信用取引で長期保有はできる?|何年持てるか、金利はいくらか、現引きの判断

信用取引の建玉は、制度信用なら最長6か月で延長できず、一般信用の「無期限」を選べば期限を気にせず持てます。ただし金利は持った日数だけ積み上がり、年2.80%なら100万円の買建で1年約3万円、5年で約15万円かかります(SBI証券・楽天証券の料率、2026年10月28日時点)。
この記事では、期日が来たときに何が起きるか、株価が年何%上がれば元が取れるか、配当・優待・追証の違い、長く持ちたいときの現引き・建て直しの選び方を順に示します。
この記事の内容(目次)
信用取引は何年持てる?——制度信用は6か月で延長できず、一般信用は証券会社が決める
制度信用の返済期限は最長6か月です。一般信用の返済期限は、顧客と証券会社の間で決めます(日本取引所グループ「信用取引制度の概要」・同 資料「信用取引制度の概要」(2026年9月更新)p.9、2026年10月28日閲覧)。
制度信用:6か月目の応当日の前営業日が最終日
期限は、建てた日(約定日)から6か月目の同じ日付(応当日)で決まります。SBI証券は「6ヵ月目の応当日の前営業日」を返済期限とし、楽天証券は応当日を期日、その前営業日を最終返済日と呼んで、期日を超えて建玉を持つことはできないとしています(SBI証券 HELP「返済期限」・楽天証券「信用取引の基本ルール」、2026年10月28日閲覧)。
2026年10月28日(水)に建てた場合:応当日は2027年4月28日(水)で、返済か現引きができる最終日は4月27日(火)
応当日が休日の場合:楽天証券は直近の前営業日が期日になり、最終返済日もその前の営業日に繰り上がります
途中で延ばす手続きはない:続けて持つには、いったん返済して建て直すか、現引きして現物にします(後半の節)
一般信用:「無期限」が多いが、10年の会社もある
一般信用の期限は証券会社ごとに違います。2026年10月28日に各社の公式ページで確かめた範囲では次のとおりです。
SBI証券:銘柄ごとに短期・長期(原則として無期限)・日計りのいずれか(SBI証券 HELP「返済期限」)
楽天証券:無期限・短期(14日)・いちにち信用(楽天証券「信用取引の基本ルール」)
松井証券:無期限信用取引は原則として期限なし(松井証券「制度・無期限信用 取引ルール」)
三菱UFJ eスマート証券:一般信用(長期)は建日の10年目応当日の前営業日が期限(三菱UFJ eスマート証券「一般信用取引(長期)」)
建てた後に、制度信用を一般信用へ(またはその逆へ)切り替えることはできません(日本取引所グループ 資料「信用取引制度の概要」p.9・SBI証券「買い方金利・売り方金利・貸株料率・HYPER料」の注記)。半年を超えて持つかもしれないなら、建てる時点で一般信用(無期限)を選んでおきます。仕組みの違いは制度信用取引とはで解説しています。

一般信用取引とは|逆日歩なし・無期限保有のメリットと制度信用との使い分け
一般信用取引の仕組み・メリット(逆日歩なし・返済期限なし)・デメリット(売建在庫の制約・短期の貸株料が高い)を解説。制度信用取引との違いを比較表で整理し、優待クロスやコスト面での使い分けがわかります。
期日が来たらどうなる?——残った建玉は強制決済、無期限でも期日が付く場面
最終返済日までに返済も現引きもしなかった建玉は、証券会社が市場で反対売買します。値段は選べず、含み損があればその場で損が確定します。各社の扱いは次のとおりです(2026年10月28日閲覧)。
SBI証券:返済期限の翌営業日の寄付で反対売買し、成立しなければ翌々営業日以降に持ち越す(SBI証券 HELP「返済期限」)
楽天証券:信用期日の当日に反対売買し、手数料は選んでいる手数料コースのとおり(楽天証券「信用取引の基本ルール」)
松井証券:任意で決済し、手数料はその返済の約定代金×1.1%(税込)。返済の約定代金が100万円なら1万1,000円(松井証券「制度・無期限信用 取引ルール」)
期日が近い建玉が多い銘柄で、期日の直前に下げが集中するとは限らないことを、信用買い残が多いとどうなる?で集計しています。自分の建玉については、株価の動きと関係なく期日の前に決めておく必要があります。

信用買い残が多いとどうなる?|上値が重くなる仕組みと、買い残が減る意味
信用買い残が多いと返済売りが控えて上値が重く、下げに転じると投げや追証で下げが速くなりやすい。2016〜2026年の売買の多い銘柄では、買い残が出来高の5〜10日分あると半年後の株価が市場の中央値を6%下回った。減る意味も解説。
無期限でも期日が付く場面
一般信用の無期限でも、次のような出来事があると証券会社が期日を決めて知らせます。制度信用も同じような出来事で、6か月より前に期日が繰り上がることがあります(SBI証券 HELP「返済期限」・楽天証券「信用取引の基本ルール」・松井証券「制度・無期限信用 取引ルール」、2026年10月28日閲覧。細目は会社ごとに違います)。
合併・株式交換・株式移転、株式併合、単元株式数の変更
上場廃止:TOB(株式公開買付け)のあとの上場廃止もこれに当たる。楽天証券の一般信用は上場廃止日の6営業日前が期日で、制度信用(売買最終日)より早い
端数が出る株式分割:楽天証券は1:1.15のような比率の分割で、一般信用の期日を権利付売買最終日に繰り上げます。松井証券も整数倍でない分割では原則として期日を設定します。1:2のような整数倍の分割なら、株数を増やし建単価を下げて続けられます
有償増資・新株予約権の割当て:楽天証券は一般信用の期日を権利付売買最終日に繰り上げ、新規建を止めます。松井証券も無期限信用の新規建を止めることがあります
証券会社の都合:証券金融会社が担保に適さないとした銘柄、与信管理の都合、売建の株が調達できない場合など(SBI証券「一般信用取引(無期限・短期・日計り)ルール」)
松井証券は、上場廃止・合併などで期日を設定するとき、無期限信用の新規建を止めることがあります。止める場合は、その効力発生日の1か月前(公表がそれより後なら公表の翌営業日)からです(松井証券)。期日が付いた後に何もしなければ、制度信用と同じく強制決済されます。
長く持つといくらかかる?——100万円の買建で1年約3万円、5年約15万円
信用買いを持ち続ける間にかかるのは、金利(買方金利)・管理費・名義書換料の3つです。売買手数料は建てるときと返すときにかかります。
金利:新規建の約定代金×年率×日数÷365。日数は新規建の受渡日から返済の受渡日までを両端入れで数え、土日・祝日も入ります(SBI証券 HELP「諸経費」)。建てたときの金額にかかるので、その後に株価が上がっても下がっても1日あたりの金利は変わりません(料率が改定されない限り)
管理費:建ててから1か月経つごとに1株11銭(税込)。1回あたり下限110円・上限1,100円(SBI証券「国内株式信用のサービス概要」・楽天証券「信用取引 手数料/金利/貸株料」・松井証券。3社とも同じ、いずれも2026年10月28日閲覧)
名義書換料:買いの建玉で権利確定日(総株主通知の株主確定日)をまたぐたびに、1単元55円(税込)(同)。総株主通知は配当などの基準日のほか、1年決算の会社では期首から6か月の時点にもあるので(中間配当の基準日を定めた会社はその基準日)、少なくとも年2回かかります(SBI証券 HELP「諸経費」)
買方金利は、SBI証券・楽天証券が制度信用・一般信用(無期限)とも年2.80%、松井証券は制度信用が年3.1%、無期限信用が年4.1%です(SBI証券「買い方金利・売り方金利・貸株料率・HYPER料」・楽天証券「信用取引 手数料/金利/貸株料」・松井証券、2026年10月28日閲覧)。松井証券は、無期限信用を6か月を超えて返済するときの売買手数料を無料にしています(同)。
株価1,000円の銘柄を1,000株(100万円)信用買いし、一般信用(無期限)で持ち続けた場合の費用は次のとおりです。1年=365日で概算し、管理費は月110円(1,000株×11銭で下限と同じ)、名義書換料は年2回とし、売買手数料・税金は含めません。両端入れで数えると1年で1〜3日増え、金利は1年あたり80〜230円ほど多くなります。
保有期間 | SBI証券・楽天証券 | 松井証券・無期限 |
|---|---|---|
1年 | 30,420円 | 43,420円 |
3年 | 91,260円 | 130,260円 |
5年 | 152,100円 | 217,100円 |
1年分の内訳は、金利2万8,000円・管理費1,320円・名義書換料1,100円で、費用のほとんどは金利です。費用は持った年数に比例して増え、年2.80%の会社でも5年で建玉の約15%になります。
保有年数と累計の費用(100万円の買建)
自己資金から見ると、年3%は年9%
金利は、借りた分も含めた建玉全体にかかります。保証金33万円(現金)で100万円を建てた場合、年3万420円の費用は自己資金に対して年約9.2%、3年で約27.7%です。レバレッジで損益が何倍になるかは株の信用取引のレバレッジは何倍?で扱っています。

制度信用と一般信用どっちが得?|SBI証券・楽天証券を比較
SBI証券・楽天証券は制度信用と一般信用(無期限)の料率が同じ(買方金利年2.80%・貸株料年1.10%、2026年10月6日確認)。買いは同額、空売りは逆日歩のない一般信用が有利。優待クロスは短期3.90%と逆日歩の損益分岐(1株30銭)で判断します。
株価が年何%上がれば元が取れる?——配当なしで年約3%、現物に勝つにはさらに上
信用買いの建玉が損をしないには、株価が年に金利と諸費用の分だけ上がる必要があります。配当のある銘柄では、受け取る配当落調整金(配当の84.685%)の分だけ、必要な上昇率が下がります。
配当利回り | SBI証券・楽天証券 | 松井証券・無期限 |
|---|---|---|
配当なし | 年3.04% | 年4.34% |
2% | 年1.35% | 年2.65% |
3% | 年0.50% | 年1.80% |
配当利回り2%は、プライム市場で配当を出している1,497社(無配などの57社を除く)を時価総額で加重した値(2.02%)に近い水準です(中央値は2.67%。2026年10月27日の終値と直近の通期の1株配当からKabuGraph算出)。
ただし、これは「信用の建玉が赤字にならない線」です。同じ自己資金で現物を買った場合と比べると、信用の方が得になる線はもっと高くなります。
同じ33万円で、現物33万円と信用100万円を比べると
自己資金33万円で、現物を33万円分買う場合と、信用で100万円分買う場合を、1年後の損益で比べます(SBI証券・楽天証券の料率、配当なし)。
1年の値動き | 現物33万円 | 信用100万円 |
|---|---|---|
+10% | +33,000円 | +69,580円 |
+5% | +16,500円 | +19,580円 |
+3% | +9,900円 | −420円 |
0% | 0円 | −30,420円 |
−10% | −33,000円 | −130,420円 |
信用の方が多く儲かるのは、株価が年4.5%を超えて上がったときだけです(松井証券の無期限信用なら年6.5%)。上昇がそれより小さければ現物の方が得で、10%下がったときの損は信用の方が約4倍に膨らみます。
しかも、保証金33万円のままでは表のとおりに1年持てるとは限りません。−10%の行は、1年後の維持率が19.96%と20%を割り、追証になります((33万円−費用30,420円−評価損10万円)÷100万円)。楽天証券とSBI証券は、保証金から評価損と費用を引いた額が30万円を下回った時点でも入金を求めるので(次の節)、株価が3%ほど下がるか、上がっていても(評価益は数えない)費用だけで1年弱(12か月目)でこの線に届きます。
長く持つほど効いてくること——追証までの余裕、配当、優待・NISA
費用が保証金を削り、追証までの余裕が年々減る
追証は、保証金から評価損などを引いた額が建玉の20%を下回ると発生します(SBI証券 HELP「追加保証金(追証)」・楽天証券「信用取引の基本ルール」・松井証券「制度・無期限信用 取引ルール」、いずれも2026年10月28日閲覧。計算は追い証(追証)とは)。3社とも、この保証金の計算で、評価損に加えて金利・管理費・名義書換料などの支払諸経費も差し引くと明記しています(SBI証券 HELP「委託保証金率」・松井証券・楽天証券「信用取引の基本ルール」の委託保証金総額の計算方法)。
20%のほかに、30万円の下限もあります。楽天証券は、評価損と諸費用を引いた保証金が30万円を下回った場合も追証とします(楽天証券「信用取引の基本ルール」)。SBI証券も、支払諸経費と評価損を引いた額が30万円を下回ると、30万円を回復するまで差し入れを求め、入金がなければ新規の注文や出金を受け付けません(SBI証券 HELP「必要委託保証金」、2026年10月28日閲覧)。どちらも評価益は数えません。松井証券の追証は維持率20%割れだけです。保証金が30万円に近い口座では、この下限の方が先に効きます。
諸費用を保証金から差し引くので、株価が動かなくても年約3%の費用の分だけ、維持率が毎年下がります。建玉300万円(株価1,000円×3,000株)を現金の保証金で建てた場合、追証が出るまでに耐えられる株価の下落率は次のとおりです。
保有期間 | 保証金150万円 | 保証金100万円 |
|---|---|---|
建てた日 | 30.0% | 13.3% |
1年後 | 27.0% | 10.3% |
3年後 | 20.9% | 4.2% |
5年後 | 14.8% | 株価が動かなくても追証 |
3倍近いレバレッジのまま長く持つと、数年で値下がりがなくても追証の線に届きます。長く持つなら、保証金に余裕を持たせ、維持率を定期的に確かめます。

追い証(追証)とは|委託保証金維持率の計算と発生時の対処法
追い証(追加保証金)の仕組みを初心者向けに解説。委託保証金維持率の計算方法、具体的な発生シミュレーション、期限内の対処法、追い証を出さないための実践的なリスク管理まで。
配当は「配当落調整金」で、手取りは現物より少ない
信用買いの建玉で権利確定日をまたぐと、配当そのものではなく配当落調整金を受け取ります。制度信用の額は、配当から源泉徴収税相当額を引いた額です(日本取引所グループ「制度信用取引の権利処理」)。楽天証券・松井証券は、制度信用・一般信用とも買いの建玉で配当の84.685%を受け取るとしています(楽天証券「信用取引の基本ルール」・松井証券、2026年10月28日閲覧)。SBI証券も、2015年に一般信用の売りの料率を100%に変えた際、一般信用の買いは制度信用と同じ84.685%のままとしています(SBI証券「【一般信用売建玉】配当落調整金に係る料率の変更について」)。
受け取った調整金は配当所得ではなく、買った株の取得価額から差し引かれ、決済したときの譲渡益として課税されます(国税庁 租税特別措置法関係通達37の11-7・松井証券「信用取引の税金について」)。上場株式の譲渡益の税率20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%。国税庁 タックスアンサーNo.1463)で課税されると手取りは配当の約67.5%で、現物の配当(上場株式の配当は15.315%と住民税5%が源泉徴収され、手取り79.685%。国税庁 タックスアンサーNo.1330)より約12ポイント少なく、配当控除も使えません。一方、払った金利・名義書換料は、譲渡益から差し引ける費用です(措置法通達37の11-7)。

配当落調整金とは|制度信用84.685%・一般信用売建100%の計算式と税金の扱い
配当落調整金の仕組み・計算式(制度信用は買い方・売り方とも84.685%、一般信用の売り方は主要ネット証券で100%)・税金の扱いを解説。信用取引で権利確定日をまたいだときに発生する配当金相当額のルールと、優待クロスで現物の配当金と相殺したときの実質コスト(一般信用は損益通算で実質ゼロ、制度信用は課税前で約15%・課税後で約12%の差益)がわかります。
株主優待・議決権は受け取れず、NISAでも持てない
信用取引の権利処理の対象は配当金や株式分割などで、株主総会の議決権や株主優待券は対象外です(日本取引所グループ「制度信用取引の権利処理」・同 資料「信用取引制度の概要」p.9)。SBI証券は、株主優待の権利は制度信用・一般信用とも受け取れないとしています(SBI証券「国内株式信用のサービス概要」、2026年10月28日閲覧)。信用の建玉のまま何年持っても株主の権利は得られないので、長期保有を条件にした優待の対象にもなりません。
信用取引はNISAの対象外で、現引きした株もNISAの対象になりません(SBI証券「国内株式信用のサービス概要」、2026年10月28日閲覧)。優待が目当てなら現物で持つか、現物の買いと信用の売りを組み合わせる優待クロスで権利を取ります。

優待クロス(つなぎ売り)のやり方|クロス取引の手順と、かかるコスト
優待クロス(つなぎ売り)は、同じ銘柄の現物買いと信用売りを同株数・同値で建て、権利落ち日に現渡しして優待だけ残す取引。手順と各社の注文の決まり、2026年11月の日程、25万円の例のコスト(一般信用の短期で2日53円〜22日587円)を示します。
長く持ちたいときの選択肢——現引き・建て直し・最初から現物
期日が近い、あるいは費用や維持率が気になってきたときの選択肢は、現引き・返済・建て直し・そのまま持つの4つです。上から順に考えると、次の図のようになります。
現引き:全額を払って現物にする
必要なお金:建単価×株数+諸経費(新規建の手数料・金利・管理費・名義書換料などの累計)。SBI証券は現引きに株式の委託手数料をかけません(SBI証券「信用取引の現引・現渡の手数料について教えてください」、2026年10月28日閲覧)
払うのは建てたときの値段:含み損の建玉でも、現引きすれば損を確定させずに現物で持ち続けられますが、払う額はいまの株価ではなく建値で計算します
例:費用の表の100万円の建玉を1年後に現引きすると、約103万円(100万円+費用約3万円)を払います。保証金として預けた現金は、証券会社の決まりの範囲で代金に充てられます(SBI証券は、現引きの受渡日以降の予定委託保証金率が30.2%以上になる場合に、委託保証金の現金を上限として充当。SBI証券 HELP「返済期限」、2026年10月28日閲覧)
いつまで:最終返済日まで。松井証券は最終返済日の15時45分まで(松井証券「制度・無期限信用 取引ルール」)。楽天証券では返済注文中の建玉は現引きできないので、先に取り消します(楽天証券「信用取引の基本ルール」)。現引停止に指定された銘柄は、最終返済日しか現引きできず、電話での受付になります(楽天証券は15時まで、松井証券は8時30分〜15時45分。いずれも2026年10月28日閲覧)
税金:現引きは売却ではないので、その時点では損益は確定しません。現引きした株を売ったときの取得日は信用で買い建てた日、取得価額は現引きの支払代金です(松井証券「信用取引の税金について」、2026年10月28日閲覧)
その後:金利・期日・追証がなくなり、配当・優待・議決権も受け取れます。ただしNISAの対象にはなりません
返済して建て直す:期日を延ばす実質的な方法
制度信用の期日は延ばせませんが、返済(売り)と新規の買いを同時に出して、新しい建玉に乗り換えることはできます。乗り換え先を一般信用(無期限)にすれば、以後は6か月の期日がなくなります。
注文の出し方:同じ銘柄の売りと買いを同時に出すと仮装売買の疑いを招きかねないため、SBI証券は「信用取引の期日延長」などを目的とするクロス取引について、①寄成・寄指か引成・引指を使い、②同じ株数で、③間を空けずに発注するよう求めています(SBI証券「クロス取引となる国内株式注文の一部取扱い変更(注文制御)について」、2026年10月28日閲覧)
利益が出ていれば税金が先にかかる:返済で利益が確定するので、特定口座(源泉徴収あり)なら20.315%が引かれます(国税庁 タックスアンサーNo.1463)。20万円の利益なら4万630円で、その分だけ手元の資金が減ります。損が出ていれば損が確定し、同じ年のほかの株の譲渡益と相殺でき、引ききれない分は確定申告で翌年から3年間繰り越せます(国税庁 タックスアンサーNo.1474)
建値と費用が変わる:新しい建値は乗り換えた日の株価になり、金利もその金額にかかります。売買手数料は証券会社と手数料コースによります
制度信用で建て直す場合:新しい6か月が始まるだけで、また期日が来ます。制度信用の方が金利の低い会社(松井証券は制度年3.1%・無期限年4.1%)では、6か月ごとに建て直すと金利は下がりますが、そのたびに損益が確定し、注文の手間と値段のずれが生じます
最初から現物、または一般信用(無期限)で建てる
半年を超えて持つつもりなら、建てる前に決めておくのが最も手間がかかりません。全額を払えるなら現物(NISA口座も使える)、払えないなら最初から一般信用(無期限)で建てれば、期日が付く出来事がない限り乗り換えは要りません。
よくある質問
制度信用の6か月の期限は延長できますか?
延長できません。最終返済日(6か月目の応当日の前営業日)までに返済か現引きをしないと強制決済されます。続けて持ちたいなら、返済と新規の買いを同時に出して建て直す(一般信用なら期限なし)か、現引きします。
一般信用の「無期限」なら、本当に何年でも持てますか?
原則として期限はありませんが、合併・株式併合・上場廃止・端数の出る株式分割などがあると期日が付きます。三菱UFJ eスマート証券の一般信用(長期)は10年が期限です。金利も途中で変わることがあります。
信用買いで1年持つと、金利はいくらかかりますか?
年2.80%なら100万円で1年2万8,000円です(365日の場合)。管理費と名義書換料を加えると、株価1,000円×1,000株の例で1年約3万円です(2026年10月28日時点のSBI証券・楽天証券の料率)。
信用買いで長く持っても配当はもらえますか?
配当そのものではなく、配当の84.685%の配当落調整金を受け取ります。譲渡益として課税されるので手取りは配当の約67.5%で、現物(79.685%)より少なくなります。
信用買いの株に株主優待は届きますか?
届きません。議決権もありません。優待が目当てなら現物で持つか、現物の買いと信用の売りを組み合わせる優待クロスを使います。
現引きした株はNISA口座に移せますか?
移せません。SBI証券は、信用取引も、現引き・現渡しもNISAの対象外としています。








