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野村ホールディングス(8604)の企業分析|税前利益5,398億円で2期連続最高益、ウェルスマネジメント変革の全貌

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野村ホールディングス(8604)は、国内最大の証券グループであり、グローバルに展開する総合金融サービス企業です。

2026年3月期は純収益(収益合計=金融費用控除後)2兆1,677億円(前期比+15%)、税前利益5,398億円(同+14%)で2期連続の過去最高益を更新。ROEは10.1%を達成しました(Nomura+ 決算ハイライト)。

この記事では、野村HDの3つの事業部門、業績推移、ストック型収益への転換、投資リスクを個人投資家の視点から解説します。

会社概要 — 日本最大の証券グループ

野村ホールディングスは、1925年に大阪で設立された野村證券を母体とする日本最大の証券グループです。2001年に持株会社体制に移行し、現在はウェルス・マネジメント、インベストメント・マネジメント、ホールセールの3事業部門を軸に、世界30以上の国・地域で事業を展開しています。

項目

内容

会社名

野村ホールディングス株式会社

証券コード

8604(東証プライム)

代表執行役社長

奥田健太郎(2026年8月時点)

従業員数

約26,585名(連結、2026年3月末時点)

本社

東京都中央区日本橋

Nomura+(ノムラプラス)— 野村グループの情報ポータルサイト
出典:Nomura+(野村グループ情報ポータル)

3つの事業部門を理解する

① ウェルス・マネジメント部門 — 個人投資家向けの資産運用サービス

国内最大の証券リテール網を持つ野村證券を中心に、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング、投資信託・株式の販売、相続・事業承継支援などを展開しています。2026年3月期は23%の増益で過去最高を達成。新NISAによる資産形成需要の拡大と、富裕層向けサービスの強化が寄与しました。

従来の「売買手数料型」から「預かり資産残高に応じたフィー型」への転換が加速しており、ストック型ビジネスモデルの構築が主要KPIの大幅な改善につながっています。

② インベストメント・マネジメント部門 — 運用資産残高137兆円

野村アセットマネジメントを中核とした資産運用事業です。運用資産残高は2026年3月期末で約137兆円(前年比+53%)に到達し、直近の2026年6月末(2027年3月期第1四半期)には過去最高の156兆円へ拡大しました(Nomura+ 2027年3月期第1四半期決算ハイライト)。マッコーリー・グループの米国・欧州パブリック・アセットマネジメント事業の買収(2025年12月完了、約18億米ドル、AUM約1,660億米ドル)により、海外の伝統的資産運用の基盤を大幅に拡大しました。

野村アセットマネジメント — 投資信託・ETF・iDeCoなどの資産運用商品を提供
出典:野村アセットマネジメント 公式サイト

ETF(上場投資信託)ではNEXT FUNDSシリーズが国内トップシェアを維持。iDeCoやNISA対応の投資信託も充実しており、個人の資産形成需要の拡大がこの部門の安定収益基盤を支えています。

③ ホールセール部門 — グローバルマーケッツ&IB

機関投資家・法人向けのトレーディングと投資銀行業務を行うホールセール部門は、2026年3月期に21%の増益で過去最高を達成しました。グローバル・マーケッツ(株式・債券のトレーディング)とインベストメント・バンキング(M&Aアドバイザリー・引受け)の双方が過去最高収益を記録。すべての地域(日本・米州・欧州・アジア)で増収となり、グローバル分散が機能しています。

特に日本株の取引活性化により、日本関連のフロー・ビジネスが大きく伸びています。東証の市場改革やTOPIX再編、さらには海外投資家の日本株回帰がこの部門の追い風となっています。

業績推移と株主還元

収益・純利益の推移(2017年3月期〜2026年3月期)

出典:野村HD決算短信各期(米国基準)よりKabuGraph作成。本グラフの「収益合計」は金融費用控除前の数値で、リード文の純収益(収益合計=金融費用控除後、2026年3月期は2兆1,677億円)とは定義が異なる。2019/3は約1,004億円の赤字

野村HDの業績はボラティリティが大きいのが特徴です。2019年3月期は約1,000億円の赤字、2021年にはアルケゴス問題で大きな損失を計上しました。一方、2025年3月期以降は日本株市場の活況を背景に2期連続で最高益を更新しており、ROE目標(8〜10%+)を8四半期連続で達成し、通期ROEは10.1%となりました。

株主還元

2026年3月期の年間配当は51円で、配当性向は41.4%、株主資本配当率(DOE)は4.2%でした。配当利回りは約3.4%(2026年9月1日終値1,640.5円ベース、KabuGraphデータ)です。前期の57円からは6円の減配に見えますが、57円には2025年3月末を基準日とする創立100周年記念配当10円が含まれており、普通配当ベースでは47円→51円で実質増配です。

EPS・1株配当金の推移(2017年3月期〜2026年3月期)

出典:野村HD決算短信各期(米国基準)よりKabuGraph作成。2025/3の年間配当57円には創立100周年記念配当10円を含む(野村HD「創立100周年記念配当に関するお知らせ」2025年2月5日)。2019/3は当期純損失のため配当性向を算出していない

配当方針は、半期ごとの連結業績を基準として連結配当性向40%以上を重要な指標のひとつとし、自己株式取得による還元分を含めた総還元性向50%以上を目処とするものです(野村HD「創立100周年記念配当に関するお知らせ」2025年2月5日)。半期ごとに決めるため通期の配当予想は開示されず、上期の業績が固まってから中間配当が、下期の業績が固まってから期末配当が決まる仕組みです。なお2026年3月期の決算発表時点では自己株式取得の決議はなく、還元は配当が中心となっています。

投資家が注目すべきポイント

強み — 日本株市場の活況とストック型収益

東証の市場改革(PBR 1倍割れ是正要請、TOPIX再編)、海外投資家の日本株回帰、新NISAによる個人投資家の参入拡大は、野村HDの全部門にとって構造的な追い風です。特にウェルス・マネジメント部門のストック型収益への転換は、従来の「相場頼み」からの脱却を示す重要な変化です。

PER 13.3倍(2026年9月1日時点、KabuGraphデータ)は金融セクターの中では割安な水準であり、ROE 10%超が定着すればバリュエーションの切り上げ余地があります。

リスク — 市場依存度の高さと過去の教訓

証券会社の宿命として、市場環境への依存度が高い点が最大のリスクです。日経平均が急落するような局面では、ホールセール・ウェルスマネジメントの双方で収益が大きく減少する可能性があります。2019年の赤字転落やアルケゴスの損失は、この構造的リスクの具体例です。

取引所ビジネスの構造を理解するためには、JPX(日本取引所グループ)の記事もあわせてご覧ください。銀行セクターとの比較は三井住友フィナンシャルグループの記事が参考になります。

まとめ

野村ホールディングスは、日本最大の証券グループとして、日本株市場の活況と資産運用需要の拡大を最も享受できるポジションにいます。

  • 税前利益5,398億円・ROE 10.1%で2期連続の過去最高益(2026年3月期)

  • 運用資産残高137兆円、ストック型収益への構造転換が進行

  • ホールセールは全地域で増収、グローバル分散が機能

  • 市場環境への依存度が高く、急落局面では業績変動が大きい点に注意

PER 13.3倍・配当利回り3.4%(2026年9月1日時点、KabuGraphデータ)は、最高益を更新中の証券グループとしては割安な水準です。市場環境の追い風が続く限り、さらなる成長が期待できる銘柄といえるでしょう。


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野村ホールディングス

野村ホールディングスは、日本および世界の主要金融資本市場で事業を展開する大手投資銀行グループ。1554社の連結子会社・関連会社を傘下に持ち、有価証券の売買・引受・募集、自己資金投資、アセット・マネジメント、銀行業務などの投資・金融サービスを…

コラム著者・編集者

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KabuGraph編集部

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