KabuGraph

さくらインターネット(3778)の企業分析|国産唯一のガバメントクラウドとGPU「高火力」で狙うAIインフラ覇権

Cover Photo

さくらインターネット(3778)は、国産クラウド「さくらのクラウド」と生成AI向けGPU基盤「高火力」を二本柱に成長するインターネットインフラ企業です。

2026年3月にはデジタル庁のガバメントクラウドに国産企業として初めて正式採択され、AWS・Azure・GCPに次ぐ「第4の選択肢」としての地位を確立しました。2027/3期第1四半期は売上高111億円(前年同期比+48.6%)と過去最高を記録し、GPUインフラの急成長で営業黒字に転換しています。

この記事では、さくらインターネットの4つのサービス、業績推移、ガバメントクラウド戦略、GPU投資の回収見通し、投資判断のポイントを、個人投資家の視点からわかりやすく解説します。

会社概要 — 高専生が創業した国産インフラの旗手

さくらインターネットは、舞鶴工業高等専門学校在学中の田中邦裕氏が1996年に18歳で創業したインターネットインフラ企業です。学生時代のレンタルサーバー事業を起点に、データセンター・クラウド・GPU基盤へと事業を拡大してきました。

項目

内容

会社名

さくらインターネット株式会社(SAKURA internet Inc.)

証券コード

3778(東証プライム)

創業

1996年12月(法人設立: 1999年8月)

上場

2005年 東証マザーズ → 2015年 東証一部 → 2022年 プライム市場

代表取締役社長

田中邦裕(創業者)

本社

大阪市北区大深町6番38号

従業員数

710名(2026年3月期末、連結)

決算期

3月

事業セグメント

インターネットインフラ事業(単一セグメント)

出典:さくらインターネット 2026年3月期 決算短信

事業セグメントは「インターネットインフラ事業」の単一セグメントですが、サービスカテゴリーとして「クラウドサービス」「GPUインフラストラクチャーサービス」「物理基盤サービス」「その他サービス」の4つに分類されています。近年はクラウドとGPUインフラへの集中投資を加速させています。

4つのサービスを理解する

さくらインターネットの売上は、4つのサービスカテゴリーで構成されています。2026/3期の売上構成比は、クラウドサービス43.4%、GPUインフラ23.1%、その他サービス24.9%、物理基盤8.7%です。

さくらのクラウド — 国産初のガバメントクラウド

さくらのクラウド公式サイト — 国産クラウドで「やりたいこと」を「できる」に変える
出典:さくらのクラウド公式サイト

「さくらのクラウド」は、売上構成比43.4%を占める主力サービスです。東京・石狩のデータセンターで提供する国産パブリッククラウドで、データ転送料無料・日本の法令に準拠したデータ保管が特徴です。レンタルサーバ「さくらのレンタルサーバ」(利用件数56万件超)も含まれます。

2026年3月27日、デジタル庁が定める全305項目の技術要件を満たし、国産クラウドとして初めてガバメントクラウドに正式採択されました(さくらインターネット ニュースリリース 2026年3月27日)。AWS・Azure・GCP・OCIに次ぐ5番目の事業者で、国産では唯一です。2026/3期のクラウドサービス売上は153億円(前期比+9.4%)と着実に成長しています。

高火力 — 国産最大規模のGPUクラウド

高火力 GPUクラウドサービス — NVIDIA H100/H200/B200搭載の国産GPUサーバー
出典:高火力公式サイト

「高火力」は、NVIDIA H100/H200/B200を搭載した国産GPUクラウドサービスです。2024年1月のサービス提供開始からわずか2年で、売上構成比23.1%を占める第2の柱に成長しました。日経優秀製品・サービス賞の最優秀賞を受賞しています。

ベアメタル型「高火力 PHY」とVM型「高火力 VRT」の2種類を展開。2026年2月にはNVIDIA B200を国内最大規模の約1,100基設置し、次世代GPU(B300/Rubin)への投資も検討中です。経産省の「クラウドプログラム」供給確保計画の認定を受け、約1,130億円の投資に対し最大575億円(ほぼ半額)が国庫助成となっています(ログミーファイナンス 2026年3月期決算説明)。

2027/3期Q1のGPUインフラ売上は47億円(前年同期比+245.9%)と急成長し、全サービス中で最大の売上カテゴリーとなりました。

さくらのレンタルサーバ — 56万件超の安定ストック

さくらのレンタルサーバ公式サイト — 利用件数56万件突破・稼働率99.99%以上
出典:さくらのレンタルサーバ公式サイト

さくらのレンタルサーバは、月額500円からWordPressが使える共有ホスティングサービスです。利用件数は56万件を突破し、稼働率99.99%以上。個人ブログから法人サイトまで幅広い顧客基盤を持ち、安定的なストック収益の源泉となっています。クラウドサービスの売上カテゴリーに含まれます。

石狩データセンター — 再エネ100%の国内最大級DC

さくらインターネット石狩データセンター — 北海道石狩市に立地する国内最大級のデータセンター
出典:さくらインターネット公式サイト

さくらインターネットは北海道石狩・東京・大阪の3拠点にデータセンターを自社所有・運営しています。中核となる石狩データセンターは国内最大級の規模を誇り、2023年6月からは水力発電を中心とした再生可能エネルギー100%で運用。外気冷房の導入で一般的な都市型DCと比べて消費電力を約4割削減しています。GPUサーバーの増設に合わせ、石狩DCには53億円の追加投資やコンテナ型DCの増設が進められています(日本経済新聞 2025年3月)。

業績推移と財務分析

通期業績推移

さくらインターネットの業績は、GPUクラウドサービスの開始(2024年1月)を境に大きく変化しました。

通期業績推移(売上高・営業利益・営業利益率)

出典:決算短信よりKabuGraph作成。2027/3は会社予想(2026年7月28日修正後)

2025/3期は売上高314億円(前期比+43.9%)、営業利益41.5億円(同+368.7%)と大幅な増収増益を達成。GPUクラウドサービスの本格稼働と、クラウドサービスの着実な成長が牽引しました。

一方、2026/3期は売上高353億円(同+12.4%)と過去最高を更新したものの、営業利益は△4億円の赤字に転落しました。GPU関連投資による減価償却費の急増、人材投資の加速、データセンター賃料の増加が主因です。ただし、クラウドプログラム補助金の計上により経常利益は1億円の黒字を維持しました(2026年3月期 決算短信 p.2)。

サービスカテゴリー別売上推移

サービスカテゴリー別売上推移

出典:決算短信よりKabuGraph作成。2026/3期よりGPUクラウドサービスをGPUインフラストラクチャーサービスに名称変更、一部カテゴリーの組替あり

注目すべきはGPUインフラの急成長です。2025/3期の63億円から2026/3期は81億円(+20.3%)へ伸び、2027/3期Q1だけで47億円と前年同期比+245.9%を記録。四半期ベースではクラウドサービス(39.8億円)を上回り、最大のサービスカテゴリーになりました。会社は2027/3期通期でGPUインフラの前期比+125.9%増を見込んでいます。

サービスカテゴリー別売上構成比(2026年3月期)

出典:2026年3月期決算短信よりKabuGraph作成

最新四半期(2027/3期Q1)のハイライト

2027/3期第1四半期(2026年4-6月)は、過去最高の四半期売上を記録しました(2027年3月期 第1四半期決算短信)。

項目

2027/3 Q1

2026/3 Q1

前年同期比

売上高

111.3億円

74.9億円

+48.6%

営業利益

12.3億円

△4.6億円

黒字転換

純利益

8.6億円

△3.2億円

黒字転換

Q1の好調を受け、会社は通期業績予想を上方修正しています。修正後の通期予想は売上高455億円(前期比+28.9%)、営業利益25億円(黒字転換)、純利益15億円です。

財務状態

2026/3期末の総資産は824億円、自己資本比率は36.5%(BPS 752円)。2025/3期に公募増資(約200億円)を実施して財務基盤を強化しましたが、その後のGPU投資に伴う借入増で有利子負債も拡大しています。2027/3期Q1末の総資産は875億円、自己資本比率は35.1%です。キャッシュポジションは2025/3期末の294億円から2026/3期末は153億円に減少していますが、営業CFは62億円と安定しています。

減価償却を分解する — 赤字の中身と、これから

2026/3期の営業赤字は4.0億円でしたが、減価償却費77.4億円を含んでいます。GPUの償却期間はおよそ3年です(2026年4月の決算説明会で田中社長が「最初に投資を行ったH100に関しては今期中に減価償却が終了する予定」と発言しており、2024年1月の初回投資から逆算した数字)。3年で貸し切って入れ替える商売なので減価償却は原価そのもの——「除けば黒字」と言って除いていい費用ではありません。追うべきは、減価償却費を加え戻したEBITDAがGPU投資に見合って伸びているかです。

助成金が償却負担を4割軽くしている

経産省「クラウドプログラム」の認定で、約1,130億円の投資計画に対し最大575億円(ほぼ半額)の国庫助成が付いています。この助成金は圧縮記帳で資産の帳簿価額を直接引き下げるため、損益計算書には現れません(特別利益と特別損失に同額が並んで差し引きゼロ)。

圧縮記帳の累計は3年で220.5億円。同時期の投資額521億円の約4割が償却対象から外れています。決算書に載る減価償却費77.4億円は、すでに助成金を差し引いた後の数字です。

ただし、助成金は2026年度までの投資分に対するもので、次世代GPU(B300/Rubin)への追加投資に同規模の助成が続く保証はありません。助成なしで同規模の投資を行えば、減価償却費は現在の1.7倍程度に膨らむ計算になります。助成の継続性は、この銘柄の利益見通しに直結するポイントです。

仮に助成金がなかったら — 仮説の試算

投資額521億円のうち220.5億円(42%)が圧縮記帳で償却対象から外れているので、助成なしの減価償却費は実際の約1.7倍になります。一方、EBITDAは現金ベースの稼ぐ力なので助成の有無では変わりません。両者を並べると、助成金が利益構造にどれだけ効いているかが見えます。

決算期

EBITDA

実際の償却費

助成なし仮定

EBITDA−仮定償却

2026/3

83.8億円

77.4億円

約134億円

△約50億円

2027/3 Q1

43.9億円

29.5億円

約51億円

△約7億円

Q1×4換算

約176億円

約118億円

約205億円

△約29億円

圧縮記帳の比率(42%)を全期間に一律適用した概算であり、実際の助成配分は投資案件ごとに異なります(KabuGraph算出)

2026/3期は助成なしだとEBITDAが償却費に年50億円届きません。Q1のペースでもまだ年29億円のショートで、現時点の利益構造は助成金の存在が前提になっています。ただしギャップは急速に縮まっており(四半期ベースで△50→△7億円)、四半期EBITDAが51億円を超えれば助成なしでも償却を賄える計算です。Q1の43.9億円からあと16%の伸びで届く水準なので、GPU売上の成長が続くかどうかが分岐点になります。

EBITDAで見る稼ぐ力

決算期

減価償却費

営業損益

EBITDA

GPU売上

2025/3

47.7億円

41.5億円

90.8億円

43.2億円

2026/3

77.4億円

△4.0億円

83.8億円

81.4億円

2027/3 Q1

29.5億円

12.3億円

43.9億円

47.0億円

出典:決算短信よりKabuGraph作成。EBITDAは会社定義(経常利益+減価償却費+支払利息)

2026/3期は減価償却費が29.7億円増えた一方、EBITDAは90.8→83.8億円と7億円減少しました。GPU売上は倍増しましたが、初期のH100に一部安売り契約が残っていたこと、H200の納入が1月予定から2月にずれたタイムラグ、電力費・人件費などの現金コスト増が重なり、償却増を吸収しきれませんでした。

一転、2027/3期Q1は四半期EBITDAが43.9億円(前年同期比+264%)と過去最高を記録しました。最大の要因はH200・B200がフル稼働を始めたことで、GPU売上だけで前年同期比+33.5億円の増益寄与があり、減価償却費等△13.7億円・人件費△1.8億円・電力費△1.7億円を差し引いても+17.8億円の純増益です。安売り契約の影響も剥落し、1四半期だけで2026/3期通年EBITDAの半分を超えました。2027/3期は減価償却費・リース料が前期比+45.6億円増える計画ですが、Q1の勢いが続けば吸収可能な水準です。

四半期ごとにEBITDAとGPU売上を並べて、償却増を上回るペースで稼げているかを確認するのが、この銘柄では実用的なものさしになります。

ガバメントクラウドはどこまで伸びるか

ガバメントクラウドとは、デジタル庁が推進する「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化」で使うクラウド基盤のことです。住民票・国保・年金など20業務を全国1,788自治体が共通のクラウド上で動かす構想で、認定を受けたクラウドサービスだけが使えます。これまではAWS・Azure・GCP・Oracle Cloudの外資4社のみでしたが、2026年3月にさくらが国産初の5番目として正式採択されました。

パイの大きさ:年600億円、シェア2〜3割なら年120〜180億円

デジタル庁は移行後の運用費を年約2,500億円と推計しています(移行前の約1,400億円から1.8倍)。このうちクラウド事業者の取り分について、平将明デジタル大臣(当時)は2024年12月の国会で「全体の4分の1ぐらい」と答弁しており、年600億円規模です。

田中社長は「将来的には全自治体のうち2〜3割のシェア獲得を目指したい」と語っています(日本経済新聞 2025年11月28日)。実現すれば年120〜180億円——2026/3期のクラウドサービス売上153億円に匹敵する規模です。

項目

金額

根拠

自治体の基幹システム運用費(移行後)

年約2,500億円

デジタル庁推計

うちクラウド利用料

年約600億円

「全体の4分の1」との答弁から算出

さくらが2〜3割取れた場合

年120〜180億円

社長発言のシェア目標から算出

(参考)2026/3期クラウドサービス売上

153.2億円

決算短信

出典:デジタル庁「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化」関連資料(地方財政審議会提出資料、2026年2月13日)、第216回国会 参議院内閣委員会会議録(2024年12月23日)、決算短信よりKabuGraph算出

7割は埋まった後の参入、入口はベンダーが握る

ただし、さくらの正式採択(2026年3月)時点で、対象34,366システムのうち24,353(70.9%)がすでに移行済みです(デジタル庁 2026年6月30日集計)。既存のシェアはAWSが圧倒的で、さくらは集計表にまだ名前が出ていません。

さらに重要なのは、クラウドを実質的に選んでいるのは自治体ではなく、業務システムのアプリベンダー(ASP)だという点です。デジタル庁の移行手順書自体が「ASPや運用管理補助者と協議しながら進めていただきたい」と書いています。現時点でさくら対応を表明したベンダーは公表ベースで0社。最初の1社が出るかどうかが、最も分かりやすい進捗の目印です。

実績はまだ数字に出ていない

  • 自治体の採用:0件(2026年9月4日時点)

  • 政府での実利用第1号:2026年7月、デジタル庁のガバメントAI「源内」で国産基盤モデル3種を試用する案件

  • Q1クラウド売上:39.75億円(前年同期比+7.5%、前四半期比+0.6%)——通期計画(前期比+14.8%)に届くペースではない

  • 提携発表は続く(日本ビジネスシステムズ、アライドテレシス、三菱総研、マイクロソフト)が、いずれも金額の開示なし

2026/3期に初めて有報に載った大口顧客「国立健康危機管理研究機構」向け45.76億円も、ガバメントクラウドの売上ではなく「その他サービス」のスポット案件です。会社は2027/3期にその他サービスを△24.8%と見込んでおり、来期は剥落する前提の売上です。

材料は大きいが、効くのは数年先

契約期間は最長2031年3月まであるので時間はあります。残る29.1%の移行と、既に移行した自治体の更新タイミングをどれだけ取れるかが勝負です。当面の業績を動かすのはGPUのほう——Q1の上方修正の理由もGPUであって、ガバメントクラウドではありません。進捗を追うなら、以下の3点が指標になります。

  1. さくら対応を表明する業務システムベンダーが出るか(最初の1社が節目)

  2. 四半期のクラウドサービス売上の前四半期比(Q1は+0.6%)

  3. デジタル庁のCSP別利用自治体数の集計に、さくらの行が現れるか

投資家が注目すべきポイント

ガバメントクラウドの市場規模・移行の進捗・実際に誰がクラウドを選んでいるかは、前章「ガバメントクラウドはどこまで伸びるか」で詳しく扱っています。

GPU投資の回収サイクル

約1,130億円のGPU投資はすでに約半分が完了しており、残りも今期以降に実行されます。投資のリターンを左右するのはGPU稼働率と長期契約の確保です。

  • H100は今期中に減価償却が終了予定(年27億円程度の負担減、KabuGraph算出)。ただしH200/B200の通年寄与で今期の減価償却費は差し引き増える

  • H200/B200の大口顧客が2026年2月から利用開始 → Q1でGPU売上+245.9%

  • 次世代GPU(B300/Rubin)への追加投資も視野 → 継続的な設備投資リスク

株価指標の評価

指標

数値

補足

株価

3,510円

2026年9月時点

時価総額

約1,470億円

PER(実績)

約650倍

2026/3期EPS 5.40円基準

PER(予想)

約94倍

2027/3期予想EPS 37.46円基準

PBR

4.67倍

BPS 752円

配当利回り

0.14%

年間5円(2026/3期実績)

ROE

0.7%

2026/3期実績

出典:東証株価・決算短信よりKabuGraph算出(2026年9月時点)

実績PER 650倍は、投資フェーズの一時的な利益圧迫を反映したものです。より実態に近い予想PERは約94倍ですが、それでもプライム市場の平均(約16〜17倍、予想ベース・2026年9月・日経)と比べて大幅に割高です。この水準が正当化されるには、GPUインフラの急成長が数年にわたって継続し、ガバメントクラウドの案件が本格化する必要があります。

配当

1株配当の推移

出典:決算短信よりKabuGraph作成。2027/3は会社予想

配当は直近10年間で減配がなく、増配基調を維持しています。ただし2026/3期の配当性向は92.6%と非常に高く、今後の増配余地は業績回復次第です。2027/3期は5.5円(予想配当性向14.7%)を予想しています。

まとめ

さくらインターネットは、「国産唯一のガバメントクラウド」と「生成AI向けGPU基盤」という2つの国策テーマを背負った数少ない企業です。

  • 強み:GPUインフラの急成長(2027/3期Q1で前年同期比+245.9%)、経産省の1,130億円投資認定(最大575億円の助成、圧縮記帳で償却負担も軽い)、自社DC(再エネ100%)によるコスト優位性、ガバメントクラウド国産唯一の正式採択(効いてくるのは数年先)

  • リスク:PER 650倍の極端なバリュエーション、減価償却費が2027/3期もさらに45.6億円増える計画、GPU稼働率が落ちればEBITDAが真っ先に鈍る構造、ガバメントクラウドの実績が自治体0件で対応ベンダーも0社、AWS/Azure/GCPとの競争、不正アクセス事案

  • 注目指標:四半期のEBITDAとGPUインフラ売上、クラウドサービス売上の前四半期比、さくら対応を表明する業務システムベンダーが出るか

投資判断のカギは、GPU投資の回収スピードが、現在の高いバリュエーションを正当化できるペースで進むかどうかにあります。2027/3期Q1のEBITDAは43.9億円と四半期で過去最高。この1四半期だけで2026/3期通年の半分を超え、上方修正の理由もGPUでした。一方でガバメントクラウドは、パイこそ年600億円規模と大きいものの、移行の7割が終わった後の参入で、採用実績はまだ数字に出ていません。当面の業績を動かすのはGPU、ガバメントクラウドは数年かけて効くかどうかを見る材料、と切り分けて追うのが実際的です。次世代GPUへの追加投資が続けば利益の安定にはまだ時間がかかりますし、経済安全保障やAIインフラへの国策支援という追い風が続くかどうかも含め、中長期の視点での投資判断が求められる銘柄です。

コラム著者・編集者

K

KabuGraph編集部

KabuGraph編集部は、投資情報の発信と株式分析ツールの開発に携わるチームです。日本株・米国株の事業分析から、投資に役立つ情報をわかりやすくお届けします。

関連記事