、その値段で売買を成立させます(特別約定)。このときの注文の順番は、「値段や執行条件に関わらず、発注された時刻」で決まります(日本取引所グループ「売買成立の方法」)。上限(下限)より有利な値段の注文どうしでも早く出した方が先になる、価格優先の例外です。
注文を訂正・取消したら、順番はどうなる?
時間優先の順番は、東証が注文を受け付けた時刻で決まります。そのため、注文を出し直すと、それまでの順番は失われます。
取り消して出し直す:新しい注文として東証が受け付けるので、同じ値段の列の最後尾に並ぶ
前に並んでいた注文が取り消される:その分だけ繰り上がる。ただし板に出ている数量が減っても、自分より前の注文が消えたのか後ろの注文が消えたのかは、板からは分からない
値段を変える訂正:新しい値段の列には、すでに並んでいる注文がある。大阪取引所は先物・オプションについて「注文の価格を訂正した場合、訂正前の注文が持っていた時間優先順位は失われ、取消して再度発注した場合と同様の時間優先順位となります」と説明している(日本取引所グループ「よくあるご質問(先物・オプション)」Q7(2026年10月28日閲覧))。東証の株式については「売買成立の方法」『東証公式株式サポーター』に訂正後の順番の記載はないが、値段を変えたら新しい値段の列の後ろにつくと考えておくのが安全(KabuGraphの見方)
株数を減らす訂正:順番はそのまま。東証のワーキング・ペーパーは、東証の注文記録(板再現データ)を分析する際に、注文数量の削減を「時間優先が維持される変更」として扱っている(東京証券取引所グループ『東証ワーキング・ペーパー』Vol.01「東証市場における空売りの実態及び空売り規制の影響」(2012年9月28日)p.10)。東証の売買システムで株数を変える訂正は減らす方向だけで、増やすことはできない(JPXサービスデスク FAQ No.7283(2025年1月14日公開))。増やしたい分は別の注文として出すので、その分は最後尾に並ぶ。大阪取引所の先物・オプションも、減らすと順番は変わらず、増やすと順番を失う(同Q7)。ただし、株数の訂正を受け付けない証券会社もある。たとえばSBI証券の国内株式の訂正は値段だけで、株数を変えたいときは取り消して出し直すので、最後尾に並び直す(SBI証券「注文取消/訂正(国内株式)」(2026年10月28日閲覧))
「今週中」「期間指定」の注文は、毎日並び直し
東証に出された注文は、その日の立会が終わると効力を失います(東京証券取引所 呼値に関する規則 第3条(英訳参考版「Rules concerning Bids and Offers」Rule 3、2023年6月26日現在))。何日も有効な注文は、証券会社が当日の注文を期日まで毎日出し直すサービスです。たとえば大和証券は「当日注文を繰り返し発注するため、注文期間中はすべて当日注文として取扱います」としています(大和証券「期間指定注文」(2026年10月28日閲覧))。
前日から同じ値段に出していても、東証での順番は翌日に持ち越されません。翌朝の寄付前に出し直された注文は、寄付では同時注文として扱われます。なお大阪取引所の先物・オプションでは逆に、前の取引日に出した期限付きの注文が、その日に出した注文より優先されます(日本取引所グループ「よくあるご質問(先物・オプション)」Q11)。
逆指値は「発動して東証に届いた時刻」から順番が付く
逆指値注文は、株価が条件に届いたときに証券会社が東証へ注文を出す仕組みです。SBI証券は、逆指値は株価が条件に到達した段階で取引所に執行され、取引所で受け付けた際に価格優先・時間優先が適用されると説明しています(SBI証券「注文した値段が付いているのに自分の注文が約定しないのはなぜか教えてください」)。何日も前から逆指値を設定していても、発動するまでは東証の板に並んでいません。指値・成行・逆指値・執行条件付きの注文の使い分けは、次の記事でまとめています。

逆指値・寄成・寄指・引指・不成注文とは|9つの注文方法と東証の取引時間を図解
株式投資の注文方法を網羅的に解説。指値・成行の基本から、東証の執行条件(寄成・寄指・引成・引指・不成・IOC)、証券会社のサービスである逆指値まで、東証の取引時間とあわせて使い分けを整理します。
指値の出し方への生かし方——並ぶか、1ティック上げるか
板の数量から、自分の前に何株あるかを読む
証券会社の板に出ている数量は、その値段に並んだ注文の合計です。指値を出した瞬間にその値段に表示されていた数量が、おおよそあなたの前に並んでいる株数です。その後に増えた数量はあなたの後ろに並んだ注文です。板の例なら、あなたの前は500株で、2,500円で500株を超える売りが来ない限り約定しません。なお、板の表示のしかたは証券会社や情報端末によって違います(『東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]』Q.33)。
1ティック上げると、いくら高く買うか
列に並ぶ代わりに、売り気配の値段まで指値を上げれば、並んでいる売り注文とその場で約定します。板の例(買い気配2,500円)で、売り気配が2,501円だったとすると、100株を買う場合は次のとおりです。
2,500円で並ぶ:前の500株が約定するまで待つ。売りが来ないまま株価が上がれば、約定せずに終わるか、後でもっと高く買うことになる
2,501円に上げる:売り気配に100株以上あれば、その場で約定する。払う代金は1円×100株=100円多く、約定代金25万円の約0.04%
1ティックの重さは、株価と呼値の単位で変わります。同じ1円刻みでも、株価300円の銘柄なら1ティックは約0.33%です。値段の刻みが株価に対して大きい銘柄ほど、1ティック上げるコストが重くなります。東証の売買制度ワーキング・グループ報告も、市場関係者が指摘した課題として、流動性が高いのに呼値の単位が大きいと「最低スプレッドの制約を受けるため、価格改善の機会を逸失」することを挙げ、刻みが粗すぎて板が詰まっている銘柄があるという意見も載せています(東京証券取引所「売買制度ワーキング・グループ報告(本編)」(2026年4月22日)p.14・p.17)。
一部だけ約定したら、残りは列の同じ位置に残る
注文の一部だけが約定することを部分約定(内出来)といいます。東証は時間優先の例として、同じ100円の買いで、先に出たA証券会社の10万株が全部執行された後にB証券会社の1万株が執行されると説明しており(日本取引所グループ「売買成立の方法」)、先頭で一部だけ約定した注文は、残りも先頭のままです。板の例のCも、残り300株が2,500円の列の先頭になります。何日かに分けて約定したときの手数料のかかり方は、証券会社と料金プランによります。
寄付前に早く出しても、東証では順番が付かない
8:00に出しても8:59に出しても、寄付では同時注文です。寄付で確実に約定させたいなら、始値より有利な値段の指値か成行にするしかありません。ただし成行は、どの指値よりも先に約定する代わりに値段は保証されず、注文が片側に偏ると特別気配が続いて値が付かないこともあります(計算は板寄せの記事)。
始値が決まるまでは、9時を過ぎても同時注文です。好材料でストップ高気配のまま寄らない銘柄では、9:05に出した買いも10:30に出した買いも順番は同じです。寄ったときに始値の買いが一部しか約定しなければ証券会社ごとに配られ、寄らずに大引けを迎えればストップ配分になります(業務規程第10条第3項第1号・第4項。英訳参考版 Rule 10)。
PTS・SORでは——市場ごとに別の列
価格優先・時間優先は東証だけの決まりではありません。PTS(私設取引システム)のジャパンネクストPTSも、売りは価格の低い注文、買いは価格の高い注文を優先し、同じ価格の注文は同社が受け付けた時間の先後で順番を決めます(ジャパンネクスト証券「上場株式等私設取引システム取引説明書」(2024年11月5日改定)p.11)。
ただし列は市場ごとに別です。東証の2,500円の列とPTSの2,500円の列は別々に並んでいて、市場をまたいで「どちらに先に出したか」で順番が決まることはありません。ジャパンネクストPTSには、東証と違う点もあります(同説明書 p.9〜11・別表3、ジャパンネクスト証券「PTS」(2026年10月28日閲覧))。
板寄せがない:取引の開始から終了まで、注文が入るたびに付け合わせる。寄付の同時注文がないので、取引開始直後に出した注文から順番が付く
指値だけ:成行注文は受け付けない
値段の刻みが細かい:TOPIX100・TOPIX Mid400以外の3,000円以下の銘柄は0.1円刻み(東証は1円刻み)。2,500.1円の買いは、東証の2,500円の買いより値段で有利になる
日中と夜間で注文を引き継がない:デイタイム・セッションの注文は、ナイトタイム・セッションには残らない
SORは値段で市場を選び、PTSには注文を残さない
SOR(スマート・オーダー・ルーティング)は、証券会社が東証とPTSなどの気配を比べ、値段の有利な市場に注文を回す仕組みです。2026年10月時点の主な例は次のとおりです。
SBI証券:PTS等の最良気配が東証と同値か有利ならPTS等へ回す。同値のときはダークプール、ジャパンネクストのX-Market、大阪デジタルエクスチェンジのPTS、ジャパンネクストのJ-Marketの順で、東証は最後。各市場へはIOC(すぐ約定できる分だけ執行し、残りは取り消す注文)で出し、一部の数量だけPTS等が有利なときは、残りを東証に回す(SBI証券「最良執行方針」(2026年6月27日改定))
楽天証券:東証の最良気配より有利か同値のPTSに発注する。PTSへはIOCで出し、「PTSに注文をわずかの時間でも残すような注文方法は利用しておりません」としている。寄付前・昼休み・取引終了後や、東証が特別気配のときは判定しない(楽天証券「SOR注文」(2026年10月28日閲覧))
SORを使っても、すぐに約定しなかった指値が並ぶのは東証の列です。その瞬間にPTSで約定できる分だけをPTSで約定させ、残りは東証に回すので、1つの注文が複数の市場に分かれて約定することもあります(SBI証券の方針)。PTSの取引時間や夜間取引の注意点は、次の記事で扱っています。

株のPTSとは|夜間取引のデメリットと、権利付最終日の注意点
PTSは証券会社が運営する取引所外の株の売買の場で、夜も売買できる。デメリットは夜間の板の薄さ(2026年9月のジャパンネクストPTSの夜間は1日約208億円、取引所の約0.2%)、指値だけで夜間は信用取引ができないこと、権利付最終日の夜は権利が付かないこと。
価格優先・時間優先のよくある質問
成行注文どうしは、どちらが先に約定する?
東証が先に受け付けた方です。業務規程第10条は、成行注文を値段を指定した注文より優先させ、成行どうしは値段の上では同じ順位としています(東京証券取引所 業務規程 第10条(英訳参考版))。そのため成行どうしは時間優先で並びます。ただし寄付前に出した成行は、すべて同時注文です。
成行は「時間優先だけが働く」注文?
いいえ。JPXは、成行注文が指値注文に優先することを価格優先の原則の中で説明しています(日本取引所グループ「売買成立の方法」)。成行は値段の面で最も有利な注文として扱われ、そのうえで成行どうしは時間優先で並びます。成行が指値に優先する点を「成行優先の原則」と呼ぶこともあります(例:三菱UFJ eスマート証券「株式の約定の仕組み」(2026年10月28日閲覧))。
数量の多い注文が優先される?
ザラバでは数量は関係ありません。同じ値段なら、100株の注文でも10万株の注文でも、東証に先に届いた方が先です。数量が効くのは寄付やストップ配分などの同時注文を配るときだけで、それも注文ごとではなく証券会社ごとの合計で、多い会社から1単位ずつです(『東証公式株式サポーター 株式取引編[第8版]』Q.15)。
証券会社自身の売買の注文が優先される?
いいえ。東証は、価格優先・時間優先の原則は一般の投資家の注文にも証券会社自身の注文にも平等に適用され、優先順位の高い注文から売買を成立させるとしています(同Q.14)。
板寄せでも価格優先の原則は働く?
働きます。板寄せで1つの値段を決めるときも、約定値段より高い買いと安い売りはすべて約定させ、業務規程第10条第2項の順位に従って売買を成立させます(業務規程第12条第3項。英訳参考版)。同時注文で使われなくなるのは、同じ値段の中の時間優先だけです。
「競争売買」「同時呼値」とは?
どちらも東証の規則や資料で使う言葉です(日本取引所グループ「売買成立の方法」)。
競争売買:売りの注文どうし・買いの注文どうしを価格優先・時間優先で競わせ、最も優先する売りと買いの値段が合ったときに、その値段で約定させる方法。東証の立会での売買はこの方法で行う
同時呼値:同時に出したものとみなす注文。この記事の「同時注文」のこと。寄付・売買停止からの再開・大引けの一部が当たる








