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安川電機(6506)の企業分析|サーボモーター世界首位×産業用ロボット4強、半導体需要で利益反転へ

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安川電機(6506)は、ACサーボモーター・インバーターで世界首位級のシェアを持ち、産業用ロボット「MOTOMAN」でFANUC・ABB・KUKAと並ぶ世界4強の一角を占めるFA(工場自動化)の中核企業です。

2026年2月期は為替影響と間接費の増加により営業利益473億円(前期比△5.7%)と2期連続の営業減益でした。しかし2027年2月期は半導体・データセンター向け需要を追い風に営業利益600億円(同+26.8%)への大幅回復を計画しています。

この記事では、安川電機のモーションコントロール・ロボットの2大セグメント構造、業績推移、i3-Mechatronicsの成長戦略と投資判断のポイントを解説します。

会社概要 — 北九州発、サーボとロボットで世界を動かすFA企業

安川電機は1915年に福岡県北九州市で創業しました。創業者の安川敬一郎が興した安川財閥を母体とし、当初は炭鉱向けモーターの製造からスタート。その後、インバーター技術でモーター制御の自動化を推進し、1977年には日本初の全電気式産業用ロボット「MOTOMAN」を開発しました。

安川電機の製品・ソリューションページ。サーボモータ、インバータ、産業用ロボットなどの製品カテゴリが並ぶ
出典:安川電機 製品・ソリューション

現在は「メカトロニクス」(mechanics + electronics)という言葉を世界に広めた企業としても知られ、2018年からは次世代コンセプト「i³-Mechatronics」(integrated, intelligent, innovative)を掲げてFA自動化の高度化を推進しています。

項目

内容

創業

1915年(大正4年)

代表者

代表取締役会長兼社長 小笠原 浩(2026年5月27日現在)

本社

北九州市八幡西区

従業員数

12,483名(連結、2026年2月28日現在)

決算月

2月(IFRS適用)

事業構造 — モーションコントロールとロボットの2本柱

安川電機の事業はモーションコントロール(MC)とロボットの2セグメントで売上の約89%を占めます。MC(サーボ・インバータ)が売上の43.5%、ロボットが45.6%を構成しています。

セグメント別売上構成比(2026年2月期)

出典:安川電機 2026年2月期決算短信

セグメント別売上高(2026年2月期)

出典:安川電機 2026年2月期決算短信。SE=システムエンジニアリング

モーションコントロール — サーボ世界首位、半導体需要が牽引

ACサーボモーターとインバーターを主力とするセグメントです。サーボモーターは半導体製造装置や工作機械の精密位置決めに不可欠で、安川電機は世界シェア首位級を維持しています。2026年2月期は前期に受注残の正常化を進めた反動で減収(2,360億円、前期比△1.1%)となったものの、付加価値の改善により増益(244億円、同+6.0%)となりました。

ロボット — MOTOMAN累計50万台超、EV・物流で拡大

産業用ロボット「MOTOMAN」シリーズを展開するセグメントです。溶接ロボット、塗装ロボット、ハンドリングロボットなど幅広いラインナップを持ち、累計出荷台数は50万台を突破しています。EV生産ラインの新設や物流倉庫の自動化需要が中長期の成長ドライバーです。2026年2月期は大口案件の付加価値の影響により減益となりました。2027年2月期に入ると、基幹システムの移行にともなう生産への影響と欧州における事業構造改革費用がロボットの利益を圧迫しています。

業績推移と財務分析

通期業績の推移

2023年2月期に営業利益683億円(OP margin 12.3%)のピークを記録して以降、2期連続の営業減益が続いています。売上も5,400〜5,800億円のレンジで横ばい推移です。2027年2月期は営業利益600億円(OP margin 10.3%)への反転を計画しており、ロボット事業の正常化が鍵です。

通期業績推移(売上収益・営業利益・営業利益率)

出典:決算短信・有価証券報告書・IR資料よりKabuGraph作成。2027/2は会社予想。IFRS基準

純利益と配当の推移

配当は52円→64円→68円→72円(予想)と段階的に増配しています。2025/2期の純利益が570億円と営業利益を上回ったのは、一時的な非営業収益の計上によるものです。

純利益と1株配当の推移

出典:決算短信・有価証券報告書・IR資料よりKabuGraph作成。2027/2は会社予想

バリュエーション

指標

数値

備考

株価

4,700円

2026年9月1日終値

PER(実績)

34.6倍

2026/2期EPS 135.88円ベース

PBR

2.64倍

配当利回り

1.45%

2026/2期 年間68円

ROE

7.1%

減益期のため低水準

PER 34.6倍は利益の谷間にある実績ベースのため割高に見えますが、2027/2予想EPSベースでは約26倍まで低下します。ただし、これでもFA銘柄として安くはなく、OP 600億円の達成確度が株価のカギを握ります。

成長戦略 — i³-Mechatronicsとロボットの次のフロンティア

i³-Mechatronics — データ駆動型FAの推進

安川電機が掲げる「i³-Mechatronics」(integrated, intelligent, innovative)は、サーボやインバーターの制御データをAI・IoTで解析し、工場全体の生産性を最適化するコンセプトです。個別の部品売りから「工場丸ごとソリューション」への転換を目指しており、付加価値の向上と顧客の囲い込みを図っています。

半導体・データセンター向けMC需要

生成AI向け半導体の需要急増に伴い、半導体製造装置用のサーボモーターやインバーターの受注が拡大しています。2027年2月期1Qのモーションコントロール事業は半導体・データセンター関連の牽引で増収を記録しており、MC事業の利益回復が全社業績改善の起点となる構図です。

ロボット事業 — 協働ロボットと中国戦略

産業用ロボット市場は中国メーカーの台頭でローエンド領域の競争が激化していますが、安川電機は協働ロボット(コボット)や高精度溶接ロボットなどハイエンド領域での差別化を進めています。EV工場の新設や既存自動車工場のEV対応ライン増設は、ロボット事業の中期的な追い風です。

まとめと投資判断のポイント

安川電機はサーボモーター・産業用ロボットの世界トップクラスメーカーとして、FA自動化需要の構造的成長の恩恵を受けるポジションにあります。現在は利益の谷間にありますが、2027年2月期の回復シナリオが実現すれば再評価の余地があります。

投資家として注目すべきポイント:

  • ロボット事業の正常化 — 基幹システム移行の完了と欧州構造改革費用の一巡

  • MC事業の受注動向 — 半導体製造装置向けサーボの受注トレンド

  • 営業利益率の回復 — 8.7%→10%超への回復進捗

  • 中国FA投資の回復度合い — 四半期受注の地域別動向

FA関連の比較対象としては、空圧機器首位のSMC(6273)やセンサー大手のキーエンス(6861)、パワー半導体大手の富士電機(6504)との比較が参考になります。


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6506電機・精密

安川電機

サーボモータ・インバータなどのモーションコントロール製品と産業用ロボットで世界トップクラスのシェアを持つ電機メーカー。ACサーボドライブ「Σ」シリーズ、産業用ロボット「MOTOMAN」シリーズを主力に、半導体・自動車・食品・医薬品など幅広い…

コラム著者・編集者

K

KabuGraph編集部

KabuGraph編集部は、投資情報の発信と株式分析ツールの開発に携わるチームです。日本株・米国株の事業分析から、投資に役立つ情報をわかりやすくお届けします。

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