楽天銀行(5838)の企業分析|口座数1,800万超・楽天エコシステムで拡大するネット銀行最大手

楽天銀行(5838)は、口座数1,807万・預金量12.9兆円を誇る国内ネット銀行最大手です(2026年3月末時点)。
2026年3月期は経常収益2,556億円(前期比+38.4%)、経常利益1,031億円(同+44.1%)、純利益731億円(同+43.9%)と6期連続で過去最高益を更新。日銀の利上げによる金利収益の急拡大と、楽天エコシステムを活用した効率的な顧客獲得が成長を牽引しています。
一方で2026年10月1日には、株式交付による楽天カード・楽天証券ホールディングスの子会社化が予定されています(2026年5月20日最終合意、6月24日株主総会承認)。楽天銀行は、資本構成と業績の前提が大きく変わる転換点にあります。
この記事では、楽天銀行の事業構造、楽天エコシステムとの連携、BaaS戦略、フィンテック事業再編、業績推移、投資判断のポイントを、個人投資家の視点からわかりやすく解説します。
この記事の内容(目次)
会社概要 — ネット銀行の先駆者から国内最大手へ
楽天銀行は、2000年に「日本電子決済企画株式会社」として設立され、2001年7月に「イーバンク銀行」として営業を開始した国内で最初期のネット専業銀行の一つです。2008年に楽天と資本・業務提携し、2009年に楽天の子会社となり、2010年に現在の「楽天銀行」へ商号変更(同年、完全子会社化)。2023年4月に東証プライム市場へ単独上場を果たしました(出典: 楽天銀行 沿革)。
項目 | 内容 |
|---|---|
会社名 | 楽天銀行株式会社(Rakuten Bank, Ltd.) |
証券コード | 5838(東証プライム) |
設立 | 2000年1月(日本電子決済企画として) |
上場 | 2023年4月(東証プライム) |
代表取締役社長 | 東林 知隆 |
従業員数 | 987名(単体)/1,186名(連結)、2026年3月末時点 |
本社 | 東京都港区港南 |
親会社 | 楽天グループ株式会社(出資比率49.26%、2026年3月末時点)。2026年10月1日予定の株式交付後は普通株式の49.94%に加え、無議決権のA種種類株式1億8,147万株を保有する見込み(全て普通株式に転換した場合の持分は72.35%) |
セクター | 銀行業 |
ネット銀行の圧倒的トップランナー
楽天銀行の最大の特徴は、物理的な支店を持たずインターネットのみで銀行サービスを提供する「ネット専業銀行」であることです。自前のATMも保有せず、コンビニATMや提携金融機関のATMを利用する形態で、従来の銀行と比較して圧倒的な低コスト運営を実現しています。
口座数と預金量の推移を見ると、楽天銀行の成長スピードが際立ちます。
口座数・預金残高の推移
2026年3月期時点で口座数1,807万、預金量12.9兆円と、ドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)やPayPay銀行などの競合を大きく引き離し、国内ネット銀行で圧倒的な首位です(出典: ペイメントナビ)。4年間で口座数は約1.5倍、預金量は約1.7倍に成長しました。
主要ネット銀行の口座数比較(2026年最新)
主要ネット銀行の預金残高比較(2026年最新)
ビジネスモデルを理解する

楽天銀行のビジネスモデルは、大きく「個人ビジネス」「法人ビジネス」「BaaS(Banking as a Service)」の3つの柱で構成されています。銀行業の単一セグメントであるためセグメント別の売上は開示されていませんが、収益構造を分解して解説します。
個人ビジネス — 「生活口座」として選ばれるネット銀行
個人ビジネスは楽天銀行の主力事業です。「給与受取→各種支払い→資産運用」という生活のお金の流れをワンストップでカバーする「生活口座」として利用されることを目指しています。
収益の柱は大きく2つあります。
金利収益(貸出金利息) — 住宅ローン、カードローン、教育ローン、不動産担保ローンなど多様な個人向けローンを提供。2026年3月末の個人向けローン残高は2兆2,638億円で、運用資産の約20%を占める
非金利収益(手数料等) — 振込手数料、デビットカード決済手数料、外貨預金スプレッド、宝くじ販売など。2026年3月期の経常収益に占める非金利収益は約20%。決済件数は年間9.8億件(前年比+9.1%)に達する
特に金利収益は、2026年3月期に前期比+54.1%増の1,976億円へ急拡大しています(連結の資金運用収益)。これは日銀の利上げの効果(金利収支ベースで+191億円)と、運用資産の積み上げの両輪によるものです(出典: 楽天銀行 2026年3月期決算短信・決算説明会資料)。

【投資テーマ解説】銀行株|金利1.0%時代到来・メガバンク過去最高益と株主還元の全貌
31年ぶりの政策金利1.0%でメガバンク3行は過去最高益を更新。利ざや拡大・累進配当・地銀再編・ネット銀行の台頭まで、銀行セクターの投資テーマを網羅的に解説します。
法人ビジネス — 中小企業からEC事業者までカバー
法人ビジネスでは、企業の資金決済・運用・融資のニーズに対してワンストップでソリューションを提供しています。従来の対面営業に加え、インターネットマーケティングを組み合わせたハイブリッド営業を展開しており、取引先企業の規模に関わらず利便性の高いサービスを提供できる点が強みです。
また、楽天グループ各社の金銭債権(楽天カードのクレジットカード債権、楽天モバイルの通信料債権など)を自行グループ内でワンストップ証券化する独自のスキームを持ち、これが運用資産の多様化と収益力の向上に大きく貢献しています。
BaaS(Banking as a Service) — 「銀行機能の外販」で成長
BaaS(Banking as a Service)は、楽天銀行が持つ銀行システムとサービスを他社のブランドで提供する「銀行機能の外販」モデルです。提携企業のブランドで専用支店を設置し、提携企業の顧客が楽天銀行のインフラを使って銀行サービスを利用します。
主なBaaS提携実績は以下の通りです。
提携企業 | サービス名 | 開始時期 |
|---|---|---|
大垣共立銀行 | 楽天銀行OKB支店(口座連携サービス) | 2019年11月 |
西日本シティ銀行 | 楽天銀行NCB支店(口座連携サービス) | 2021年12月提携(2022年3月開始) |
第一生命保険 | 第一生命NEOBANK | 2023年1月 |
JR東日本 / ビューカード | JRE BANK | 2024年5月 |
特に注目を集めたのが「JRE BANK」です。JR東日本のブランド力を活かし、サービス開始からわずか1年で54万口座の申込を獲得しました(出典: ビジネス+IT)。JRE POINTとの連携や、Suicaチャージ特典など、JR東日本ならではの特典が集客力を高めています。
BaaSは楽天銀行にとって追加の設備投資をほとんど必要とせず、既存のシステム基盤を活用して収益を上乗せできる高効率モデルです。提携先企業が持つ顧客基盤にリーチできるため、楽天エコシステム外の顧客獲得チャネルとしても機能しています。

【投資テーマ解説】BaaS(Banking as a Service)|銀行機能をAPIで届ける金融の新潮流
BaaS(Banking as a Service)の仕組み・国内事例・関連企業を解説。非金融企業が自社サービスに銀行機能を組み込む「組込型金融」の全体像がわかります。
楽天エコシステムとの連携 — 最強の顧客送客装置
楽天銀行の成長を語るうえで欠かせないのが楽天エコシステムとの連携です。楽天グループの1億超IDの顧客基盤を活用し、以下のような多層的な連携を行っています。
楽天証券との口座連携(マネーブリッジ) — 楽天銀行口座と楽天証券口座を連携すると、普通預金金利が優遇される。証券取引の資金が自動で入出金され、投資家にとって利便性が高い
楽天カードの引落口座 — 楽天カードの引落先に楽天銀行口座を設定すると楽天ポイントが付与される。楽天カードの発行枚数は3,000万枚超であり、巨大な送客装置として機能
楽天ポイント連携(ハッピープログラム) — 預金残高や取引回数に応じて楽天ポイントを付与。ポイントは振込手数料やデビットカード決済に充当でき、顧客のリテンション(定着)に大きく貢献
楽天ペイとの連携 — 楽天ペイ(アプリ決済)における楽天銀行口座からの即時払いサービスを提供。キャッシュレス決済の入口として機能
こうしたエコシステム連携の結果、新規口座開設の約60%が楽天グループ経由であり、一般的な銀行と比べて顧客獲得コストが極めて低い構造を実現しています(2025年度実績、有価証券報告書より)。
フィンテック事業再編 — 2026年10月に楽天カード・楽天証券HDを子会社化(予定)
2026年5月20日、楽天銀行は株式交付により楽天カードと楽天証券ホールディングス(HD)を完全子会社化することで、楽天グループ・みずほ銀行と最終合意しました。6月24日の第27期定時株主総会で株式交付計画が承認され(賛成83.96%)、効力発生日は2026年10月1日の予定です(出典: 楽天グループ プレスリリース(2026年5月20日))。
楽天グループが2024年に一度取り止めた再編を2026年2月に協議再開し、3ヶ月で最終合意に至ったものです。銀行を頂点にカード・証券を束ね、「貯める・借りる」に「使う・増やす」を加えた総合フィンテック企業を目指すというのが会社の説明です。
項目 | 内容 |
|---|---|
形態 | 株式交付(楽天銀行が株式交付親会社、楽天カード・楽天証券HDが株式交付子会社) |
対価 | 楽天銀行のA種種類株式2億3,089万株(無議決権・譲渡制限付き、普通株式への転換請求権あり) |
割当先 | 楽天グループ2億733万株、みずほ銀行2,356万株(みずほ銀行は楽天カード株14.99%の対価) |
株式価値の算定比率 | 楽天銀行1.0:楽天カード0.9:楽天証券HD0.42 |
効力発生日 | 2026年10月1日(予定) |
上場 | 再編後も東証プライム上場を維持する想定(楽天証券はみずほ証券が49%を保有する構造を維持) |
株主構成と株数はどう変わるか
新たに交付するA種種類株式2億3,089万株は、既存の発行済株式1億7,450万株(2026年3月末)の132%に相当します。効力発生日には楽天グループが2,586万株、みずほ銀行が2,356万株を普通株式に転換し、普通株式は2億2,392万株に増える見込みです。
項目 | 再編前(2026年3月末) | 再編後(普通株式ベース) | A種株を全て転換した場合 |
|---|---|---|---|
普通株式数(自己株式控除後) | 1億7,450万株 | 2億2,392万株 | 4億539万株 |
楽天グループの持分 | 49.26% | 49.94%(議決権比率49.95%) | 72.35% |
みずほ銀行の持分 | — | 10.52% | 5.8% |
楽天グループは残るA種種類株式1億8,147万株について、議決権比率が50%以下に留まる範囲でしか転換しないことを楽天銀行と合意しています。プライム市場の流通株式比率35%以上という上場維持基準を満たすための設計ですが、A種種類株式は普通株式と同額の配当を受け取れるため、経済的な持分は約7割と見るのが実態に近いでしょう。
会社が掲げるシナジーと目標
会社が説明する再編の狙いは、次の3点です。
資金調達のグループ連携 — 楽天カードの債権を楽天銀行の預金で賄い、運用資産と金利収益を拡大。中期的に年間約530億円以上(経常利益ベース)のシナジーを見込む
個人顧客基盤の拡大 — 銀行・カード・証券の顧客データを使った統合マーケティングで相互送客とクロスユースを促進。中期的に年間約320億円以上のシナジーを見込む
法人顧客基盤の拡大 — 楽天カードの加盟店網・決済代行と楽天銀行の法人向けソリューションを組み合わせ、中小企業へ包括的に提供
シナジーの合計は2028年3月期に年間約330億円、中期的には年間約850億円以上を見込み、2030年3月期には再編後の楽天銀行グループで経常利益4,000億円以上を目指すとしています(2027年3月期1Q決算説明会資料)。楽天銀行単体の2026年3月期経常利益1,031億円に対して約4倍の水準で、達成にはカード・証券の利益とシナジーの両方が要ります。
業績推移と財務分析
通期業績推移 — 6期連続で過去最高益を更新
楽天銀行は銀行業のため、一般的な「売上高・営業利益」ではなく「経常収益・経常利益」で業績を見ます。直近5年間の業績推移は以下の通りです。
決算期 | 経常収益 | 経常利益 | 純利益 | 経常利益率 |
|---|---|---|---|---|
2022年3月期 | 1,060億円 | 279億円 | 200億円 | 26.3% |
2023年3月期 | 1,204億円 | 387億円 | 277億円 | 32.2% |
2024年3月期 | 1,380億円 | 484億円 | 344億円 | 35.1% |
2025年3月期 | 1,845億円 | 715億円 | 508億円 | 38.8% |
2026年3月期 | 2,556億円 | 1,031億円 | 731億円 | 40.3% |
2027年3月期(予想) | 3,435億円 | 1,258億円 | 881億円 | 36.6% |
通期業績推移(経常収益・経常利益・経常利益率)
注目すべきは預金残高の伸び(+12.9%)を大幅に上回る経常収益の成長率(+38.4%)です。銀行の収益は「預金量×利ざや(貸出金利−調達金利)」で決まるため、日銀の利上げによって利ざやが拡大すれば、預金量が同じでも収益は大きく伸びます。2026年3月期の金利収益(連結の資金運用収益)は前期比+54.1%増の1,976億円へ急拡大しました(出典: 楽天銀行 2026年3月期決算短信)。楽天銀行は預金金利の引き上げ幅を貸出金利の引き上げ幅より小さく抑えられるため、金利上昇局面では利ざやが自然に拡大する構造にあります。
さらに、ネット銀行特有のスケールメリットが利益率を押し上げます。物理店舗がないため、口座数が増えても固定費はほぼ変わらず、経常利益率は2022年3月期の26.3%から2026年3月期には40.3%へと大幅に改善しました。この4年間で経常収益は約2.4倍ですが、経常利益は約3.7倍と、利益の成長が収益の成長を大きく上回る高効率な成長を実現しています。
2027年3月期1Q(2026年4〜6月) — 四半期過去最高を更新
2026年8月6日に発表された1Q決算は、経常収益784億円(前年同期比+36.3%)、経常利益302億円(同+26.1%)と四半期ベースで過去最高を更新しました(出典: 楽天銀行 2027年3月期第1四半期決算短信)。純利益は210億円(同+24.5%)でした。
同時に、通期業績予想を上方修正。経常利益は期初予想1,156億円→1,258億円(期初予想比+8.7%、前期比+22.0%)へ引き上げられました。前提の政策金利は0.75%から1.00%に置き直され(追加利上げは織り込まず)、2026年6月の日銀利上げが着実に業績に反映されています。なお、この予想は楽天銀行単体ベースで、10月に子会社化予定の楽天カード・楽天証券HDの業績は含まれていません。
1Q末時点の口座数は1,846万口座、単体預金残高は13.3兆円と成長が継続しています。
株価指標(2026年8月26日時点)
指標 | 値 |
|---|---|
株価 | 6,367円 |
時価総額 | 約1兆1,111億円 |
PER(株価収益率) | 15.2倍(実績ベース) |
PER(予想ベース) | 12.6倍(FY2027予想EPS 505.10円ベース。楽天銀行単体の予想・再編前の株数) |
PBR(株価純資産倍率) | 2.83倍(2026年6月末BPS 2,250円ベース。2026年3月末BPS 2,127.93円基準では2.99倍) |
ROE(自己資本利益率) | 21.7%(2026年3月期実績、会社公表値:期首・期末平均自己資本ベース) |
配当利回り | 0%(無配) |
投資家が注目すべきポイント
3つの強み
1. 金利上昇局面での高い収益弾性
楽天銀行は物理店舗を持たない低コスト構造のため、金利上昇の恩恵を利益に直結させやすい体質です。2026年3月期の金利収益は前期比+54.1%増と急拡大しており、日銀の追加利上げが行われればさらなる業績上振れが期待できます。実際、2027年3月期1Q決算と同時に通期業績予想を上方修正しており、金利上昇メリットが着実に反映されています。
2. 楽天エコシステムによる効率的な顧客獲得
楽天グループの1億超IDの顧客基盤を活用し、新規口座開設の約60%を楽天グループ経由で獲得しています。テレビCMや店頭営業に頼る従来型銀行と比べて顧客獲得コストが格段に低く、この効率性が高い利益率の源泉となっています。マネーブリッジ(楽天証券口座連携)や楽天ポイントなど、エコシステム内での「囲い込み」も強力で、口座の解約率(チャーンレート)は低水準です。
3. BaaSによる新たな成長チャネル
JRE BANKの成功に見られるように、他社ブランドの冠を被せて銀行サービスを展開するBaaSモデルは、楽天エコシステム外の顧客層にリーチする新たな成長チャネルです。既存のシステム基盤を活用するため追加投資は限定的で、利益率の高いビジネスです。今後、提携先の拡大によりさらなる口座数の積み上げが見込まれます。
注意すべきリスク
1. 楽天グループへの依存と再編後の資本構成
楽天グループが49.26%を出資する親子上場であり、楽天グループの経営状況や方針変更が楽天銀行に影響を及ぼす可能性があります。2023年12月には、楽天グループが社債償還の資金を確保するため楽天銀行株を海外で売り出し(約600億円)、持分を63.33%から49.27%へ下げた経緯もあります。
2026年10月の株式交付後は、楽天グループはA種種類株式を含め約7割を保有し(普通株式の議決権は49.95%)、楽天カードのカードローン・割賦債権の信用リスクを楽天銀行グループが直接抱えることになります。少数株主の利益と楽天グループの意向が食い違う局面では、親子上場特有のガバナンスリスクがより強く意識されます。また、楽天ポイントの付与条件変更など、エコシステム側の施策変更が顧客獲得に影響する可能性もあります。
2. 金利低下リスク
現在の好業績は日銀の利上げによる金利上昇に大きく支えられています。景気後退等で日銀が利下げに転じた場合、金利収益の減少を通じて業績が下振れするリスクがあります。金利上昇メリットは両方向に作用する点を理解しておく必要があります。
3. 無配当
楽天銀行は上場以来、配当を実施していません。成長投資と自己資本の充実を優先する方針ですが、インカムゲイン(配当収入)を重視する投資家には不向きな銘柄です。自己資本比率規制(楽天銀行は国内基準)の上、銀行は一定の自己資本を維持する必要があるため、急速な成長局面では内部留保が優先されがちです。
4. ネット銀行間の競争激化
ドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)、PayPay銀行、auじぶん銀行など、各社がスマホ経済圏を武器に顧客獲得競争を激化させています。特にPayPay銀行はPayPayの巨大なユーザーベースを持ち、auじぶん銀行はKDDIのau経済圏との連携を強化しています。楽天銀行は現在圧倒的な首位ですが、競合の追い上げとポイント還元競争によるコスト増には注意が必要です。
まとめ
楽天銀行(5838)は、口座数1,800万超・預金量12.9兆円の国内ネット銀行最大手です。楽天エコシステムとの連携による効率的な顧客獲得、日銀利上げによる金利収益の急拡大、BaaSによる新たな成長チャネルの3つが成長を牽引しています。
投資の観点からのポイントを整理すると、以下の通りです。
成長性: FY2027は経常収益3,435億円(+34.3%)、純利益881億円(+20.6%)を予想(楽天銀行単体ベース)。7期連続の過去最高益更新を見込む
収益構造: 物理店舗なしの低コスト構造でROE 21.7%。金利上昇局面では利ざや拡大により利益が加速度的に成長
事業の強さ: 楽天エコシステム(1億超ID)を活用した低コスト顧客獲得と、BaaS(JRE BANK等)による楽天圏外への拡大
再編: 2026年10月1日予定の株式交付で楽天カード・楽天証券HDを子会社化。会社は中期的に年間850億円以上のシナジーを見込む一方、A種種類株式を含めた株数は約2.3倍に増え、FY2027予想は単体ベースのため予想PERの前提が変わる
注意点: 楽天グループへの依存(49.26%出資の親子上場。再編後はA種種類株式を含め約7割)、再編に伴う株式の希薄化、金利低下時の業績下振れリスク、無配当
実績PER 15倍台はメガバンク(17倍台、2026年9月14日時点)を下回り、予想ベースでは12.6倍です。ただし予想PERは楽天銀行単体の予想と再編前の株数で計算した値で、10月以降は楽天カード・楽天証券HDの利益と約2.3倍に増える株数の両方を織り込み直す必要があります。金利上昇局面が続く限り、ネット銀行最大手としてのスケールメリットが最も効く銘柄であり、日本の金融政策の正常化と連動して注目度が高まる局面が続くでしょう。
楽天銀行
楽天グループ傘下のインターネット銀行。スマートフォンアプリで預金・各種ローン(住宅・カード・教育・不動産担保等)・FX・外貨預金を一元提供。1,807万口座・12.9兆円預金で業界最大級。楽天ポイント・楽天ペイ連携、BaaS活用で付加価値提…
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。記事中の株価指標は2026年8月26日時点、メガバンクとの比較は2026年9月14日時点の情報に基づいています。










