マネーフォワード
Money Forward,Inc.
情報・通信業 / 情報通信・サービスその他
5,937円
出典:東証株価・決算短信よりKabuGraph算出 / 最終更新: 2026/10/5
投資ポイント
強み・成長ドライバー
- 1
9年間で売上17倍の成長力
2017年の売上29億円から2025年の503億円まで、9年間で約17倍という驚異的な成長を遂げています。500億円を超えてもなお前年比+24.7%、2026年11月期上期も+24.8%の成長率を維持しており、日本の中堅・大企業のDX化はまだ道半ばであるため成長の滑走路は長いと考えられます。
- 2
黒字転換と利益回収フェーズへの移行
2025年11月期に初の通期最終黒字を達成し、2026年11月期第1四半期には四半期として初の営業黒字を計上しました。売却益が寄与した面はありますが、営業赤字の急速な縮小と上期の調整後EBITDA 50.9億円(前年同期の2.7倍)は本業の収益力向上を反映しており、SaaSのスケールメリットが効き始めた局面といえます。
- 3
SaaS型のストック収益+クロスセル
マネーフォワード クラウドの強みは、会計・経費・給与・勤怠などバックオフィス業務のフルスタックを提供している点です。1社に対して複数プロダクトを導入する「クロスセル」が効くため、顧客あたりの売上単価(ARPA)が継続的に上昇します。SaaS型の月額課金は景気変動に左右されにくく、毎月積み上がるストッ…
- 4
AI-BPOとAIエージェントという新たな成長エンジン
AI-BPO「マネーフォワード おまかせ経理」は、AIが証憑分類や仕訳提案を担い専門スタッフが経理業務を代行するサービスで、SaaS単体より1社あたりの売上単価を大幅に高める可能性があります。並行して経理財務領域のAIエージェントも投入しており、バックオフィスSaaSで蓄積した業務データがAIの精度を支える基盤となっています。
注意すべきリスク
- 1
PER 218倍という極めて高いバリュエーション
PER 218.3倍は、東証プライム全体の平均PER(約19〜21倍、2026年8月・JPX)と比較して桁違いに高い水準で、「今後数年間の急速な利益成長」を市場が強く期待していることを意味します。利益水準がまだ低いためPERが高く出やすい構造ではありますが、営業黒字化の遅延や売上成長率の鈍化があれば株価の大幅な調整リスクがあります。
- 2
営業黒字はまだ定着していない
2025年11月期の最終黒字はスマートキャンプ売却益など特別要因によるもので、営業利益は-26.5億円の赤字でした。2026年11月期は第1四半期に四半期で初の営業黒字を計上したものの、通期の会社予想は営業利益-5.0〜+15.0億円、純利益-32.0〜-7.0億円と最終赤字の見込みで、本業で安定的に利益を出せるかどうかが今後の株価を左右する最大のポイントです。
- 3
累積赤字の大きさ
上場以来の9年間で計上した営業赤字の合計は約300億円に上ります。この投資が今後の利益で十分に回収できるかどうかが、長期投資家にとっての本質的な問いです。ROE(自己資本利益率)は2.8%(純資産合計ベース。会社開示の自己資本当期純利益率は4.2%)とまだ低水準であり、資本効率の改善は今後の課題です。
- 4
競合環境の激化
バックオフィスSaaS市場ではfreee(4478)との競争が続いています。中堅企業向けではOBC(オービックビジネスコンサルタント)やPCA、大企業向けではSAPやOracleなどERPベンダーとも競合します。AI経理分野では、大手テック企業やスタートアップの参入も予想されます。ただし、マネーフォ…
- 5
無配当
創業以来、配当を実施しておらず、2026年11月期も無配の予想です。2026年4月に株主優待制度(100株以上・半年以上の継続保有)を導入しましたが現金配当ではなく、インカムゲイン(配当収入)を重視する投資家には向かない銘柄です。
- 6
M&Aに伴うのれんリスク
積極的なM&A戦略の結果、バランスシート上には相応ののれん(買収プレミアム)が計上されています(2026年11月期上期にもAKASHI事業の承継などで約59億円増加)。買収した事業の業績が想定を下回った場合、のれんの減損損失が発生し、一時的に大きな損失を計上するリスクがあります。
事業概要
マネーフォワードは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに掲げ、法人向けバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」を中核に、個人向け家計簿アプリ「マネーフォワード ME」、金融機関向けサービスなどを展開するフィンテック企業です。Business・Home・X・SaaS Marketing・Financeの5ドメインで事業を構成し、主力のBusinessドメインでは会計・請求書・給与・勤怠・経費など法人向けクラウドサービスを統合型プラットフォームとして提供。2025年11月期の連結売上高は503億円(前期比+24.7%)に達し、SaaS ARRは継続的に拡大しています。
主要事業
マネーフォワード クラウド会計 — 法人向けクラウド会計ソフト。仕訳の自動化と決算業務の効率化
マネーフォワード クラウド請求書 — 請求書の作成・送付・入金管理をクラウドで一元化
マネーフォワード クラウド給与 — 給与計算・年末調整のクラウド化
マネーフォワード クラウド経費 — 経費精算の申請・承認・仕訳を自動化
マネーフォワード ME — 個人向け家計簿・資産管理アプリ。銀行・証券・クレカと自動連携
株価推移
業績ハイライト2025/11(百万円)
売上高
50,349
+24.7% YoY
営業利益
-2,653
純利益
1,587
営業利益率
-5.3%
企業評価
総合スコア 2.8 / 5
成長性
5
収益性
1
安全性
3
規模
4
割安度
1
競合・類似銘柄
会計・請求・経費精算などの管理部門業務をクラウドで提供する。有料課金社数とARRの伸びで評価される。
マネーフォワードは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに掲げ、法人向けバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」を中核に、個人向け家計簿アプリ「マネーフォワード ME」、金融機関向けサービスなどを展開するフィンテック企…
銘柄の分類・事業概要はKabuGraph調べ
セグメント別売上推移
| セグメント | 2024年11期(百万円) | 2025年11期(百万円) |
|---|---|---|
| Business | 27,030(67.0%) | 36,050(71.8%) |
| SaaS Marketing | 4,981(12.3%) | 4,739(9.4%) |
| Home | 4,726(11.7%) | 4,737(9.4%) |
| X | 2,854(7.1%) | 3,139(6.3%) |
| Finance | 765(1.9%) | 1,549(3.1%) |