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NTT(9432)の企業分析|IOWN×データセンター×15期連続増配、売上14.4兆円の通信インフラ巨人が狙うAI時代の成長

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NTT(9432)は、売上高14.4兆円・従業員33万人を擁する日本最大の通信インフラ企業グループです。NTTドコモの携帯通信事業を基盤に、NTTデータのグローバルIT事業、そして次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」構想で成長を図っています。

AI時代の到来に伴い、データセンターの総受電容量を2030年度までに3,000MW(3GW)へ拡張する方針を示すなど、AI需要の取り込みを加速しています。また15期連続増配を達成し、配当利回り3.3%の高配当銘柄としても個人投資家に人気です。

この記事では、NTTの事業構造、IOWN構想とデータセンター戦略、業績推移と投資判断のポイントを解説します。

会社概要 — 日本最大の通信インフラグループ

NTT(日本電信電話株式会社)は1985年に民営化された旧国営通信企業を起源とする日本最大の通信グループです。NTTドコモ(携帯通信)、NTT東日本・西日本(固定通信)、NTTデータ(グローバルIT)を主要子会社に持ち、通信インフラからITサービスまで幅広く事業を展開しています。

項目

内容

会社名

日本電信電話株式会社(NTT, Inc.)

証券コード

9432(東証プライム)

本社

東京都千代田区大手町一丁目5番1号

代表取締役社長

島田 明

従業員数

333,840名(連結、2026年3月期)

決算期

3月

時価総額

約10.8兆円(2026年9月1日時点)

セグメント別営業収益(2026年3月期実績)

出典:NTT 2025年度決算短信「セグメント情報等」。外部顧客に対する営業収益ベース(下の推移グラフはセグメント間の内部取引を含むセグメント小計ベースのため水準が異なる)

セグメント別営業収益の推移

出典:NTT 各年度決算資料をもとに作成。グローバル・ソリューション事業が年率8%超で拡大

2025年度のセグメント利益は、総合ICT事業(ドコモ含む)が9,421億円(前期比△7.7%)とグループ最大ながら減益に転じました。一方、グローバル・ソリューション事業(NTTデータ含む)は4,882億円(同+50.7%)と大きく伸長し、グループの成長を牽引しています。

IOWN構想とデータセンター戦略

出典:NTT 事業案内

IOWN構想 — 光電融合で通信の革命を目指す

IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)は、NTTが推進する光電融合技術を核とした次世代通信基盤構想です。目標は消費電力100分の1、伝送容量125倍、遅延200分の1の実現であり、AI時代の膨大なデータ処理需要に対応する技術として世界的に注目されています。

データセンター戦略 — 受電容量3,000MWへ

NTTグループのデータセンター総受電容量は約2,000MWで国内No.1・世界No.3の規模です。すでに2,700MW超の拡大を計画済みで、2030年度までに3,000MW(3GW)へ拡張する方針です。AI処理需要の爆発的な増大に対応するため、国内外でデータセンターの新設・拡張を加速しています。NTTデータを中心としたグローバルソリューション事業の成長ドライバーとして位置づけられています。

グローバルIT事業 — NTTデータの成長

NTTデータを中核とするグローバル・ソリューション事業は、2025年度の営業収益5兆46億円(前期比+7.9%、セグメント小計ベース。外部顧客ベースでは4兆7,547億円)でNTTグループの成長を牽引する存在です。2022年のNTT Ltd.との統合により、NTTデータグループは世界70カ国以上でITサービスを提供するグローバル企業に進化しました。DXコンサルティング、クラウドサービス、AIソリューションなどを提供しています(出典:NTT 2025年度決算短信NTTデータグループ プロフィール)。

NTTドコモ — 安定した利益基盤

総合ICT事業(NTTドコモ含む)はセグメント利益9,421億円でグループ最大の利益源泉ですが、2025年度は前期比7.7%の減益に転じました。国内携帯市場は飽和しつつありますが、法人向けDX・金融・スマートライフ事業など非通信収入の拡大に注力しています。

業績推移と財務分析

NTTの業績は通信事業の安定した基盤収益により、売上高は緩やかな増収トレンドが続いています。2026年3月期は売上高14.4兆円と過去最高を更新しましたが、営業利益は1.7兆円とほぼ横ばいにとどまりました。

通期業績推移(営業収益・営業利益・営業利益率)

出典:決算短信・有価証券報告書・IR資料よりKabuGraph作成。2027/3(予)は会社予想。営業利益率は2024/3をピークに低下傾向

EPS・配当金の推移(分割後基準)

EPS・1株配当金の推移(分割後基準)

出典:決算短信・有価証券報告書・IR資料よりKabuGraph作成。全て1:25分割後基準。2025/3〜はEPS低下も配当は増配を維持

NTTは15期連続増配を達成しており、2027年3月期は1株5.4円(前期比+0.1円)の増配を予定。配当利回りは3.3%です。配当性向は2024年3月期までの30%台半ばから直近は40%台前半へ切り上がっており、安定的な通信事業のキャッシュフローが持続的な増配を支えています。

投資家が注目すべきポイント

強み① 15期連続増配と安定した配当利回り

NTTの最大の魅力は15期連続増配と3.3%の配当利回りです。通信事業の安定したキャッシュフロー(年間1兆円規模のFCF)が増配の原資であり、業績が多少悪化しても増配を維持する実績があります。2023年の1:25株式分割により少額投資も可能になり、個人投資家の裾野が広がっています。

強み② データセンター拡大でAI需要を取り込む

2030年度までにデータセンター受電容量を3,000MW(3GW)へ拡張する投資計画は、AI時代の通信インフラ企業としての成長シナリオを示しています。NTTデータのグローバルIT事業と組み合わせることで、データセンター+ITサービスのワンストップソリューションを提供できる強みがあります。

強み③ IOWN構想の技術的ポテンシャル

IOWN構想が実現すれば、通信・コンピューティングの消費電力を劇的に削減しつつ処理能力を大幅に向上させるブレークスルーとなります。約800億円のIOWN AIファンド組成により技術エコシステムの構築を加速しており、長期的な企業価値向上のカタリストとして注目されています。


リスク① 国内通信事業の成長鈍化

NTTグループ最大の利益源泉であるドコモの携帯通信事業は、国内市場の飽和と楽天モバイル参入による競争激化で構造的な成長余地が限られます。非通信収入の拡大が必要ですが、まだ通信料収入の代替には至っていません。実際にNTTは2026年5月、既存分野の事業環境変化により連結EBITDA4兆円の達成時期を2027年度から2030年度へ3年先送りしました(2025年度実績3兆4,233億円)(出典:NTT 2025年度決算説明会資料)。

リスク② IOWN構想の商業化タイムライン

IOWNは革新的な構想ですが、光電融合デバイスの実用化・コスト低減・エコシステム構築には長い時間軸が必要です。短期的な業績へのインパクトは限定的であり、投資家は長期的な視点での評価が求められます。

リスク③ データセンター投資による財務負担

データセンター受電容量を約2,000MWから3,000MWへ拡張する計画は巨額の設備投資を伴います。2026年3月期は設備投資に加えて住信SBIネット銀行の連結子会社化もあり、総資産は46.7兆円(前期30.1兆円)、有利子負債残高は15.7兆円(同10.0兆円)へ拡大しました。株主資本比率は34.0%から20.8%へ低下しており、有利子負債の増加が財務健全性に影響する可能性があります。投資回収までの期間中は利益率への圧迫も予想されます(出典:NTT 2025年度決算短信)。

まとめ

NTTは、通信事業の安定した基盤収益を原資とする15期連続増配と3.3%の配当利回りが最大の投資魅力です。

IOWN構想とデータセンター拡大はAI時代における成長の種ですが、短期的な業績への寄与は限定的です。国内通信事業の成長鈍化という構造的な課題も抱えており、NTTデータのグローバルIT事業の拡大が成長のカギを握ります。

安定配当+成長の種(IOWN・DC)を持つディフェンシブ銘柄として、長期保有に適したプロフィールです。PER13.9倍(2026年9月1日時点)は通信セクターとして妥当な水準であり、IOWN構想の商業化進捗がバリュエーション見直しのカタリストになるかが今後の注目ポイントです。

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日本最大の通信グループ。NTTドコモによる携帯電話・5G・ブロードバンドの「総合ICT事業」、NTTデータグループによるシステムインテグレーション・データセンターの「グローバル・ソリューション事業」、NTT東日本・西日本による固定電話・「フ…

コラム著者・編集者

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KabuGraph編集部

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